2019年6月29日 (土)

「共謀罪」型の刑事弾圧の始まりか

   関ナマの弾圧を許さない会の結成
 この「事件」の情報に触れ、実態を少しでも知るようになれば、なんだかそら恐ろしいことが「闇」の中で浸潤していることを感じるだろう。
 「事件」の、弾圧を受けている当事者は、「全日本建設運輸連帯労組関西生コン支部(関ナマ支部・関ナマ)」である。どんな業種の組合かといえば、セメント、生コン、砂利などを建設現場に運ぶドライバーやクレーンなどの重機のオペレーターたちが加入する全国組織であり、関ナマは、関西にある1支部なのである。
 もう一方は、警察庁のもとにある滋賀県警、大阪府警、京都府警であり、まことに遺憾ながら、事件の背景にあるものに目が届かない、洞察が足りない大津地裁などの裁判所を加えてもいいかもしれない。
 さて「事件」の全貌をここで書き記すことは容易ではないし、私にその把握も準備もできていないので省くが、一般的な企業内労働組合とは、その活動がかなり違うとしても「関ナマ」は、労働組合法に則った正々堂々の「労働組合」である。労働組合である以上、会社側に対して様々な要求をし、話し合い(団体交渉)を求め、時にはストライキ(実力闘争)に入ることもある。それらは正当な組合活動として認められるものである。さらに、組合活動は、「企業内」ばかりとは限らない。産業別にまとまって行動することもあるし、地域的な共闘も従来から行われた闘争形態である。
 生コン業界の実体は詳しくは知らないが、建設現場で使われる生コンの価格は、ともすればゼネコンに握られ、下請け、中小の生コン会社は価格をたたかれることが常態化していた。そこで「関ナマ」は、そうした苦境にある中小の生コン業者に声をかけ、まとまってゼネコンの「価格タタキ」に歯止めをかけ、経営の安定化、組合員の労働条件の維持向上に貢献してきたのである。
 そのような成功した事例はなく、関西の経営者にとって脅威であったに違いない。何とか事態の打開、即ち「組合潰し」を画策したのであろう。例えばヘイトスピーチや差別デモを指導する「レイシスト(差別者集団)」を呼び込んだり、そしてついには、話し言葉を捉えて「恐喝」罪をでっちあげ、ストライキを「威力業務妨害」として、警察と連携し、組合員67名、事業者8名、計75名の不当逮捕に至って現在がある。武建一委員長ら幹部他10数人はなお拘留中であるという。
 問題は、これが「労働争議」として労使の関係にとどまっているならともかく、警察、検察、場合によっては裁判所まで一体となって「組合潰し」に動いていることである。レイシストまで加わって。
 こうした動きにいち早く危機感を覚えたのは当該の「関ナマ」であり、「共謀罪」で闘ってきた弁護士、市民たちであった。これはまるで「共謀罪型の刑事弾圧ではないか」「ファシズム下にある事件!」が共通認識で、この愛知・名古屋でも昨年から、情報が流れ、取り組みが始まった。そして今日、党派や立場を超えた約130名が参加して「関西生コン労組つぶしの弾圧を許さない東海の会」結成総会が開かれたのであった。
 なぜマスコミはこの問題を取り上げないのか、もう少しわかりやすくして広げていく工夫を、といった意見も出て、個人個人が主体となって「世論」を広げていくこと、裁判費用、保釈金などの財政的な支援をもって、支援・共闘していくことが確認された。
 なお、全日建本部の小谷野書記長、関ナマ支部から武谷書記長が出席し、実態と問題点を話され、支援要請などを訴えた。

 

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2019年5月26日 (日)

フィリピントヨタ労組を支援する愛知の会

  第17回総会が開かれた
 トヨタ自動車といえば、自動車産業界だけでなく、日本の全産業を代表するといっていいグローバル企業であることは誰でも知っているところだ。
 このグローバルという意味は、世界の多くの国、地域に自動車を輸出しているということだけでなく、現地生産をしていることも含まれる。そのことは、単に工場で自動車を生産しているということだけでなく、その国、その地域と深いかかわりを持つ事になる。雇用、税収(法人税)、関連企業など経済的波及効果は大きい。そしてその工場が生産性の高い、安定的な稼働を維持していくためには、正常な労使関係があってこそ、である。
 フィリピントヨタ自動車(株)(TMPC)は、トヨタ本社から社長を送り込み、技術等を供与するいわば「子会社」である。そのTMPCで2000年に労働組合が結成された。「フィリピントヨタ労働組合(TMPCWA)」である。
 簡潔に言えばTMPCは、この労働組合の結成を嫌悪した。直ちに行動に出てTMPCWAの組合員233名の解雇を強行し「労働争議」となった。そして18年の歳月が流れた。
 組合をつくっただけで、233名も解雇されたの?もう18年も経っているの?トヨタ本社は争議解決に努力しているの?という疑問があって当然であろう。
 2001年に神奈川で全造船関東地協を中心に「フィリピントヨタ労働組合を支援する会」が結成され、支援活動が始まった。2002年に「フィリピントヨタ労働組合を支援する愛知の会」が結成され、トヨタ本社での早期争議解決を求める申し入れ行動などが取り組まれ・・・今日に至っているのである。
 この日、支援する愛知の会の支援団体、個人が参加し、この1年の経過報告、2019年の活動方針などが話し合われた。そして「レーバーノーツ2018」に参加したSさんのスライドを交えた報告が行われた。
 私は支援する会の会員であるが、運営委員を離れて10年近くになろうか。それでも現地におけるTMPCWAの闘い、国内の支援活動には注意を払っている。状況としては紆余曲折して争議解決の8号目あたりまで来ていると思われるのであるが、頂上に至る前には「頑なで、アジア軽視のトヨタ本社」という切り立った岩壁が立ちはだかっている、そんな風に見えるのである。

 

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2019年4月26日 (金)

「結」第17号が届く

 惜しまれる「トヨタ研究」者の死去
 ついつい何度も、何度も書いてしまうのだが、「運動」と名のついたものに本格的に参加したのが1967年ころ。それは企業内労働組合活動であったが、目も足も「外」に向いていて、「70年安保・沖縄返還」「ベトナム反戦」「三里塚闘争」などに関心を抱いていた。
 1997年に退職してからは、それまでの「労働運動感覚」が急速に薄れていき随分焦った。“現場を持たない労働運動はだめだ”という意識が高まったが、「オルグ」になり切る基盤も環境もなくて、せめてもとの思いから2000年に「C&Lリンクス愛知」を編んで発信した。そして2008年「全トヨタ労働組合をサポートする市民の会」結成に参加し、支援という形ではあるが、地域労働運動にかかわっていた。
 それほど時間は経っていないと思うのだが、「全トヨタ労働組合をサポートする市民の会」の後継組織である「ユニオンと連帯する市民の会(CGSU)」の活動誌が「結」であり、今ではこの会の一会員というか「読者」というレベルのかかわりになってしまった。
 手にした第17号の目次を見て、執筆者7人のうち3人は私が役員を降りてから参加したメンバーであった。核になる人は不動で新しいメンバーが加わっていくことでこの組織は維持されているといえるだろう。
 記事の中に追悼を書かれたものがあった。杉山 直さん(三重短大准教授)と寺間誠治さん(前京都総評・全労連役員)のお二人であるが、杉山さんは「トヨタ研究」の第1人者といえる猿田正機さん(前中京大教授)と共にあった、将来を嘱望された若手の研究者であり、CGSU、地域ユニオンにも加わって、運営会議にも参加する現場主義の研究者であった。59歳での死去は、「トヨタ研究」がいよいよ佳境に入って、なにがしかの「集大成」が形になろうとした(個人的感想)この時期、いかにも惜しい「若い」死であった。

 

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2018年6月22日 (金)

第54回ユニオン学校

  予定テーマと実際に隔たり
 今回のユニオン学校の予定されていたテーマは、講師に松元千枝さん(メディアで働く女性ネットワーク・代表世話人)を迎え、「底辺からの突き上げでアジアの労働者と連帯しよう」であった。
 この文言からすると、「底辺からの突き上げ」と「アジアの労働者と連帯しよう」がキーワードと思われた。私の解釈では「底辺からの突き上げ」とは、非正規雇用、労働法による権利、救済の枠外に置かれている未組織労働者が労働組合を組織する、加入するなどして現状を打破すること、或いはそうした行動を支援し連帯する運動を活性化することであろうと思う。
 その意味では松元さんが、自らの経験として新聞労連とその周辺で、メディアで働く女性ネットワークを組織化し、活動を続けている報告は参考事例といえた。ところがそこから先は、「ワークショップ」というか、オルグのための「OJTの組合版」のような行動学習に移っていった。それはそれでテーマとして行われれば効果的だったかもしれないが、もう一つの「アジアの労働者と連帯しよう」に結びつくことはなかった。
 元々、アジアの労働者と連帯するというテーマは、多国籍企業の労働諸条件の国ごとの格差問題、外国人労働者の雇用、労働条件、安全衛生、研修生問題など多岐にわたっており、2時間程度の枠内で語りつくせるものではない。
 ということであれば、主催者と講師の間に齟齬があったか、テーマが独り歩きしてしまったのかもしれない。
 労働運動の現場から離れた私であるから、話を聴いて、そこから何がしかのヒントが戴ければという気持ちで参加しているが、この日は述べた通りで収穫は少なかった。だが、日本労働弁護団発行で、アメリカの「レーバー・ノーツ」の活動家執筆、編集の「職場を変える秘密のレシピ47」という本を入手した。労働運動の現場で使う機会はないから買い控えていたが、「職場」を「地域」に変えて読み解けば、何かヒントが得られるかもしれない、そんな気持であった。まずは「完読」できるかどうかが問題ではあるが。
 追記:松元さんは、詳細はまだ固まっていないようだが、「レーバーノーツアジア」構想について語った。恐らくAPWSL(日本)もその中心を担うであろうし、日本での開催であれば、アメリカまではいけなかった若い活動家のみなさんには是非参加してもらいたい。

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2018年5月 1日 (火)

メーデーに参加した

 ある意味の「出発点」
 私は、15歳で就職した1960年の愛知県中央メーデー(鶴舞グランド)に初めて参加した。当時の「生活日誌」には、その時の感想を参加者の12万5千人(多分、主催者発表)と、プラカード、旗、神輿(みこし、多分デコレーション)の多さに驚いたことなどが書き残されている。そして、“メーデーの本質的意義を教えてほしかった”“ただ集まり、ハチマキをして赤旗を手にして行進するだけでは”とも書いている。
 今日の愛知県中央メーデーは、白川公園に2800人(愛知全体で3500人?)の参加と発表された。かつての大量動員は、総評と同盟の「統一メーデー」であったからだが、「連合」「全労連」「全労協」になった現在は、一部で統一メーデーがあるようだが、愛知では「全労連系メーデー」で、連合は連休の前に済ませている。
 メーデーの社会的注目度、組合の参加率は低下傾向が続いているように思われるがそれは、労働組合の組織率の低下もあろうし、高齢化を通り越して、その高齢者すら参加が少なくなったということではないだろうか。あるいは、メーデーそのものの存在価値というか、意義そのものが認識されなくなった、希薄ということもあるかもしれない。だがもっと危機的なことは、労働運動、組合活動、そのものの停滞から来ているかもしれないことだ。
 モリ・カケ、日報、働き方、女性などの問題で、労働組合の動きは微弱である。もう政治には関与しないと決めているのだろうか。このまままでは「憲法問題」も危うい状態になりかねない。
 さて、それはそれとして私は、久しぶりにメーデーに参加したが、組織動員をかけられる立場にないので、参加するかどうか随分逡巡した。結局やや遅れて参加したのは、3月まで運営委員の一人であったCGSU(ユニオンと連帯する市民の会)の「のぼり」が、初お目見えだったことと、「立憲パートナーズ」に登録申請したことにより、その立場からメーデーも「出発点」の一つと思ったからである。
 今日のメーデー会場の壇上では、共産党をはじめ、社民党、自由党、新社会党の代表があいさつしたとのことだったが、立憲民主党や国民民主党(民進党)からの挨拶もメッセージもなかったという。「全労連-共産党」という認識が定着している現在、「連合」との関係を無視できないとするならば、安易な「連帯」はできないということだろう。私自身も、そうした内情を理解しないわけではないし、参加するなら「お客さん」ではなく主催者側に立ってもらいたいと思うのである。だが、立憲民主党にとって、与党の自公とは対決軸を明確にできても、連合や全労連などの労働組合、共産党や社民党、自由党などの野党の関係をどのように構築するかは明確になっていない、議論も中途の段階にあるのではないかと推測するのである。
 もっと言えば、労働運動、労働組合の領域で束ねるというか、けん引するリーダーがいないのではないか、とも推測する。少なくともこの愛知では、立憲民主を支えるであろう、旧総評系労働組合の役員OBは多くいると思うが、党活動と労働運動を結合させ、ある程度の地区、地域活動を領導する人物の名を知らない。まだ少し時間がかかるのかもしれない。
 そうした観点からすると、このメーデーに限らず、これからも突発的なものだけでなく、様々な記念日「闘争、集会、講演会」があるから、その都度「立憲民主党はどうした?」では、発展、浸透は望めない。党、党に準じた大衆組織、党支持の有志、そうしたレベルでもいいから、何らかの「参加」を早急に考えたらどうだろう。
 そんな思いを抱いた、今日のメーデー参加であった。

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2018年2月14日 (水)

CGSUの運営委員会

 運営委員の退任を承認された
 昨日のユニオンと連帯する市民の会(CGSU)の2月例会の議題は、活動報告、ユニオン学校の3月の第51回及びその後の企画案、ユニオン共同行動、活動誌「結」の新編集長の内定、第11回総会の議案などであった。
 総会議案に関連して会員の把握状況が報告されたが、数字は表示できないが、全体の3分の1が県外者で、愛知の約半数が名古屋市内居住者、女性会員は14%とのことで、「OBが多数で、現役と女性会員を増やすことが大きな課題」と分析された。
 この会は、労働組合・ユニオンの組織化を活動の軸に据えていないので、どうしてもユニオンやグループの代表、OBの集まりとなることは必然的と思われる。私などその典型といえようか。
 従って「結」の内容も、労働争議の現場からの報告、提起などは少ない。となると現場からの要請に従って即応的な活動とはならないので、新しい人、若人、女性が加わるケースは稀となる。
 この日、私の運営員の退任が認められたので、今になってあれこれ言うのもはばかれるが、会の名前の通り「ユニオンと連帯する」ことが目的だから、現状にそれほど問題があるとは思えない。
 例えば、学習の一つとして「ユニオン学校」を運営し、労働法の問題点を取り上げ、労働運動史を発掘して、過去の歴史、教訓を学ぶ機会としていること、見落としがちな直近の政治的、社会的問題を読み解く内容も。「結」で書籍、映画の紹介と推奨などなど、幅広い領域を維持していることの評価は高いのではないか。
 さらに「ユニオン」のつながりの一つとして「ユニオン共同行動」が設定されていること、個別的であれ、争議の支援に駆けつけ、裁判の公判に傍聴参加するなど、“目いっぱい”の活動が取り組まれているのである。
 このうえ、なお拡大発展を目指すとしたら、「拠点の確保」「街宣車、SNSなどの情報伝達手段」「後援者、資金作り」を、計画的に確保していくことではないだろうか。もっとも、こうしたことは自明なことであり、“百も承知”といわれるだろうが、「計画的に確保していく」ということでは、始動しているとは思えないのである。
 さて退任する私は、CGSUとは今後どう付き合っていくかは未定ではあるが、定例の会議に参加しなくなることは、そこに割かれる時間は減少し、関心の度合いも緩やかに後退していくだろう。だが仮に、立憲民主党に肩入れして、何がしかの仕事が回ってくれば、それが「労働」に関連したものにならないとも限らないので、その点での「心づもり」だけはしておきたい。

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2018年2月 9日 (金)

地域活動誌、二誌が発行される

「ACTION REPORT」が休刊に
 ユニオンと連帯する市民の会(CGSU)の活動誌「結」の第12号と、アジア太平洋労働者連帯会議(APWSL)愛知発行の「ACTION REPORT」第26号が、6日付で発行された。
 「結」は、全16ページで以下の内容となっている。
  格差是正、政治革新をめざすアメリカ労働運動/敗戦直後・半田地方の民主化運動(続)/トヨタにおける事務技術職の「働き方改革」/誰のための「働き方改革」か/日本の林業の現状/エル・ライブラリーの見学/総選挙の苦い現実/ユニオン学校運営委員会 第6回総会を開催/映画紹介 『否定と肯定』/初めの一歩/APWSL休刊のお知らせ/編集後記。
 この見出しからも、ナショナルセンター(連合、全労連、全労協)の流れの中にはない、ユニオン、労働相談、活動家、研究者などが集う地域労働運動として、広くカバーしていることが分かる。この組織は、前身の「全トヨタ労働組合(ATU)を支援する市民の会」から数えて11年目になる。
 一方「ACTION REPORT」第26号は、全12ページで、レイバー・ノーツ発行の本の紹介/巻頭の川柳・茶蘭ポラン/前掲後記/第26号をもって休刊します-事務局から/声明「日韓合意は解決ではない政府は加害責任を果たせ」/海外情報「韓国サンケン労組の争議、その後」/韓国ドキュメンタリー映画「自白」/サプライチェーンの労働問題を考える-ユニクロの事例から/海外情報:中国「暴力で窮乏者を寒空に追い出した政府に抗議する」、他/ACTION REPORT VOL.26 <2017年11月~2018年1月>と言う内容になっている。
 両誌の見出しにあるように、APWSL愛知の「ACTION REPORT」は、この第26号をもって「休刊」となる。その理由は、編集担当者(私)の退任による。すぐさま後任が決まらなかったので、「休刊」となったのである。但し、3か月以内に後任者が決まれば、休刊とはならない。
  私は、1997年に自動車会社を退職、労働運動の現場を離れてなお地域労働運動に関わって、「C&Lリンクス愛知」を発行し、APWSLにも加入し、ATUサポート市民の会、CGSUなどの地域労働運動に身を置いてきたが、20年も経ってしまうと、労働運動感覚がとんと鈍くなり“山の賑わい”にもならない枯木という感覚を持ってしまった。まして海外の労働運動を担う能力も希薄で、次の世代に引き継ぐべき時と判断したのである。
 今後は、立憲民主党の応援を軸に、関連する政治課題、社会問題に注力していく積りであるが、この先あまり多くはないと考える「時間」は、「私事」にも意識的に使い切りたいと思っている。

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2017年12月21日 (木)

第48回ユニオン学校

 健康センターの活動の今
  毎月1回開講している「ユニオン学校」の第48回講座は、「愛知働くもののいのちと健康を守るセンター」事務局長の鈴木明男さん(元住金)の講演であった。
  講演に先立ち2017年の総会が開かれ、ユニオン学校の1年間の活動と総括、第6期ユニオン学校の方針などが審議され、年明けから新たなスタートが切られることとなった。元々「ユニオンと連帯する市民の会(CGSU)」から出発した「学習組織」であるが、その後ユニオン学校として自立した運営で今日に至っている。お互いに「地域労働運動の基盤形成と発展」に寄与するもので、CGSU、健康センター、ユニオン学校の三者一体的な活動は、「地域センター」、旧「地区労」の形成を予感させるものである。
  さて講演であるが、その歴史は「助走期間(前史)」として1960年代から1980年代末ころまで。1988年に「あいち職場の健康問題研究会」が発足し、のちの「健康センター」の礎となり、2003年にはNPO法人認定を獲得して今日に至っている。
  健康センターの活動では、憲法第25条に基づく諸活動を、地域で共同で進めるといった運動の課題は多々あるが、その受け皿(駆け込み)として、産業カウンセラー、安全衛生推進者、衛生推進者、石綿作業主任者等の資格者を有し或いは取得を勧めて、会社側と対応するだけでなく、司法(裁判所)、行政(労働委員会、労基署)との対応・折衝・交渉に備えるといった「人」の確保の姿勢は素晴らしい。さらには議会、議員との協力関係の構築も陰に陽に力になろう。
  こうした30年余の活動の間に、前身を含め健康センターが扱った「脳・心臓・精神」疾患は50例にも及び、労災認定を勝ち取った例が多くあった一方、遺族と共に悔しい思いをしたこともあったという。それにしても、その一覧表を見ると、2000年代に入ってから徐々に「自死」の事例が増えていくことが分かる。この表が示しているのは全国の2万5千人とも3万人ともいわれる自殺者のほんの一部に過ぎないが、それは「社会の歪み」「労働現場の過酷さ」を表しているといっていいだろう。
  1980年代から90年代といえば、私は「名古屋労組連」を率いていたころになるが、そのころの労働運動の活動はもっぱら「解雇・不当配転撤回闘争」が主であった。「労働現場」に立ち入って、或いは労災現場からの悲痛な声をすくいあげる活動に乏しかった気がする。それは、力量の限界もあったが、地域の労働運動・市民運動と政治運動が活動の軸であったからであろうと思う。
  こうした労働実態と法律を学んで職場で地域で実践していくという「労働教育システム」は、多くの労働組合、労働団体で維持されてはいる。しかしその組合自体が「争議」として会社と対峙することを忌避するようになって、組合員の問題でさえ「個人の問題」は扱わない、と公言する組合が出てくるような昨今である。さらに全労働者の組織率が20%を切る状況、また高校でも大学でも「労働法」の教育・カリキュラムが希薄である現状から、多くの労働者が“身を守る”術を知らない現状が、今日の「事件」が頻発している背景であろう。
  労働安全衛生の事案を地域でボランティアとして展開しているこれらの活動をもっともっと広く知ってもらいたい、支える地域基盤、応援の輪が広がればいいなと思った今日のユニオン学校であった。

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2017年12月 5日 (火)

CGSU月例の運営委員会

 “ねばならぬ”ことばかり盛り沢山で
 議題が8つ、その中の「ユニオン学校」では5項目の報告と審議事項が盛られていた。これらすべてに関わり、労働運動以外の地域の活動に関わるとすれば、仕事、家事を持っていてはとても担いきれない。当然優先順位がつけられ、参加がかなわなかったものは報告を聞いて後追いするほかない、といえたのは「過去」のこと。現在の私の地域活動の参加の割合は「週一」レベルであり、それも家事と私事とで優先順位が左右される。もっとも平日の午前、午後の集会などは家事と両立するので参加しやすいといえる。「主婦・主夫」とはそういう位置にあるのだが、どれほど理解されているかは定かではない。
 さて、今日の会議では主として、1)ユニオン学校の①レイバー・ノーツ名古屋講演会の報告と意見、感想、会計報告など。②労働負担研名古屋集会の報告と成果。③ユニオン学校の総会と第48回ユニオン学校の開催案。④1月の予定とテーマ、他。2)ユニオン懇談会が取り組んだ「大阪産業労働資料館(大阪エルライブラリー)」見学会の報告と今後。3)再建に向けた「ユニオン共同行動」の取り組みについて。4)活動誌「結」の編集方針、執筆担当。2月初旬に発行する。5)2月開催予定の「ロシア革命101年を振り返る」の企画案。6)CGSUの総会の3月開催について。
 他に、次回の総会では議事は簡略化、意見交換、懇話会を中心に進める。但し全員が発言すれば、それだけで終わってしまうから、グループ分けして行うことを検討することになった。また「ユニオンと連帯する市民の会」の「幟(のぼり)」を5枚作ることを決定。「結」の次期編集長の選任は持ち越し。未納会費集めについては督促することなどがあった。
 なお「東海民衆センター」から恒例の「人民の力・新春の集い」が1月21日(日)正午から「名古屋働く人の家」で、開催されるとの紹介があった。(会費は1家族1000円)

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2017年11月18日 (土)

アメリカの労働運動を学ぶ

 レイバー・ノーツ名古屋講演会
 昨日、アメリカのNPO教育団体の通称「レイバー・ノーツ」のメンバーのお一人ジェーン・スロータさんが来日し、東京での講演(スクール)を終え、午後に来名した。この講演会を開催するにあたっては、この地域で活動する労働組合・ユニオン、労働団体、労働弁護団など13団体と個人からの62人が参加して意義深い講演会となった。
 スケジュールは大まかに3つのセクションで構成された。最初に名古屋駅で出迎えて、その足で「トヨタ産業技術記念館」を案内した。ここはAPWSL日本委員会の総会を東海市で開催した時も一行を案内して好評を得たところであった。トヨタの自動車関連と豊田織機のコーナーがあるが、特に織機の展示の方が充実した展示で、スロータさんもよかったと感想を述べたとのことであった。
 次に講演会開催前の1時間ほどを使って(実は90分余を予定していたのだが)実行委員を中心とした参加者の自己紹介を通して、職場と組合活動を知ってもらうことができた。この集会にどんな労働者や活動家が参加しているかという状況を知っていただくことで講演の方向性の参考になるのではないか、そんな設定からであった。
 午後6時30分から講演が始まった。スロータさんは、最初にレイバー・ノーツの活動の良かった(成果のあった)活動例と逆に悪い(うまくいかなかった)ニュース(報告)を紹介した。レイバー・ノーツは、運動には必ず正反両面があり、いいことづくめ、成果だけを強調していては「教育」にはならないという基本的な姿勢から、そんな話になったのだと思う。そのあとに「レイバー・ノーツ」のそもそもの話などでそこまで約1時間。15分の休憩を挟んで約90分は質疑に充てられた。この質問時間を多くとったことで、これまでほとんど馴染みのなかったアメリカの労働運動、レイバー・ノーツについてより身近に理解されたのではないかと思う。
 その内容については、私は終始受付と会計事務を担っていたので、メモを取り得なかったので、残念なことにここでは報告できない。だが、アンケート用紙5枚が集約され、「*レーバーノーツの知見がある人が集まるのは当然としても、『ゼロ』からの参加では違和感がある。その違和感がきっかけになってさらに「よく識っていこう」ということになるのかもしれない。(男、60歳以上)*少しなりともアメリカの労働運動の状況が分かりました。日産など日本企業もかなり反労働者的なことを(アメリカで)やっていることが分りました。このような機会を持っていただき感謝します。(男、60歳以上)*今日はUSA労働運動、勉強になりました。資料よく読みます。有意義な時間でした。(性別等不明)*やや長いですが質疑応答時間がたくさんあって、これくらい必要かなと思いました。アメリカの実体験がたくさん聞けて参考になりました。(女、30代)*日本の労組の取り組みと米国の労組の在り方は悩みまで同じですね。改めて15ドルの闘いは面白いですね。やはり共感を地域にどれだけ広げられるかですね。組合員が主人公、ですね。労組が無くてもストのような闘い、勉強になりました。(男。60歳以上)といった感想が寄せられた。(このまとめは近森代表)
 講演会終了後に私は欠席したが、懇親会の席も設けられ、20人の参加があったと聞く。そこでもさらに質疑が続いたとのことであった。
 私は、メモは取れなかったが事前に資料を読み込んでいたので、大まかなところでは理解したものと思っていて、機会があればと質問を一つ用意していた。それは、「アメリカでは時給15ドル獲得の闘いがあって、まだ一部ではあっても段階を踏んでそこまで勝ち取ったと思う。日本でも最低賃金の時給1000円というのが一つの目標値であるが、最近では1500円という声を聞くようになった。そこで、時給1000円~1500円という賃金は、非正規雇用が増大する現在、さらに格差が大きくなりつつあることを考えれば、必然的な要求であると考える一方、中小、零細企業にとっては、あまりに大きな負担で苦しいという経営者の声も聞いている。新自由主義、グローバル経済の荒波にさらされている企業が、下請け、孫請け、3次、4次、5次の下請けにコストカットを押し付ける実態が強まっており、経営破たんも考えられる。容易ならざる課題ではあるが、この問題についてレイバー・ノーツとしてどう考えておられるか」というもの。手を挙げようと思って立ち上がったところで、別の参加者から同じ趣旨の質問が出された。その答えはよくわからなかったが、否定も肯定もしないで、未だ歴史の浅いレイバー・ノーツにとって、そこまで問題を掘り下げていない・・・というように聞き取れたが、後日の総括の時に聞いてみようと思う。
 スロータさんと通訳のお二人は、今日の11時39分の新幹線で次の訪問地大阪に向かった。その前にお二人のリクエストで「名古屋の味噌煮込みうどんをぜひ食してみたい」ということだったので、代表と私の二人がお見送りがてら案内した。私にとってその時間がこの講演会でのスロータさんと対面して会話した唯一の機会であったのだった。最後になって何とか、1997年のレイバー・ノーツの大会に、日本から最初の訪問団に加わった一人であることなどの会話ができたのだった。

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