2017年11月18日 (土)

アメリカの労働運動を学ぶ

 レイバー・ノーツ名古屋講演会
 昨日、アメリカのNPO教育団体の通称「レイバー・ノーツ」のメンバーのお一人ジェーン・スロータさんが来日し、東京での講演(スクール)を終え、午後に来名した。この講演会を開催するにあたっては、この地域で活動する労働組合・ユニオン、労働団体、労働弁護団など13団体と個人からの62人が参加して意義深い講演会となった。
 スケジュールは大まかに3つのセクションで構成された。最初に名古屋駅で出迎えて、その足で「トヨタ産業技術記念館」を案内した。ここはAPWSL日本委員会の総会を東海市で開催した時も一行を案内して好評を得たところであった。トヨタの自動車関連と豊田織機のコーナーがあるが、特に織機の展示の方が充実した展示で、スロータさんもよかったと感想を述べたとのことであった。
 次に講演会開催前の1時間ほどを使って(実は90分余を予定していたのだが)実行委員を中心とした参加者の自己紹介を通して、職場と組合活動を知ってもらうことができた。この集会にどんな労働者や活動家が参加しているかという状況を知っていただくことで講演の方向性の参考になるのではないか、そんな設定からであった。
 午後6時30分から講演が始まった。スロータさんは、最初にレイバー・ノーツの活動の良かった(成果のあった)活動例と逆に悪い(うまくいかなかった)ニュース(報告)を紹介した。レイバー・ノーツは、運動には必ず正反両面があり、いいことづくめ、成果だけを強調していては「教育」にはならないという基本的な姿勢から、そんな話になったのだと思う。そのあとに「レイバー・ノーツ」のそもそもの話などでそこまで約1時間。15分の休憩を挟んで約90分は質疑に充てられた。この質問時間を多くとったことで、これまでほとんど馴染みのなかったアメリカの労働運動、レイバー・ノーツについてより身近に理解されたのではないかと思う。
 その内容については、私は終始受付と会計事務を担っていたので、メモを取り得なかったので、残念なことにここでは報告できない。だが、アンケート用紙5枚が集約され、「*レーバーノーツの知見がある人が集まるのは当然としても、『ゼロ』からの参加では違和感がある。その違和感がきっかけになってさらに「よく識っていこう」ということになるのかもしれない。(男、60歳以上)*少しなりともアメリカの労働運動の状況が分かりました。日産など日本企業もかなり反労働者的なことを(アメリカで)やっていることが分りました。このような機会を持っていただき感謝します。(男、60歳以上)*今日はUSA労働運動、勉強になりました。資料よく読みます。有意義な時間でした。(性別等不明)*やや長いですが質疑応答時間がたくさんあって、これくらい必要かなと思いました。アメリカの実体験がたくさん聞けて参考になりました。(女、30代)*日本の労組の取り組みと米国の労組の在り方は悩みまで同じですね。改めて15ドルの闘いは面白いですね。やはり共感を地域にどれだけ広げられるかですね。組合員が主人公、ですね。労組が無くてもストのような闘い、勉強になりました。(男。60歳以上)といった感想が寄せられた。(このまとめは近森代表)
 講演会終了後に私は欠席したが、懇親会の席も設けられ、20人の参加があったと聞く。そこでもさらに質疑が続いたとのことであった。
 私は、メモは取れなかったが事前に資料を読み込んでいたので、大まかなところでは理解したものと思っていて、機会があればと質問を一つ用意していた。それは、「アメリカでは時給15ドル獲得の闘いがあって、まだ一部ではあっても段階を踏んでそこまで勝ち取ったと思う。日本でも最低賃金の時給1000円というのが一つの目標値であるが、最近では1500円という声を聞くようになった。そこで、時給1000円~1500円という賃金は、非正規雇用が増大する現在、さらに格差が大きくなりつつあることを考えれば、必然的な要求であると考える一方、中小、零細企業にとっては、あまりに大きな負担で苦しいという経営者の声も聞いている。新自由主義、グローバル経済の荒波にさらされている企業が、下請け、孫請け、3次、4次、5次の下請けにコストカットを押し付ける実態が強まっており、経営破たんも考えられる。容易ならざる課題ではあるが、この問題についてレイバー・ノーツとしてどう考えておられるか」というもの。手を挙げようと思って立ち上がったところで、別の参加者から同じ趣旨の質問が出された。その答えはよくわからなかったが、否定も肯定もしないで、未だ歴史の浅いレイバー・ノーツにとって、そこまで問題を掘り下げていない・・・というように聞き取れたが、後日の総括の時に聞いてみようと思う。
 スロータさんと通訳のお二人は、今日の11時39分の新幹線で次の訪問地大阪に向かった。その前にお二人のリクエストで「名古屋の味噌煮込みうどんをぜひ食してみたい」ということだったので、代表と私の二人がお見送りがてら案内した。私にとってその時間がこの講演会でのスロータさんと対面して会話した唯一の機会であったのだった。最後になって何とか、1997年のレイバー・ノーツの大会に、日本から最初の訪問団に加わった一人であることなどの会話ができたのだった。

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2017年11月 6日 (月)

CGSU活動誌「結」第11号発行

 多彩な労働運動の地域交流誌
 ユニオンと連帯する市民の会(CGSU)の活動誌は、年4回の発行であり、地域労働運動の交流と、地域社会運動史の発掘、学習的要素を盛り込んだ稀有な冊子である。
 CGSUの前身である「全トヨタ労働組合(ATU)サポート市民の会」の時は、「れいめい」という名で発行、私がその編集の任に当たっていたが、現在は、編集長持ち回りとなっている。
  ちなみに今号の内容を紹介すると、「労働者と地域社会の連携で共同をひろげよう!/ATU14回大会おめでとう!/新たな居場所/若者を追いつめるな!/東アジアの平和と歴史認識の共有を求めて~2017年夏南京上海の旅/私の中の魯迅/敗戦直後・半田地方の民主化運動/芦屋だより 2/市民と野党の共闘 衆議院選挙愛知一区の場合/本の紹介「愛知共産党の礎 中島平三遺稿集」/「平和は「退屈」ですか ~ 元ひめゆり学徒と若者たちの500日」/ 編集後記。
 この「結」とAPWSL愛知の「ACTION REPORT」は同時発行であり、今回は、9月のフィリピントヨタ労組(TMPCWA)を支援する愛知行動(本社申し入れ)の記事で、その写真は「結」の表紙を飾り、その内容の報告は「ACTION REPORT」でフォローするという“連携プレー”も行った。
 必ずしも厳密に“棲み分け”しているわけではないが、「結」が地域の運動を軸に展開し、「ACTION REPORT」は、その地域の時系列的な活動報告(Action Report)と、海外情報を拾い挙げているのである。
 ただ「ACTION REPORT」は、その名の通り、いわば「事後報告」であって、運動の提起、呼びかけは殆ど無いというのが実態。また、海外情報といってもAPWSL即ちアジア太平洋というエリアが主で、英、仏、独などヨーロッパの労働事情が手薄なのは残念極まりない。
 
そうした知識・情報を持つ研究者や語学に堪能な人がいれば、もっと先駆的な運動展開もできるかもしれないが、現状は報告と紹介記事のみの構成である。

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2017年11月 4日 (土)

ACTION REPORT第25号

 編集を終え6日に発行
 アジア太平洋労働者連帯会議(APWSL)愛知発行の「ACTION REPORT・第25号」の執筆編集を終え、6日の印刷に何とか間に合った。
 今回の編集で行き詰まったのが「海外情報」収集の手薄で、最後までインターネットを探り歩いた。結局、フィリピン、ニュージーランド、韓国の情報を取りまとめたが、引用と紹介というレベルでしかない。
 結局それで以下のような内容となった。
 巻頭の詩「反戦平和の五・七・五」/前掲後記/フィリピントヨタ労組が来日、本社交渉へ/海外情報「アマートロン・フィリピン社」で532名解雇/海外情報「韓国慰安婦問題」/海外情報「ニュージーランドに労働党政権/投稿「日本の総選挙、ニュージーランドの場合」/ACTION REPORT VOL.25 <2017年07月~10月>
 本誌が「REPORT」に軸足を置いているから、当然にも「アジアと地域の労働運動を、APWSL愛知がレポートします」という、いわば「過去形」をなしているから、「展望」を語る機会は少ない、もしくはそのような編集指針を持っていない。これは現状に沿っているというものの、労働運動、働き方のグローバルな観点を欠いているから、言葉として「国際連帯」があっても、実態が伴っていないといえなくもない。
 もっとも、TMPCWA(フィリピントヨタ労組)を支援する運動では、関東地区に英語・タガログ語に通じていて、フィリピンの法律も勉強されている人がおられて、それがこの237名に及ぶTMPCWAの解雇撤回闘争を支えるというよりもむしろ指導的に担っているケースがあるにはある。本来こうあるべき姿といえるだろう。
 東京からの情報に接するたびに「隣の芝は青くみえる」の例えのごとく、うらやましく思ったりするが、多分、名古屋にだってそこそこの人、知恵、情報が埋もれているに違いないと思う。その発掘と取りまとめとその運用の“小さな努力の積み重ね”がなされていない、ということに尽きるだろう。
 ささやかな冊子の編集に携わるたびに出るため息ではある。

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2017年11月 2日 (木)

レイバー・ノーツ名古屋講演会

 準備過程にも意義がある
 今月17日に開催が予定されているアメリカの(労働)教育団体、通称「レイバー・ノーツ」のメンバーによる「名古屋講演会」に向けて準備会が開かれた。議題は、参加者募集の状況、当日の質疑の内容、タイムスケジュールと人の配置、宿泊など受け入れ態勢の確認、会計状況などであった。
 こうした集会の準備は、かつては何度も取り組んできたが、その都度感じたことは“費用がかさんで赤字になってもいいから、多くの人が来てほしい”に尽きた。そこには、そうした企画内容は、たびたびできるものではないから貴重な機会、是非見逃さないでほしい、というものと、あまりに少人数では講演者に“申し訳ない”という見栄のようなものも交じる。そして思うのである。まず参加者が多いか少ないかは、確かに運動である以上目標の大きな一つである。運動課題の広がりの目安でもあるからだ。
 もう一つは、準備過程での企画の意義の考察、意見交換、企画・宣伝、事務作業などの経験の積み重ねを経ることによる、資質の向上ということであろうと思う。
 今日は、当日の時間配分として講演者に40分程度の「アメリカの労働運動の現状、レイバー・ノーツの活動」についての講演を聞き、その後の質疑で「ここが聞きたい」こととは何かを出し合った。例えばアメリ労働組合の現状として「ナショナルセンターの役割、日本との違い」「日本の労働組合の多くは、『カンパニーユニオン』だが、アメリカではどうか」、労働組合の闘争課題は様々あるが、最近の取り組みを例に挙げるとどんなものか(最賃、労働時間、正規・非正規、男女差別等々)、市民運動との関係はどんなものか、レイバー・ノーツの役割、国際連帯をどう考えているか。レイバー・ノーツもかつては官僚的支配であったと聞くが、どう克服されたのか、政治では、大統領選挙ではどんな対応されたのか、サンダース候補の評価は?
 このように基本的には、アメリカの労働運動の現状から学ぶわけだから、質問が優先されるが、懇親会の席などでは逆に「愛知の状況」などを問われるかもしれない。特にトヨタ自動車に関しては関心が高いと思われるので、何らかの資料的なものを用意することが必要かもしれない。それについてはトヨタ自動車の研究者がおられるので対応してもらってはどうかという意見も。
 こうした意見を出し合う中で、会長がトヨタと中電が交互の場合が多い「連合愛知」のこと、お隣のユニオンみえの近況などの話もあって、集会の一参加者の場合と、それなりの苦労はするけれども準備過程に参画する場合とでは、吸収するものが格段に違うことは明らかである。これからを担う若い人には、ネットだけでなくこうした、顔合わせの会議に参加を勧めたい所以である。
 

 

 

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2017年9月21日 (木)

ダブルミーティング(会議)

 総選挙を前にあれもこれも・・・
 夕方5時30分から「アメリカの労働運動の現状を学ぶ講演会」の事務局会議。日程の詰めの作業では、11月17日の開催当日は、18時30分から講演会開始であるが、午後2時に名古屋に来てもらい、講演開始までの時間をどのように有効活用するかを相談した。少人数であってもいいから、この地の運動の紹介をしたらどうかという提案と、長い来日日程の中間の“休日”にあたる日であれば、しかるべきところを案内するのはどうか、という提案が出されたが、見学案が採用され、「トヨタ産業技術記念館」が候補に挙がった。そこで来名するアメリカの労働教育組織NPO「レイバー・ノーツ」の講師、スロータさんの意向を確かめることとなった。
 次に、呼びかけ文の草案の検討を行い、部分的に修正し概ね承認された。また地域の団体、個人に資金援助(カンパ)を要請する文書も承認され、急場しのぎの「郵便振替口座」の設定も承認された。そして衆院の解散総選挙が日程に入ってくると予想されるが、それぞれが多忙になるだろうが、その他の細部も含め準備だけは進めていくことになった。
 続いて6時30分過ぎから「ユニオンと連帯する市民の会(CGSU)」の運営委員会が開かれた。こちらは、「講演会」の議論が引き継がれ、続いて活動誌「結」の編集内容・発行日の策定、ユニオン学校の9月開催と年内の計画についてなど盛り沢山の議題がとり挙げられた。
 中心メンバーは、運動豊富な経験者で、その道に詳しいこともあって、いつものごとく「広く浅く」がモットーの私はなかなかついていけないことが多い。参考にしてほしいという数冊の本が紹介されたが、私は関心がないというより、現実的な運動と直結しない新たな知識、古典などは“もういいだろう”という傲慢だといわれかねない気持ちを持っているから手を出さない・・・。
 議題に幾らか関連することだったが、今度の総選挙に当たって、それぞれが“何を考え、どんな行動をとったか”の小レポートを出し合ったらどうかと言う話になった。その時私は、前から気になっていた「私たち労働運動の立場から、政治にどうかかわるのか、地域でどんな共同行動がとれるかの話題も、議論もないことに不思議に思っている」「今は、市民運動の中に個別に参加しているのが実情」というようなことを述べた。前にも書いたが、こうした議論は、いきおい「どの政党を支持するのか」で、気まずい雰囲気が出かねないので控える傾向があったと思われる。けれども、政治を語らない労働運動・社会運動は進歩を妨げるのではないかと私は思ってきた。ただ、この歳になって、運動の第一線から身を退いている現状からは、それ以上のことを言うのは憚れた。発言と行動の見極め、覚悟が問われるのは毎度のことではあるが。

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2017年9月17日 (日)

17年目のトヨタの労働争議

 フィリピントヨタ労組の幹部が来日
 2001年に、自主的な労働組合を結成したことに危機感を覚えたのか、トヨタ自動車本社から社長が派遣されているフィリピントヨタ社は、このフィリピントヨタ労組(TMPCWA)の組合員233名(後に237名)を不当な理由でもって解雇した。それ以来16年間この不当解雇と闘うフィリピントヨタ労組(TMPCWA)が、日本の支援団体と共に、トヨタ自動車東京本社と豊田市の本社とで、早期解決を迫るために来日しており、今日は午後に名古屋駅前に到着し、愛知の支援する会のメンバーと共に、街宣行動を行った。
 TMPCWAからは、エド委員長とジェイソン執行委員の二人がやってきた。二人は日本での支援に謝意を述べると共に、フィリピン現地での状況と争議解決まで闘い抜く決意を述べた。
 また現地の会社側の取り巻く状況は相変わらずであるが、ILO(国際労働機関)の勧告が3度にわたって出されており、政府の労働雇用省も勧告に従って争議解決に動き出しており、ここに至って唯一の障害といっていいのがトヨタ自動車本社の対応である。
 世界有数のグローバルカンパニーとなったトヨタであるが、海外における労働争議を16年余も放置している現状は理解しにくい。例えば、アメリカにおけるリコール問題、セクハラ問題、会社幹部の不祥事には、すぐさま社長自ら飛んで行って解決に奔走するのであるが、アジア・フィリピンでの問題には誠意を見せないのはどうしたことか。市場の大小を見てのことか、欧米にへつらい、アジアなど発展途上国には横柄な態度、つまり潜在的な差別観からか。
 ILOの勧告は「解雇を撤回し、労働者を職場復帰させるか、それ相応の適正な補償金を支払いなさい」というものであり、これに対してTMPCWAは歩み寄ろうとかなりの努力をしている。そしてトヨタ本社が首を縦に振らなければ、フィリピントヨタ社も動けない、それがこんにちの状況である。
 夜は、豊田市に移動して「支援・連帯集会」が開かれ、明日は午前7時から、トヨタ自動車本社周辺での街宣活動と9時からの申し入れ、社前集会などが予定されている。

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2017年9月13日 (水)

アメリカ・レイバー・ノーツを迎える

 名古屋講演会の準備始まる
 レイバー・ノーツ、といっても知る人は少ない。これはアメリカで発行されている労働運動の月刊誌の名称であるが、その性格、任務は「“労働運動に運動を取り戻そう”としている労働運動活動家の声」を取り上げ、伝え、広めているNPO「労働教育調査プロジェクト」の機関紙である。このNPOを通称「レイバー・ノーツ」と呼ぶのであるが、あくまでネットワークで会員組織ではない。
 そのメンバー二人が、日本の団体の招請で来る11月7日に来日し、東京都大阪で「トラブルメーカーズ・スクール」を開催するが、その合間を縫って11月17日に「名古屋講演会」の開催が企画されたのである。
 その相談会というべき会合が今日開かれ12団体が参加した。そして最終的に受け入れと運営を担う「実行委員会」として発足したのだった。
  私は、APWSL愛知の肩書で参加した。1997年の「レイバー・ノーツ、デトロイト大会」(大会は2年に1回開かれる。昨年の2016年は、シカゴで開かれ、全米と22か国から2100人が参加したという)に参加していたが、あれからもう20年も過ぎており、最近の状況についての情報は持っていなかった。しかし、元々「レイバー・ノーツ」に参加者を送り出してきた窓口に「APWSL日本委員会」も加わっていたこともあり、今回も幾らか力になればと参加したのだった。
  会議では「そもそもレイバー・ノーツって何?」から始まった。そこで呼びかけ人から概要と経過などが報告され、昨年のシカゴ大会のビデオを観たのだが、日本のナショナルセンターや産別組織とは違ってレイバー・ノーツは、確たる組織的なイメージが掴みにくいこともあって、その点ではまずメンバーの理解が必要で、その後にそれぞれの組織的参加の検討を進めていただき、開催に漕ぎつけていくことになるだろう。
  私からは、労働運動の右翼的再編が進みつつあった1970年代から80年代にかけて開催された「全国労働者交流集会(全労交)」という日本の例を挙げた。本来なら、その時の経過とか分科会、産別交流なども話題にできたが、今日は枠外であった。全労交はその後「10月会議」となって会場を大阪から東京に移すなどして、「労働情報」を生み出し「全労協」結成の軸になっていったと思う。
  会議は、来日講演者のスケジュールの確認に加え、諸費用の算定、宿舎、事務局の設置、呼びかけ文の作成等、そして次回の実行委員会などを決めて散会した。
     追記
  「“労働運動に運動を取り戻そう”」とは、日本の労働組合のほとんどは、世界でも少数派の「企業内組合(カンパニーユニオン)」であるが、その“空洞化した運動”は、アメリカにおいても、未組織労働者の組織化、下からの組合員自らが展開する運動が薄れがちであり、その啓発、推進を込めて“労働運動に運動を取り戻そう”がスローガンになっているようだ。
  また「トラブルメーカーズ」という、耳慣れない、ややネガティブな表現も出てきたが、これは誰かの言う「ならず者」を指しているわけではない。活動の経験者にはわかりやすいが、職場の活動家は会社側から見れば「厄介者」でなければならない。「トラブル=労働強化、労働安全衛生問題、差別など」を告発、問題化し労働組合の闘いとしていく活動こそが「活動家の自負」であるから、レイバー・ノーツはそう自称するのである。

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2017年8月22日 (火)

CGSU運営委員会

 議題についていけぬ “迷妄”にあり
  8月例会は、会員の再登録の現状と会計。ユニオン共同行動の見直しと新しい方向。労働運動関係資料の保存と有効活用などの構想を進める前段の「大阪産業資料館」見学について。活動誌「結」の発行計画。ユニオン学校の報告と今後の予定。「レーバーノーツ」を迎えての「名古屋講演会」の受け入れ準備。「現代労働負担研・名古屋集会」の開催受け入れ準備。「労働法制改悪阻止」に向けた行動について、など盛り沢山の議題であった。
  また個別的な要請、話題としては、「ロシア革命から100年」に関する何らかの企画構想。「化学産業複数組合連絡会議」という労働団体が、30年を記念して「組合つぶしと闘い抜いた労働者たち」という記念誌を刊行したことの紹介。「産業別職種別ユニオン運動」研究会の第1回例会(発足記念シンポジウム 於東京)の紹介などがあった。
  これだけを紹介すれば、この団体(CGSU:ユニオンと連帯する市民の会)の活動の概要が分かるだろうと思う。そうである一方、労働運動と距離がある人、領域の違う市民運動の人たちから見れば「?」「・・・」も多いかもしれない。
  実体として労働運動と市民運動が出会う場所は幾つもある。例えば「安保法、共謀罪、秘密保護法」などの政治課題、また原発問題は日常的な合流地点であろう。状況によっては「選挙」も共同の機会である。しかしながら労働運動が(力量の問題もあるが)運動を全方位的に把握し展開するのと違って、市民運動の基本は「シングルイシュー」であるから、どちらかといえば市民運動的課題に労働運動が合流していく形が多いのではないかと思っている。
  ということで私の場合は、原点・出自は労働運動であるが、「労働運動と市民運動は表裏一体=コインのウラオモテ」と考えて地域活動に参加していたので、一応いつも「合流地点」近くにいることが多かった。しかしそれは、いいかえれば「二股」であって、運動の「深堀」ができていないというあいまいな立ち位置ともいえなくもない。もっともそれを十二分にこなしている人もおられるわけだから、ひとえに私の能力不足といえる。
  それで今日の議題をずっと聞いていて、私の中にすとんと落ちるものがなくて、“居場所”が見つからないもどかしさに揺さぶられた。たとえば私は「レーバーノーツ」というのはアメリカの労働団体の全国組織であるが、この2年ごとの1997年・デトロイト大会に参加した経験を持っている。しかしもはや20年の歳月が経って、今に活かす経験的なものあるいはその雰囲気すら霧消してしまっている。私はそれを「労働運動は、その現場に立ってこそ運動感覚が研ぎ澄まされる」それがないからだ、と信じている背景がある。だから現在的地点では、「末尾、末席にいて、経験・知識が役立つ機会があれてばそれに応える」という退いた姿勢に終始することになる。大先輩からは“まだ老いる歳ではない”と発破をかけられたこともあったが、今やその大先輩も先立たれあるいは音信さえ不通となってしまった。
  こんな“つぶやき”は、何の意味もないが、改めて“私は今、何をなすべきか”を問う機会でもあった。会議が終わって帰路を共にした人も同じような感想を漏らしていたが、その人の場合はまだ目はまっすぐ前を見ているようであった。
  さて明日は何からはじめようかな。

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2017年7月22日 (土)

ACTION REPORT 第24号

  減ページで対応
  ユニオンと連帯する市民の会(CGSU)の活動誌「結」と同時発行を続けている、APWSL 愛知の「ACTION REPORT・第24号」は、編者の私的都合で発行が危ぶまれたが、発行予定期日の先延ばしの機会を得て休刊を免れた。
  ただ従来12ページを基本としてきたが、今回は8ページで対応することになった。忙しさに紛れて編集方針が立て切れず、基本的なデータ-海外情報が乏しかったこともあるがやはり、複数による編集発行体制ができていないことがそもそもの原因である。例えば「C&Lリンクス愛知」は、私自身の個人誌であり、不定期発行を明らかにしているから、まあ許されるだろうが、「APWSL」を冠している以上、仮に“名ばかり”の団体であっても読者への対応は疎かにはできない。誌面より運動そのものへの不信につながりかねないからだ。
  さて頁を減じた今号の内容は、表紙に、photo「ピースサイクル2017(神奈川)」をもってきて
、巻頭の詩は、『ラヴ イズ オーヴァ』の替え歌『Abe is over』をつかせてもらった。海外情報は「インドネシアのミズノ関連工場で1300人解雇・組合つぶし、PDK労組支援の声を! 」の一本だけ。そして「ACTION REPORT VOL.24 <2017年05月~06月>」と続き、その空白部に、呼びかけとしては時機を失したものだが、参考「ピースサイクル2017・愛知の日程」を挿し込んだ。印刷・発行日は7月25日である。

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2017年7月16日 (日)

「高プロ制度」を考える

 政府・財界の仕掛けに連合が乗る?
  安倍首相と神津里季生連合会長が会談して、「高度プロフェッショナル制度」などの労働基準法改正案修正へ動き出したと報道された。
 すっかり労働運動から疎くなってしまった私であるが、それでも「高プロ制度って何だ?」と思ったし、自民党のトップと連合会長が会談していいことってあった?と勘繰ってしまうのは、永年の習性かもしれない。
 そもそも「高度プロフェッショナル制度」とはどんなものかを検索してみたら、「高度プロフェッショナル制度は、高度な専門的知識があり、年収が一定以上の人が対象となります。労働基準法では企業が従業員に1日8時間、もしくは週40時間を超えて働かせた場合は、一定の割増賃金を支払わなければならないと定めています。一方、高度プロフェッショナル制度の対象者は、働いた時間ではなく成果で評価されるため、労働時間の規制から外れ、残業や休日出勤をしても割増賃金は支払われません。この制度の対象は、年収が1075万円以上で、証券会社のアナリストやコンサルタント、医薬品開発の研究者などが想定されていて、具体的には法案の成立後、厚生労働省の省令で定められる予定です。制度を導入することによって効率的な働き方が可能となり、生産性が高まるという考えがある一方で、企業が残業代を支払わなくてもよくなることで、働く側は、より長時間労働を強いられることになるのではないかという指摘もあります。」(7月13日 NHK NEWS WEB)
 改正案が出てからこれまで審議が進まなかったのは、一つに、連合の姿勢に同調してきた民進党は「残業代ゼロ法案だ」などとして撤回を求めていたし、労働組合がない企業の正社員や非正規労働者などで作る「全国コミュニティ・ユニオン連合会」は12日夜、連合本部に反対声明を送ったとのことです。この中で鈴木剛会長は「連合はこれまで高度プロフェッショナル制度の導入は行わないと明言していたのに、制度の容認を前提とした修正案を政府に提出することは、これまでの方針に反する」などとしています。そのうえで「長時間労働の是正を呼びかけてきた組合員に対する裏切り行為で、断じて認めるわけにはいかない」として強く批判しているという。
 私の知るこれまでの“グローバル化”“規制緩和”“労基法改正(改悪)”という流れの中で、最初は業種・業務内容など対象範囲に規制をかけ“歯止め”などと吹聴していたが、法案が成立してしまうと、なし崩し的に適用範囲が広がっていったと記憶する。(104日の休日、1075万円以上という年収もいずれ・・・)あるいは、どこかに抜け穴的な「解釈」が織り込まれていて、「過労死」のような深刻な事態が現実化し、裁判で判決が出るまで経営側の“やりたい放題”と、働く者の犠牲が積み重なるという悲惨はあまりにも至近の例ではないか。
 また、政府と連合のトップ会談が行われたことについて、経済同友会の小林代表幹事は、長野県軽井沢町で記者団に対し、「これまで2、3年塩漬けになっていたので、連合の神津代表と安倍総理大臣が最終的な妥協点を見いだしてもらえれば非常にありがたい」と述べたというのも、この内容が経営側の願望に沿っている証といえるかもしれない。
 もう一つ気になるのは、「高プロ」を「残業代ゼロ法案」と強く批判してきた連合が、条件付きで導入の容認に転じた経緯でこの方針転換を主導したという次期会長の有力候補の「独走」についてである。検索によれば、今回の安倍-神津会談の要請は、逢見(おうみ)直人事務局長や村上陽子・総合労働局長ら執行部の一部が主導し、3月末から水面下で政府と交渉を進めてきた。逢見氏は連合傘下で最大の産別「UAゼンセン」の出身。村上氏は、連合の事務局採用の職員から幹部に昇進してきたという人物。逢見氏は事務局長に就任する直前の2015年6月、安倍首相と極秘に会談し、批判を浴びたこともある。労働者派遣法や労基法の改正案に連合が反対し、政権との対立が深まるなかでの「密会」だった。当時も、組織内から「政権の揺さぶりに乗った」と厳しい指摘が出ていた、という。
 内部事情については、確かめようがないので、“そういうこともあったのかな”としか言いようがないが、民主的な労働組合は、少なくとも「重要政策」については、機関審議と決定・承認が欠かせないし、最低でも主要な産別や有力な単組との事前の話し合い(根回し)くらいはしたであろうが、今回はそれもないまま、ごく一部の者の「独走」らしいのは、何ともいただけない。
 いずれにしても、「高プロ制度」は、政府・財界が仕掛けた労働組合の組織性、結束力、戦闘性を内から崩すかもしれない新たな“布石”の一つになることを私は危惧する。

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