2009年11月28日 (土)

労働負担研の研究集会in名古屋

非正規も正規も希望を!
  「現代労働負担研究会」の第13回研究集会が、今日から名古屋で始まった、今日、明日の2日間の日程である。
  呼びかけ文によれば、「トヨタと向き合う!を大きなテーマに据えた研究集会です。研究会は、1988年、三菱電機神戸の労働者が、強制立ち作業の苦痛を研究者に相談したことが発端です。これを、トヨタシステムの展開であるとみた千田同志社大学教授が、三菱、山武などの労働者と共同して立ち上げたものです。愛知では住友軽金属の、故近藤直太さんらの尽力によって第3回研究会(1993年)を開催しました。このとき、会の名称を『現代労働負担研究会』に改めました。
  名古屋での開催は2003年の第10回に続いて今回で3回目になります。トヨタシステムに内在する搾取強化と一体化した人間を、物として扱う仮借ない非人間性が、非正規雇用労働者切りを通じて、一挙に明るみに出ました。
  衆議院選挙で怒りを爆発させた国民の力によって、自公政権が打倒され、「国民の暮らし第一」を掲げる政権が誕生しました。
  この政治の流れを監視し、発展させるという本格的な社会的合意づくりが、これからの課題です。労働運動と政治の結び付きも議論できるような研究集会にしたいと思っています。多くの方々に参加を呼びかけます。」
 2日間で以下のテーマが取り上げられる。愛知からの4本を含む12本の議題という、ハードで密度の高いものになりそうだが、2000円で「公開講座」を受けることを思えば、なかなかない機会であろう。

☆雇用破壊の原点、トヨタを見据えて愛知から次の報告を行います。
①「トヨタと向き合った4年間の成果」・・・ATU(全トヨタ労働組合)委員長 若月忠夫さん
②「解雇で住まいを奪われる派遣労働者」・・名古屋ふれあいユニオン運営委員長 酒井 徹さん
③「トヨタ労働組合変質の歴史」・・・・・・中京大学非常勤講師 杉山 直さん
④「非正規派遣労働、過度期の派遣業界の現状」・・派遣会社取締役会長 Aさん
★東京、関西、浜松などと合わせて12本の報告を予定しています。
日程、場所、会費など
*日 時:11月28日(土)10時~17時
          29日(日)9時30分~15時
*会 場:愛知労働会館2F会議室(金山駅から名鉄本線に沿って神宮前方向徒歩10分)
*参加費:2000円(交流集会報告書、会場費等)ただし、失業者、学生は無料とします。
*懇親会:11月28日17時30分から、居酒屋「叶」です。
 労働会館から徒歩5分。会費3000円。

 ATU・Sも準備段階の協力団体の一つでもあり、当然私もその場に居合わせ、共に議論に参加する立場であり、そうもしたいと願ってきたが、今の体調では気が進まず、後日、経過などの報告だけを聞くことにした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年10月26日 (月)

非正規雇用・外国人の場合

 光精工の現場報告から
 昨日の午後、中村区の牧野コミセンで、ATUサポート市民の会主催の、第4回トヨタ連続労働講座が開催された。4回目をして初めて、トヨタ系企業の外国労働者の現場の実態に迫った。
 私たちに、三重県の光精工(トヨタ自動車の一次下請け部品メーカー)での実態、体験を語ってくれたのは、「ユニオンみえ」加盟の「グルーポ光」というユニオンの先頭に立って闘っている大成(おなり)アレクサンドロさんで、しっかりとした日本語ができて、通訳がいらないから、多くの話が聞けた。
 進行は、まず名古屋ふれあいユニオン酒井運営委員長が経過を述べ、次に、市民の会・中村さんも加わって聞き手となった、対談方式で進んだ。
 既に「れいめい」前号で概略が伝えられ、この日もレジュメや、新聞の切り抜きが配られていたから、それ以外の事実が大成さんから語られた。
 例えば、「残業は月に180~200時間、土日の休みもないが、日曜礼拝があるからと、前日までの24時間以上ぶっ通しで働く」こともあったという。そこまでして働かなくても、という声もあるが、残業なしでは低賃金で生活ができない、断れば解雇の脅しも。事実、1か月労災で休んだら、解雇するといわれたという。
 その他「信じられない」事実がいくつも紹介されたが、「会社のトップに外国人差別意識がある」という、大成さんの指摘、感慨は、日本の経営者の感覚を代表しているとさえいえるのではないか。それらが、中小手、零細企業での「例外的事例」という言い訳は通用しない。
 それは、例えば、トヨタにしろ、キャノンにしろ、コストダウンのために、関連企業、下請企業にまで厳しいコストカットを求めている事実があり、その把握なくして、10%カット、30%カットなど言えるはずもない。
 「非正規雇用」制度「外国人研修生、実習生」をもっと有効に使え、と口にはいわないまでも、「トヨタ下流域の経営者」は、そうしなければ、親会社の要求に応じられないことは確かなことだろう。
 日系ブラジル人など外国人労働者の、こうした実態は、「日本全国で共通している」という大成さんの言葉は、さらに痛切であった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年9月27日 (日)

ATUの定期大会

 知られざるこの労組の闘い
 全トヨタ労働組合(ATU)の定期大会が開かれた。従来の定期大会は1月であったが、春闘時期と重なることもあって、1月に臨時大会を開き、定期大会をこの時期に移行したのであった。
 「ATUサポート市民の会」は、来賓として招かれたが、代表など三役不在のため、私は代理出席であった。
  冒頭の若月委員長のあいさつは、1年余の活動を振り返り、新たな組合員を迎えたこと、団交相手がトヨタ、デンソー、アイシン、JTEKT、トヨタ車体の5社に加え、関連部品会社1社を加えての6社になったこと、新たに組合員の裁判が始まったことなど、少数組合でありながら、専従もいない中で、多くの課題、運動に取り組んでいることが語られた。
  私はあいさつで、ATUとの出会いを述べた後、今や世界のトップ企業であるトヨタは、その生産、販売がトップであるばかりでなく、企業として、日本経済、地域経済だけなく、政治的にも影響を及ぼしていることを指摘し、労働運動の立場からも「トヨタと向き合う」運動が重要視されねばならないとした。
  「トヨタと向き合う」運動の中心となるATU、そして「ATUは、トヨタの獅子身中の虫」として、それに連なる愛労連・西三河南労連、ATUサポート市民の会、TMPCWAを支援する愛知の会、APWSL愛知、自動車産別交流会議があるとして紹介した。同時に、組合結成当時に比べ運動領域が、格段に広がっていること、それゆえ、組合員一人一人の役割が重要視され、また、運動を継承する次世代の組合員の獲得を目指してほしいなど、連帯・支援のあいさつを行った。
  後半の役員選出、活動方針の議論については、遠慮すべきと心得、辞去した。
  それにしても、このATUの存在と運動がどこまで知られているのだろうかと、いつも思う。
  全国から届く便りや会員名簿を見ても、連合だけでなく、全労連、全労協のナショナルセンターに加盟する労組、団体からはわずかに散見されるだけである。「トヨタ式労務管理、生産性向上運動で現場は大混乱」などと声をあげていた郵政ユニオンから連絡があったのは大阪の1支部だけであった。20を超えるILO勧告を引き出し、20年以上を経てなお闘い続けるJR・国鉄の関連労組からは、東に1組合だけである。労働の分析、労働法の研究者などからは注目されているが、まだまだ限定的だ。
  これは、マスコミが取り上げないことも多くあるが、こちらからの仕掛けが全く不十分であることは確かだ。それをもって、ATUの周辺から独自に発信することにはいささか躊躇がある。それは結果として、ATU自身が応えきれるかどうかにかかっているからである。
  若月委員長の雇用延長が切れるのもそう遠くはないから、彼自身いずれ「内部活動は、他の仲間に、自分は対外的、地域的役割に専念」と考えているのではないかと、私は想像するのであるが、それがうまくいってほしいと、大会の席にいて願うばかりであった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年8月 4日 (火)

APWSL愛知から

 トヨタ関連ニュース・7
 毎月1回発行の、APWSL愛知の「トヨタ関連ニュース」第7号の原稿を、ATUサポート市民の会の運営委員会報告から拾い出してまとめ、翻訳者に送信した。
 こうして「短信」を配信しているが、外国からの目立った反応は届いていない。英語が必ずしも世界語ではないから、私が英文のメールにはまったく関心を持たないと同様に、アジアの国の活動家には関心を持ってもらえていないかもしれない。いや、活動家の多くは英語には、少しは通じているらしいから、目を通してくれているのだろうが、それを他の仲間に自国語に訳して配信することは難しいことかもしれない。又、内容的にとりあえず返信すべきものもはないということもあろう。
 外国からくる英語と、韓国語、中国語情報は、全部ではないかもしれないが、翻訳されてAPWSL日本委員会のMLで配信されてくる。これで、幾らか外国の情報に触れることができ、APWSLの存在がありがたいのである。
 さてその第7号の見出しは以下の通りである。
◆西三河地域での共同拠点づくり
 7月21日、ATU・Sの呼びかけで、労働災害・職業病の相談、労基署、労働局交渉及び裁判支援などを目的とした、愛知県西三河地域での共同拠点づくりについて初の懇談を行いました。
◆活動を始めた熊沢さん
 7月17日、トヨタ関連の自動車部品関連の企業であるF社(愛知県春日井市)に勤務する熊沢さん(30歳代)は、労働者の意見、相談に耳を傾けない組合に見切りをつけ脱退、ATUに新規加入を決意しました。この日熊沢さんは、ATUの役員と共に、F社に対してATUへの加入通告と、団体交渉の申し入れを行いました。
◆トヨタの子会社で解雇撤回闘争
 7月14日、トヨタ100%子会社、TTDC(トヨタ・テクニカル・デイベロップメント・コーポレーション)にキャド講師として派遣されていたYさん(愛知連帯ユニオン組合員)の解雇撤回を求める団体交渉がありました。
◆ジェイテクトで新たな闘いが始まる
 7月10日、トヨタの関連会社、ジェイテクトで、病気による休職期間満了を理由として解雇された田中さんは、解雇は不当であるとして、撤回を求める裁判提訴を行いました。
◆東海外国人支援ネットワーク
 7月4日、「東海外国人支援ネットワーク」の学習会が行われました。この日のテーマは、管理職ユニオン東海の平良書記長による、解雇問題の対応についてでした。

追記:APWSL愛知の坂喜代子代表は、社会民主党から、衆議院・比例東海の候補者として連日、選挙運動に奔走しています。労働者の立場に立った法律の制定、改廃を国会の場で進めたいというのが、立候補の理由の一つです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年7月11日 (土)

続・APWSL日本委員会の総会

  海外の動きを知る機会にはなったが・・・
 最初の報告は、台湾の労働事情で「台湾での新たな労働運動の台頭/台湾版「派遣法」との闘いのなかで」というもので、去る6月、台湾・台中市での「全国自主労工聯盟」の会員代表大会に参加した人から大会の様子と、台湾には「派遣法」がないので、これから作ろうという段階である、しかし、それは派遣労働、請負、受託といった非正規雇用そのものがないのではなく、実際はかなりあって、それがひどい故に派遣法を制定しようという動きということらしい。それなのに、招かれた日本の代表が、「派遣村」の話などをしたところ、「それはひどい!日本は先進国だと思っていたのに」「そんな前近代的な・・・」という驚きの声が出たというから、日本のひどさは台湾以上、ということになる。実際、そのあとの幾つかの国内報告では、それを裏付けるような「ひどい」話の実例が報告されていた。
 次に「派遣切りと闘う日系南米人/ゼネラルユニオン南米支部結成の経過」の話も、実際の闘いの話であるから、かなりリアリティーなものであった。ポルトガル語、スペイン語の世界であり、それぞれのお国柄もあり、そうした人たちの派遣切り、雇い止めに対する会社交渉、労働局交渉、その上「生活保護申請」あるいは、入管(名古屋)との折衝までの支援は、聞いているだけ身が細くなる感じさえした話であった。
 名古屋ふれあいユニオンの酒井運営委員長の「今、トヨタの足下で/下請け外国人の労働者たちの現況」の話は、既に聞いている話ではあったが、上記二つの話が重なると、その深刻さが色濃く出てきた感じがした。
 それを図式でいえば、日本の労働現場の最底辺は「中国人、ベトナム人、フィリピン人、インドネシア人の研修生」といわれる「労基法の適用外」の層があって、低賃金、長時間労働、人権侵害、セクハラなど何でもありの「奴隷労働」世界があって、それよりはまだましかといわれるのが「日系ブラジル人」の人たち。この層は「3K職場の担い手」とも言われ、ひどい待遇が明らかになったのはそう古い話ではない。その日系ブラジル人の人たちも今や「お払い箱」で、「外国人研修生」に取って代わられるか、ブラジルに「30万円」の手切れ金で帰されているという。
 その日系ブラジルよりはるかにましといわれてきた日本人の「派遣、請負、パート」などの非正規雇用労働者が、全国で何十万人もの首が切られた昨今の現実がある。こうなると、正規職の労働者すら、その雇用は安泰ではなくなってきている・・・。
 ところでもう一つ衝撃的な話は、外国人研修生の問題で、とにかく不当な扱いから解放させ、然るべき物も取り返し、無事帰国させることができたとして、帰国した先のことまではこの日本からは手が及ばないということのようだ。何が及ばないか、例えば、日本に来る時に(借金して作った)担保として支払った高額の保証金が、現地の悪徳ブローカーに難くせをつけられ返却されないケースとか、“マフィアのような組合にかかわった”とかのデマを飛ばされるとかの被害についてである。これらは現地の良心的な組合とか人権派の弁護士に頼るしかないが、ともすれば労働者の日本への出稼ぎは、現地の国にとって国内の余剰労働力の輸出であり、外貨獲得の手段でもあるから、それらの取り締まりには及び腰であり、受け入れ先の企業には頭が上がらない、という現実もあるのだという。
 これらの話そのものはわかるが、聞けば聞くほどどう整理すればいいのかわからなくなる。自分の立ち位置が浮遊状態になる感じは否めないのである。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2009年7月 2日 (木)

老兵たちのフォーラム7月例会

 久野 治著「春闘の終焉」を読んで
 昨日の例会のテーマは、多治見市在住、元三菱電機労組役員、元IMF・JC事務局次長、中部ペンクラブ理事、美濃の武将で茶人・古田織部の研究および、文筆活動を続けておられる、久野治さんの近著「春闘の終焉」をめぐっての意見交換であった。
 著者も参加されていたから、本には書かれない「裏話」もいくつかあって、固い標題にはない興味深い内容となった。また、労働運動という角度から取り上げたこのテーマも、久野さんの自分史の一部でもあったといえよう。
 さて今回また、私はテーマを取り間違えて、8月例会のテーマで臨んだので、全く準備なしで議論に参加することになった。しかし、順番が最後だったので、それなりに意見を述べることができた。
 それでこの本全体の印象として私は、私自身が旧総評、総同盟、中立労連、新産別といった労働組合の大道を歩いてこなかったから、どちらかといえば「批判的」に読んだのであった。しかし、批判されるべきは、著者個人ではなく、戦後労働運動の運動総体がまず先にあるべきだと思ったこと。そして、著者が、もっとアジアに目を向け、新興著しいが労働条件が低い労働者のことを考えるなら、「アジア地域春闘の構築」が必要だと、大胆に提言されている点では、意表を突かれたというか、私の想像域を超えていた点を率直に述べた。
 私は、大企業の組合にいながら、その組合の腐敗を感じとって、職場活動に精を出していたが、その活動の中心軸は、「賃金体系、賃金・退職金計算に習熟すること」「労働法、特に労働基準法と労働安全衛生法に精通すること」それらを職場で実践的に活用することを教えられたことを述べ、一方で、「企業(職場)の枠を超えた、地域労働運動」、新東京国際空港建設反対の「三里塚闘争(政治闘争、労農共闘)を闘える労働組合」が当初の2大路線で、後に「労働運動と市民運動は表裏一体」更に、組織されない、支援を受けることのない労働者と共に闘う「隙間の労働運動/落ち穂拾いの労働運動」というところに位置して活動をしていたことを述べた。
 そして、企業内組合の、特に大手組合の多く見られた組合活動の欠落していたものとして、①組織外の未組織労働者②組合員個人③下請け・零細企業の労働者④女性、こうした人たちが置き去りされて、正規職・体制従順の労働者で固めて、幹部は「労使協調」を第1義として、保身と出世に重きを置く労働組合は、果たして労働組合といえるかどうか、とまあ、著者の前ではいいにくかったが、当人が必ずしも、これに当てはまらないことは衆人の認めるところであるので、思うところを述べたのだった。
 参加者の中には、いわば経営者側の人もいて、「別世界」といわれて苦笑したが、それは労働運動、組合活動がある意味では、保守的で、未開の領域すら持っていることの指摘ではないか、そんな気がした。ただ、最近の「派遣村」に見られる非正規雇用労働者の動き、うねりは、「戦後労働運動」に新たな節目をつくっている状況でもあるから、労働運動一般論だけでは議論は深化しないだろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年4月19日 (日)

日韓労働者連帯集会

 韓国民主労総と全トユニオンの話
 全トヨタ労働組合・若月委員長、笹島日雇労働組合・大西委員長、愛知全労協・三輪議長の3人の呼びかけで、「日韓の労働者・市民をむすぶ名古屋集会」が、昨日の午後開かれ、およそ70人が参加した。
 この日韓国からやってきたのは、韓国民主労総の全国不安定労働撤廃連帯 組織委員長の梁漢雄(ヤン・ハンウン)氏であった。
 この集会の呼びかけの主旨は、「・・・日本に最も近い国・韓国においても、1500万人の労働者のなかで非正規労働者は900万人を占めており、雇用が脅かされています。李明博(イ・ミョンバク)政権は財界本位の政策をすすめ、現在非正規職法改悪(非正規職2年経てば正規職に転換の現法を4年に期間延長)を進めており、非正規職の増大、大量解雇につながり、劣悪な労働条件を強いるとして、民主労総を中心として闘いが継続されています。また、ソウルの龍山(ヨンサン)では、再開発を理由に職も住居も失う人たちを焼き討ちする痛ましい事件も起きています。
 日本も韓国も非正規雇用などの労働者の置かれている現状は共通であり、東アジアの平和とともに日本と韓国の労働者の連帯が必要ではないでしょうか。ちなみに今年は、『朝鮮独立3.1宣言』から90年、来年は日韓併合から100周年と言う節目であり、よりいっそうの友好と連帯が重要です。国際的な視野を持って、グローバルに展開する企業戦略に対抗して、働く者の生活と権利を向上させる闘いを広げていきましょう。」というものであった。
 ヤン・ハンウン氏の話は率直で、李明博政権を徹底して批判しつつ、米軍基地拡張の平沢(ピョンテク)では5人が権力に焼き殺された。これらの闘いは今も続いてはいるが、現在の非正規雇用労働者の首切り、貧困化の状況に対しても、かつてのような労働者の決起がない。それは、行動に出ることによって自らのクビ(解雇)を恐れるからであり、正規雇用労働者もまた、自らの職と職場(会社)を守るために汲々としている。組合指導部の呼びかけには、なかなか応じないということであった。
 そうであれば「韓国民主労総」の真骨頂が問われるわけで、とりわけ「キリュン電子(日本のNTT)」「KTX(高速鉄道・韓国版の新幹線)」「New core(?)」[Cos com(証券)]の4つの闘争を軸に展開していくであろうとのことであった。
 韓国にはもう一つのナショナルセンター・韓国労総というのがあって、こちらは、正規雇用労働者を中心に組織され、「政府に擦り寄るばかり」だという。
 日本側からの報告はATUの若月委員長で、トヨタの実態について表などの資料を基に、闘いの報告と現実的な問題を提起しつつ、労働組合の存在と社会的責任について強い調子で語り、「ゼネスト起こすくらいの闘いが必要だ」と言い切った。そしてなおかつ運動のグローバルな視点を忘れなかった。
 本集会の問題提起の発言者は、一方は韓国のナショナルセンターの幹部で、日本の側は少数の自立組合の委員長という違いはあったけれども、共に、現場の第一線での闘いの報告であり、「非正規雇用と貧困の問題」では共通するのであり、従来のような単なる交流集会とは、やや異相な印象を受けた。ある意味では、主催者の思惑を超えるものを内在していた集会であったと、私は高い評価をした。もっと多く若い労働者に聞いてほしい内容であった。 
(追い書き)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年4月14日 (火)

APWSLをなんとしよう

 3地区代表の意見交換
 APWSL(アジア太平洋労働者連帯会議)の、首都圏、関西、愛知の3地区の代表による意見交換の場が名古屋でもたれた。
 愛知の代表は選挙で忙しいため、私だけが出席したが、昨年6月に結成したばかりの愛知から、まだ報告するような活動はないものの、「トヨタと向き合う」「女性・くらし・文化」を軸とした国際交流と連帯活動がAPWSL愛知の方向性であると改めて提起した。その関連で、インターネットで「トヨタ関連ニュース」の英語版を「APWSL国際ML」への投稿を始め、毎月1回、5項目前後を発信していく予定であること。それと「日韓労働者交流」の機会があれば、「自動車関連」と「女性・くらし・文化」の二つの課題で参加したいという希望を伝えた。
 他に、APWSL日本委員会の総会は7月に関西で開催すること。日韓交流計画は、再び延期して今秋に「交流計画の予備調査」の形で代表派遣を試み、来春に本格派遣という案で取りまとめられた。
 国際交流と簡単に言っても、言葉の問題や費用の面ばかりでなく、交流するにふさわしいテーマの設定と準備が必須である。またOBや研究者だけでは、成果も半減するから現役活動家の派遣が可能かどうか、訪問先の受け入れ体制がとれるかどうかなどの問題があって、たやすくはない。まあしかし、そういう努力なしでは、物見遊山に毛が生えたもの程度しか得られないであろう。
 私が渡韓したのは1993年であるからもう16年前になる。そのころはまだ「民主労総」は結成準備段階であったが、当局から非合法組織とされ、タン委員長は「地下活動」を余儀なくされていた。それから10年くらい経ってから民主労総のメンバーが来日したとき、持ってきた映像には「非正規雇用」に反対する運動が既に始まっていた。そのような日韓の相互関係をつぶさに見ていくと、問題の本質や前ぶれが見えるかもしれず、交流することに意義は大きいことは確かなのである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年3月31日 (火)

自動車産別の交流会・3

 情報交換・交流に+α
 非正規雇用労働者の問題でもう一つは、既存の労働組合、大手の正規雇用労働者で組織する連合傘下の組合の動きである。連合トップの高木会長はそうでないかもしれないが、多くの組合は緩慢な、というより、正社員だけの雇用と労働条件だけにしか関心がないというか、非正規雇用労働者の問題にはほとんど傍観しているというのが実態である。
 そればかりではなく、一部の組合では、やむを得ず地域ユニオンに救済を求めて駆け込んだ労働者に対して、会社にユニオンショップ制を求めて排除する連合系の組合であるとか、「御用組合」を組織して、「組合が組合つぶし」をするケースもあるとのことであった。
 「第二の埋蔵金は、労働組合の闘争資金・積み立て金」といったかどうか知らないが、ストライキなど当初から打つ気もないのに、建て前として「闘争資金」を徴収している組合は少なくない。一部には潤沢なその金庫を開いたと思ったら、この不況下で会社側から勝ち取れない賃金闘争の代わりなのか、闘争資金を「生活資金」として分配した組合もあった。もちろん、非組合員である非正規雇用労働者は対象外であったであろう。
 さて「どんな職業であっても個人加盟のできる組合」それが「ユニオン」である。今回の交流会にもいくつかのユニオンからの参加があった。この愛知にも私の知る限り、全トヨタ労働組合(全トユニオン)、名古屋ふれあいユニオン、管理職ユニオン東海、女性ユニオン名古屋、愛知連帯ユニオン、ゼネラルユニオン東海支部などがある。どのユニオンも今は、窓口対応のメンバーが少ないこともあって、労働相談と交渉や公判対策にかかりきりで大忙しである。
 では、はたしてこの「ユニオン」を名乗る労働組合は全国でどのくらいあるのだろう。参加者の一人から「コミュニティーユニオンネット」として130余りあるといっていたが、未登録のユニオンも多数あろうからそれは、全体の半分にも満たない数字かもしれない。
 さらに、「総評・同盟・中立労連」の時代から「連合・全労連・全労協」の時代を経て、事実上、ナショナルセンターを持たない旧組織の「第1組合」として残り、あるいは、少数の第2組合として自立した組合などを含めれば、数百規模の労組・ユニオンになろうが、加盟組合員としてみれば数千から数万くらいだから、組織面からは影響力も知名度も低いであろう。
 だがこのような失業時代になれば、その存在価値は何十万の組織人員を持つ組合より、はるかに大きな力を発揮する。もちろん「春闘の相場作り」や、制度政策要求の「政労使」の話し合いの場に登場することはない。しかし、明日をも知れぬ労働者が頼る“生命線”の細い糸として存在感を示すのである。
 みんなそんな現場に立ち、あるいは経験をしてきた者の集まりであるから、貴重な時間を使って集まった機会を情報交換と交流だけではもったいないとして、「その時機あれば、自動車産別として声明を出すなり、経営者(団体)に申し入れするなりの行動」「ニュースの発行体制強化を」「例えば“格差社会はなくなるか”といったテーマでメール上の意見交換なども」という意見も出て、多少の「+α」が付け加わった今回の交流会であった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年3月30日 (月)

自動車産別の交流会・2

 非正規雇用労働者の問題
 やはり報告の内容の中心は、春闘の経過、結果もあったが、非正規雇用の問題であった。
 昨年の暮れから期末となる今日まで、関東地区と愛知での取り組みについて、参加した労組・ユニオン、グループ・個人から、今日的な政治的、社会的、労働運動的観点からの指摘、感想が出された。その中で「非正規雇用労働者の“派遣切り”“雇い止め”の問題は、第一に個別の救済、第二に社会的アピール、第三に制度政策要求が必要だ」という発言があった。
 話の流れを追っていくと、派遣労働の期間中に得た賃金は、そもそも正規雇用労働者の賃金の二分の一から三分の一であり、不当に高い寮費(住居費+諸経費の引き去り)で、食べていくだけで精一杯だからほとんど貯えなどないのだという。だから、解雇され、あるいは期間満了で雇い止めされるとたちまち、職(食)と寮(住居)を失うわけで、それらの個別救済、例えば炊き出し、職の斡旋、行政関連施設入居の紹介、生活保護などの行政交渉支援などが緊急に必要となる。
 これらがマスコミなどでセンセーショナルに報道されることもあるが、日比谷公園や厚生労働省前・講堂などでの一部に過ぎない。北海道から九州・沖縄まで、各地にその現実はあるのである。それよりも「そういう働き方が悪い」とか「パートもニートも、派遣も期間も、ホームレスも本人が好きで・・・」という、事実を見ないで偏見か風評の受け売りでものを見、口にする人が少なくないから、社会的アピールが必要なのだ。
 また、記者会見などで見る限り、舛添厚労相は、現状の問題点や事実関係は、ある程度掌握しているようである。しかし、政府・自治体という行政面からの援助策と、自助努力を求める政財界の一部の圧力もあろうから、緊急避難的にも「制度・政策」の実現には苦慮せざるを得ないのであろう。そのことは、日本の社会保障制度における「セーフティーネット」がかなり貧弱であることも際立たせたといえる。
 そして制度的には「派遣法/労働者派遣法」の存在がある。雇用の形態として派遣労働が製造業の現場まで可能にしたことによって、今日の問題の根源があるとされるのだから、この「派遣法/労働者派遣法」を改正するか廃止することが必要であろう。
 改正か廃止かには両論がある。非正規雇用制度の道を閉ざしたくない財界の意向を受け、「改正」にとどめようとする連合・民主党を含む政党などは、「ゼロか百か」ではなく、まず「まず第一歩、そしてより効果的な改正を国会で可決するには、100%つまり廃止では合意が得られない」という国会重視の立場から、一部か抜本的かの違いはあるが「改正論」である。
 一方、法律がある限り問題の根は断てないし、法の抜け穴、欠陥、解釈を突いて悪用する業者はあとを絶たない。従って現場に立ち会うユニオンや弁護士の間では「廃止」を強くいっているようである。
 この場では、取り立てての議論にならなかったのは、話題がそちらに行かなかったこともあったが、現場に位置するものが大半であったからでもあろう。 
(続く)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧