2009年11月28日 (土)

労働負担研の研究集会in名古屋

非正規も正規も希望を!
  「現代労働負担研究会」の第13回研究集会が、今日から名古屋で始まった、今日、明日の2日間の日程である。
  呼びかけ文によれば、「トヨタと向き合う!を大きなテーマに据えた研究集会です。研究会は、1988年、三菱電機神戸の労働者が、強制立ち作業の苦痛を研究者に相談したことが発端です。これを、トヨタシステムの展開であるとみた千田同志社大学教授が、三菱、山武などの労働者と共同して立ち上げたものです。愛知では住友軽金属の、故近藤直太さんらの尽力によって第3回研究会(1993年)を開催しました。このとき、会の名称を『現代労働負担研究会』に改めました。
  名古屋での開催は2003年の第10回に続いて今回で3回目になります。トヨタシステムに内在する搾取強化と一体化した人間を、物として扱う仮借ない非人間性が、非正規雇用労働者切りを通じて、一挙に明るみに出ました。
  衆議院選挙で怒りを爆発させた国民の力によって、自公政権が打倒され、「国民の暮らし第一」を掲げる政権が誕生しました。
  この政治の流れを監視し、発展させるという本格的な社会的合意づくりが、これからの課題です。労働運動と政治の結び付きも議論できるような研究集会にしたいと思っています。多くの方々に参加を呼びかけます。」
 2日間で以下のテーマが取り上げられる。愛知からの4本を含む12本の議題という、ハードで密度の高いものになりそうだが、2000円で「公開講座」を受けることを思えば、なかなかない機会であろう。

☆雇用破壊の原点、トヨタを見据えて愛知から次の報告を行います。
①「トヨタと向き合った4年間の成果」・・・ATU(全トヨタ労働組合)委員長 若月忠夫さん
②「解雇で住まいを奪われる派遣労働者」・・名古屋ふれあいユニオン運営委員長 酒井 徹さん
③「トヨタ労働組合変質の歴史」・・・・・・中京大学非常勤講師 杉山 直さん
④「非正規派遣労働、過度期の派遣業界の現状」・・派遣会社取締役会長 Aさん
★東京、関西、浜松などと合わせて12本の報告を予定しています。
日程、場所、会費など
*日 時:11月28日(土)10時~17時
          29日(日)9時30分~15時
*会 場:愛知労働会館2F会議室(金山駅から名鉄本線に沿って神宮前方向徒歩10分)
*参加費:2000円(交流集会報告書、会場費等)ただし、失業者、学生は無料とします。
*懇親会:11月28日17時30分から、居酒屋「叶」です。
 労働会館から徒歩5分。会費3000円。

 ATU・Sも準備段階の協力団体の一つでもあり、当然私もその場に居合わせ、共に議論に参加する立場であり、そうもしたいと願ってきたが、今の体調では気が進まず、後日、経過などの報告だけを聞くことにした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年10月28日 (水)

トラブル続きの1日

  元は原稿遅れ?
 全トヨタ労働組合(ATU)をサポートする市民の会のニュース「れいめい」の編集を担っているが、今日の午後1時に印刷作業が予定されているにも拘らず、2本の原稿4ページが届いていない。タイトル、見出し、付随文をつくって待機していたのだが、午前8時、もう“出勤時間”を過ぎたであろうから、編集部執筆を決断した。
 午前10時ころプリントアウトに移ってしばらく、頁の写真が印刷されないトラブルが起きた。知人に電話して助言請うたが解決しなかった。ふと思いついて、いったんシャットダウンすること数回、何とか復旧した。この間時間を費やし、午後の印刷作業時間に合わず。
 次にお借りしている印刷機が不調で、別の団体に出向き印刷機を借りたが、その1台も不調で2台目を借りて、何とか作業終了。次に折り機が不調で1600枚を二人で手作業。
 夜に会議が設定されているため、セット作業半分ほどで4時半に終了し中断した。今日中に終わる予定の発送作業できず、別の日を設定。
 そのトラブルは私に体に及んだ。たまたまか、目の使い過ぎか、何か異常なのか、両眼の焦点が合わない症状が出た。参った。

|

2009年10月26日 (月)

非正規雇用・外国人の場合

 光精工の現場報告から
 昨日の午後、中村区の牧野コミセンで、ATUサポート市民の会主催の、第4回トヨタ連続労働講座が開催された。4回目をして初めて、トヨタ系企業の外国労働者の現場の実態に迫った。
 私たちに、三重県の光精工(トヨタ自動車の一次下請け部品メーカー)での実態、体験を語ってくれたのは、「ユニオンみえ」加盟の「グルーポ光」というユニオンの先頭に立って闘っている大成(おなり)アレクサンドロさんで、しっかりとした日本語ができて、通訳がいらないから、多くの話が聞けた。
 進行は、まず名古屋ふれあいユニオン酒井運営委員長が経過を述べ、次に、市民の会・中村さんも加わって聞き手となった、対談方式で進んだ。
 既に「れいめい」前号で概略が伝えられ、この日もレジュメや、新聞の切り抜きが配られていたから、それ以外の事実が大成さんから語られた。
 例えば、「残業は月に180~200時間、土日の休みもないが、日曜礼拝があるからと、前日までの24時間以上ぶっ通しで働く」こともあったという。そこまでして働かなくても、という声もあるが、残業なしでは低賃金で生活ができない、断れば解雇の脅しも。事実、1か月労災で休んだら、解雇するといわれたという。
 その他「信じられない」事実がいくつも紹介されたが、「会社のトップに外国人差別意識がある」という、大成さんの指摘、感慨は、日本の経営者の感覚を代表しているとさえいえるのではないか。それらが、中小手、零細企業での「例外的事例」という言い訳は通用しない。
 それは、例えば、トヨタにしろ、キャノンにしろ、コストダウンのために、関連企業、下請企業にまで厳しいコストカットを求めている事実があり、その把握なくして、10%カット、30%カットなど言えるはずもない。
 「非正規雇用」制度「外国人研修生、実習生」をもっと有効に使え、と口にはいわないまでも、「トヨタ下流域の経営者」は、そうしなければ、親会社の要求に応じられないことは確かなことだろう。
 日系ブラジル人など外国人労働者の、こうした実態は、「日本全国で共通している」という大成さんの言葉は、さらに痛切であった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年10月19日 (月)

自動車革命というが

 車の総量が増えれば変わらない?
 昨夜のNHKスペシャルで、「自動車革命・第1回-トヨタ新時代への苦闘」が放映された。
 プリウスというハイブリッドカー(HV)をいち早く売り出し、世界で累計200万台売ったというトヨタであるが、この夏、未来型といわれていた電気自動車(EV)が発売され、欧米だけでなく、中国、ベンチャー企業の電気自動車参入によって、危機を募らせたトヨタは、HVとEVの中間を行く、プラグインハイブリッド(大型リチウムイオン電池と充電用ソケットを備えた新型エコカー)の開発を急いでいること、この12月には販売にこぎつけるという様子が描かれていた。
 その現場は、トヨタ自動車の堤工場の一角であるが、この工場は、あの内野健一さんが過労死して、裁判で労災認定を勝ち取った工場であったから、映し出される現場での、タイトな不具合対策、品質管理の映像が、妙に生々しかった。
 確かに、化石燃料を動力源とするエンジンから、電気でモーターを回して走る電気自動車は、構造的にも技術論からしても革命的である。
 だが、電気自動車、電池自動車いろいろあろうが、電気を発生させる元をただせば、例えば「CO2排出ゼロ」は正確でないことは誰もが知っている。あくまで現行の車一般との比較でしかない。
 そうすると、トラック、バス、建設機械などの大型自動車、特殊車両には向かないとされる電気自動車であり、自動車個別のCO2排出がゼロだとしても、生産・販売台数が減るどころか増えるとしたら、原材料の発掘から素材化、物流面からCO2は増えることにならないか。また供給する電力量は増えることになる。つまり世界的規模での総量での比較ではどうかということになる。
 これは汚染された工業廃水の濃度規制から総量規制に進んだ例に似ていないか。業界の環境対策への取り組みを評価する一方、“売らんかな”という商魂が増殖し続ける限り、イタチごっこにならないか心配である。
 しかし・・・自動車という文明の利器の魅力にとりつかれ、人類全体が麻薬中毒のようにして車を手放せないとしたら・・・。どうしたものかわからなくなるが、「エコカー減税」とか「補助金制度」はやめてほしい。車を乗らない人からの税金を回すなんて、不公平だと私は感じている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年10月15日 (木)

愛知で自動車関係の国際集会?

  構想倒れでもいいではないか
 フィリピントヨタ労組(TMPCWA)を支援する愛知の会の運営委員会が開かれた。
 去る9月の「第4回反トヨタ世界キャンペーン」愛知の、トヨタ本社行動の反省が主要なテーマであった。しかし、精力的な取り組みをしたという割には、成果が引き出されていないという思いを、それぞれが持ちながら、議論の俎上に上がり切らない一面が漂っていた。代案、対案が用意しきれないからだろう。
 TMPCWの事務所も大きな被害を受けた、フィリピン現地の台風被害に対してTMPCWAへのカンパ活動と、愛知の会のニュースの発行が決まり、11月のナゴヤモーターショーでの宣伝活動も決まった。そこで、議事が一段落したところで、一部の仲間との間で話題にしていた、日本、フィリピン、韓国の自動車関係労働者の「国際連帯集会」の開催を愛知で構想してみたらどうか、という提案をしてみた。
 現在の運動との関連性、主催しきるだけの人とお金の見通しなど、当然考えられる質問、意見が出された一方、主体的なこの地域での運動を模索するという意味で、賛意を表する人も数人いた。準備には半年は必要だろう、現地の事情も考慮しなければいけない、実行委員会形式で、多くの労組、ユニオン、個人に参加してもらおう、など実現には、いくつかのハードルを越えなければならないが、まず、これまでの運動を振り返って、「早期解決」へのプロセスを考えるきっかけにはなるだろう。仮に構想倒れになったとして、では次善の策はないだろうかという、議論をリードするだけでもいいのではないか、そんな思いもあっての提案である。
 これには、やはり愛知の労働運動の停滞、とりわけトヨタの労使の存在が、そこに横たわっているという現実を知るものほど、“突破口”に腐心するのではないだろうか。
 引き続き議論を重ねることで持ち越された。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年10月 5日 (月)

第1回トヨタ学習会・2

 猿田教授の「トヨタと地域社会」
 昨日のブログでは、トヨタ自動車の研究は、「トヨタ生産システム、人事管理、労使関係、地域社会」と書いたが、正確には、「・・・、トヨタの労使関係と地域社会」である。簡単に言ってしまえば、トヨタの生産・利益至上主義のもとでは、労組それ自体も組み込まれ、地域社会の基盤も支配下におかれ、トヨタのために動員される。労組は、組合員のため、地域住民のため、地域社会のために何もしないうえに、トヨタの良き協力者であるのが現実だ、と言えるだろう。
 猿田教授はいう。「トヨタについて書かれたものは多い。しかし、そのほとんどは地域社会についてほとんど触れていない。しかも、労使関係との関わりで論じたものは、皆無と言ってよいかもしれない。しかし、われわれにとってトヨタ研究は、地域を無視しては成り立ちえないものである」
 私の中でも、「トヨタ城下町」「すべての道路はトヨタに通ずる」「トヨタ生協」「トヨタホーム」「豊田学園、豊田高専、豊田工業大学、海陽学園」「トヨタ労連支配下の愛知の労働運動」「県議会、市町村議会に隠然たる力を持つトヨタ系議員」という言葉で、トヨタと地域社会については、個別的には知り得ていた。だが、それらの有機的結合を明らかにしつつあるのが猿田教授の「トヨタ研究」なのだと思う。
 例えば、全寮制の男子中等教育学校(中高一貫校)・学校法人海陽学園の代表(理事長)は豊田章一郎氏、もちろんトヨタ自動車は有力な出資者である。これだけの説明でその目的も、概略はわかるような気がする。だが高校の、「管理教育」というセンセーショナルな言葉が闊歩して随分になるが、その当時は「東の千葉、西の愛知」といわれるほど愛知のそれはひどかった。それが、日教組の影響力の排除、有名大学への進学率競争と結び付くことはあっても、それが、トヨタの「能力主義・序列主義」(高校の複合選抜-複数受験と輪切り入試)と結びついているという点、つまり「労務管理」と「管理教育」の有機的結びつきは思いもよらない指摘であった。
 またデータとなる資料はなかったが、全国有数の裕福県愛知の高校進学率が、都市圏では珍しく低い背景には、中学生のトヨタ学園への入園があるとされ、そうなれば、デンソーを含むトヨタ関連会社にも、相当数取り込まれていることになる。そうであるなら、「ゆりかごから墓場まで」ではないにしろ、小中学校から高校、大学を含め、「マイカーはトヨタ車、トヨタの寮・社宅で過ごし、ローンは会社の住宅貸金、マイホームはトヨタホーム、くらしはトヨタ生協」という、純粋培養器に育った「トヨタマン」が生まれる。
 もとより、「個人の幸せ」にまであれこれ言うつもりはないが、「スウェーデンの場合には、強力な産業別組合と社民党を中心とする左翼政権の下で、労働者・市民連帯による人間中心社会づくりが行われてきた」という世界があり、これが私たちの社会でも育っているとしたなら、「トヨタの研究」が、正反両面を描き出し、不幸にして「反」が、トヨタの今日的実像であるなら、そして今後も変わり得ないのなら、「研究の成果を、労働の現場で活かそう」という私たちの課題は、永続的なものになる。 了

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年10月 4日 (日)

第1回トヨタ学習会

 猿田教授の講演を聴く
 見上げれば快晴の秋空。有松天満宮の祭礼あり、孫の運動会あり。どちらへも行きたし、されどかなわず。
 第1回の「トヨタ学習会」が設定されていて、この学習会がもっぱら、ATU(全トヨタ労働組合)の組合員、支援者、トヨタの研究者、関心ある人を対象として、現場での活動に寄与する、とあったので、「現役」から離れたという意識の私は、多少の迷いはあったが、ATUサポート市民の会の主催である以上、欠席は気が引けた。
 トヨタ自動車の研究は、主として「トヨタ生産システム、トヨタウェイ」であるが、猿田教授は、それをもう少し踏み込むと、「トヨタ生産システム、人事管理、労使関係、地域社会」ということになるという。
 「トヨタ生産システム、人事管理、労使関係」について、最新の研究を加えておさらいをした。特にフォードの生産システムをおさらいし、GMが没落してトヨタが勝ち上がった背景のおさらいも、今日的課題に通ずるので興味深かった。
 話は、この先(未来)のことまでは踏み込まなかったが、思うに、「生産システム」そのものは、省人化(ロボット化)や、生産拠点の統廃合と車種の絞り込みは進むであろうし、部品の共通化が進む一方で、リコールの範囲が拡大すること、一個所の災害、事故で部品供給が止まり、生産がストップしてしまうリスクをどう回避するかの研究は進むだろう。また、生産のシステムと共に、シンプルで低価格車の開発は避けられないだろうが、環境対策としてのコストアップとどう対応するのかの研究は、社会的な焦眉の課題でもある。
 では「人事管理」はどうか。「日本では、『就職』するというが、実際は『就社』であって、職種をいう職業に就くわけではない。『入社』であるから、専門職のように一つの仕事、業務をこなせばいいわけでなく、『多能工』や、業務の全く違う配転、派遣がいとも簡単に行われる。欧米との大きな違いである」と猿田教授はいう。ではこの「労働力のフレキシブル化」非正規雇用制が不可欠とされる「労働者のジャストインタイム」の問題はどうなるのか。
 政権交代で「生産現場での非正規雇用の原則禁止」が施行、維持されれば、経営者は、法の抜け穴を探し、悪法を政府与党に要求してきたこれまでの方法を変えねばならない。一つは、工場の海外移転であろうが、韓国、中国、マレーシア、ベトナム、インド、インドネシアへと低賃金、規制なしの地を歩いてきたものの、その地の発展で効果は減退してきた。残るは、南米、アフリカだけかもしれない。そこまでやるか?また「ワークシェアリング」という方法もあるが、賃金以外の保険など諸費用は膨らむ。では、分社化を進めることによってコストを下げるか。研究というより「悪知恵」を絞ることだろう。
 次に「労使関係」であるが、経済が右肩上がりの時は、労組は企業の成長に合わせた賃上げや労働条件の改善を求めてこえばよかった。あるいは、自社の成長即ちそれが労働条件の維持・向上、という図式で対応してきたから、組合員の意見を聞くより、会社の経営、管理を優先させてきたといえる。「労災隠し」は典型であったろう。
 そのような労組の実態を見抜いていたから会社は、労使協調、労使宣言を求め、労組懐柔に腐心してきた。そうすると私の想像では、その「日本型経営」は変えることなく、むしろ、民主党の支持基盤の一つである「連合」を、政権の中へ「刺客」か「二重スパイ」として送り込む深謀遠慮をひそかに考えているかもしれない。
 だから「労使関係」を主体的にとらえれば、企業側がどのように考えようと、要は「労働組合、労働運動」の問題であり、「企業内組合」の体質から脱却するほかない。それは産業別労働組合への強化も考えられるが、日本ではなじみの薄い職能別組合(医師会などは個人経営者の集まりではあるが、医師という職能組合といえないこともない。大工さんの全国組織はなかったかな)、市民、生活と一体的な「地域労働組合」というか「コミュニティーユニオン」が求められるのではないだろうか。
 さて最後の「地域社会」であるが、猿田正機教授の長年の研究の一つで、企業活動と地域社会がどう結び付くのか非常に興味深い。これについては、もう少し資料を読み込んで考えてみたい。
(続く)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年9月27日 (日)

ATUの定期大会

 知られざるこの労組の闘い
 全トヨタ労働組合(ATU)の定期大会が開かれた。従来の定期大会は1月であったが、春闘時期と重なることもあって、1月に臨時大会を開き、定期大会をこの時期に移行したのであった。
 「ATUサポート市民の会」は、来賓として招かれたが、代表など三役不在のため、私は代理出席であった。
  冒頭の若月委員長のあいさつは、1年余の活動を振り返り、新たな組合員を迎えたこと、団交相手がトヨタ、デンソー、アイシン、JTEKT、トヨタ車体の5社に加え、関連部品会社1社を加えての6社になったこと、新たに組合員の裁判が始まったことなど、少数組合でありながら、専従もいない中で、多くの課題、運動に取り組んでいることが語られた。
  私はあいさつで、ATUとの出会いを述べた後、今や世界のトップ企業であるトヨタは、その生産、販売がトップであるばかりでなく、企業として、日本経済、地域経済だけなく、政治的にも影響を及ぼしていることを指摘し、労働運動の立場からも「トヨタと向き合う」運動が重要視されねばならないとした。
  「トヨタと向き合う」運動の中心となるATU、そして「ATUは、トヨタの獅子身中の虫」として、それに連なる愛労連・西三河南労連、ATUサポート市民の会、TMPCWAを支援する愛知の会、APWSL愛知、自動車産別交流会議があるとして紹介した。同時に、組合結成当時に比べ運動領域が、格段に広がっていること、それゆえ、組合員一人一人の役割が重要視され、また、運動を継承する次世代の組合員の獲得を目指してほしいなど、連帯・支援のあいさつを行った。
  後半の役員選出、活動方針の議論については、遠慮すべきと心得、辞去した。
  それにしても、このATUの存在と運動がどこまで知られているのだろうかと、いつも思う。
  全国から届く便りや会員名簿を見ても、連合だけでなく、全労連、全労協のナショナルセンターに加盟する労組、団体からはわずかに散見されるだけである。「トヨタ式労務管理、生産性向上運動で現場は大混乱」などと声をあげていた郵政ユニオンから連絡があったのは大阪の1支部だけであった。20を超えるILO勧告を引き出し、20年以上を経てなお闘い続けるJR・国鉄の関連労組からは、東に1組合だけである。労働の分析、労働法の研究者などからは注目されているが、まだまだ限定的だ。
  これは、マスコミが取り上げないことも多くあるが、こちらからの仕掛けが全く不十分であることは確かだ。それをもって、ATUの周辺から独自に発信することにはいささか躊躇がある。それは結果として、ATU自身が応えきれるかどうかにかかっているからである。
  若月委員長の雇用延長が切れるのもそう遠くはないから、彼自身いずれ「内部活動は、他の仲間に、自分は対外的、地域的役割に専念」と考えているのではないかと、私は想像するのであるが、それがうまくいってほしいと、大会の席にいて願うばかりであった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年9月24日 (木)

変わらないのはマスコミ

 例会でやり玉
 ATUサポート市民の会の例会は、相変わらず多くの課題を議題にあげて、ややオーバーワーク気味であるが、そのように牽引するリーダーがいるということでもある。惜しむらくは、そのリーダーが40代、50代ならば、というのは贅沢なのか、運動の世代交代ができていない現実、とも言える。
 さて、その多くの議題をこなして今日は、しばし「政権交代その後」の雑談の花が咲いた。「政権が代わったことはいいことだ」「自民党の再起は不可能だろう、人材がいない」「酔いどれ(中川昭一)を国際の場に出すなんて!」とまあ、ここらあたりまではよくかわされる内容であったが、俄かにマスコミ批判に移った。
 確かに、政権交代という大きな変化が起きたのに、それを伝えるマスコミの取材、記事は昔のまんま。「政権が代わって、組閣されたばかりなのに、もう財源がどうのこうのと揚げ足取りみたいな記事を垂れ流している。」「酒井法子のような、犯罪報道ばかりに大きな時間、スペースを割いている」「なぜ交通事故が絶えないのか、24時間以内の死亡だけがカウントされるペテンがいつまでも。もっとマスコミはこのような問題のキャンペーンをすべきだ」「年間3万人を超える自殺者に、問題意識を持たないのか」「労災事故でも年間3万人以上が死傷し、1300人くらいが死んでいる。死亡災害を起こした企業の名前を公表すべきだ」
 言えばきりがないが、今日の会合の話題からいえば、「ILO(国際労働機関)の基準適用委員会という国際的な場所で、トヨタ自動車が、IMF(国際金属労連)の代表の一つとして、フィリピントヨタ自動車労組(TMPCWA)のエド・クベロ委員長から糾弾されるという、前代未聞の大ニュースを全く報道しない、そこに現マスコミの姿勢が端的に現われている」であろう。「1兆2000億円あったマスコミ関連広告費が、3分の2の8000億円に減ったという説もある」としてもだ。
 いったいマスコミとは何だ!という根本的な問題があるが、例えば新聞でいえば、購読料だけで経営を成り立たせて、権力や企業などの外圧に屈さない新聞社を維持させるのは、購読者を減らさない、絶やさない以外にない。そういった社会的な成り立ち、形態に私たちが参加することも、重要なことではないだろうか。ITの時代といわれる中ではとりわけ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年9月21日 (月)

TMPCWAを支援する本社行動・2

  9月21日、トヨタ本社とその周辺
 昨夜の連帯交流集会が終えた後は、各宿舎に分かれて、それぞれで交流会がもたれたが、私は、報告文を送る作業と、今日の午後の会合の準備もあっていったん帰宅した。
 私が愛環・三河豊田駅に降り立ったのが朝の7時20分。既に多くの参加者がビラ入れのため、本社工場、テクニカルセンター、新旧の本社前、その周辺の配置に向かった後だった。
 駅前のビラまき隊は10人ほどで、上下線3分から5分置きくらいにどっと“トヨタマン・ウーマン”が流れ出てくるが、ビラを受け取る人は少ない。“あなたたちの会社トヨタ自動車が、ILOで糾弾されています。このチラシに書いてあることは事実です”“無関心でいられるんですか?”という呼びかけも、ほとんど表情を変えない。映画の「アイ,ロボット」(2004年米)ではあるまいし。(蛇足:このロボットはかなり進化していて、表情をつくり、声も発するのだが・・・)
 トヨタ自動車の本館前に移動。9時には全員が集合して、社前集会、最初に全造船関東地協の早川事務局長、愛知からは、全トヨタ労働組合の若月委員長が、トヨタの一貫した無責任で逃避的態度を糾弾し、ILO、IMFなどの動きから、トヨタの足元に火が付きはじめていることを強調、早期解決を求めた。次にTMPCWAのエド委員長は、トヨタの牙城を前にしてであろうが、訴え続けるほどにテンションが上がっていき、トヨタの「組合つぶし、労働者の弾圧」「アロヨ政権を動かして軍隊の工場内引き入れでの脅し行為」を抗議し、「世界の労働者と共に闘う」決意を語った。
 9時30分、通訳一人含む7人の代表団が本社内に入った。トヨタ側の対応は総務部のグループ長二人。
 最初にエド委員長が、最近の工場内の状況を述べ、その中で「ILOの調査団が、明日からフィリピンに入ることを恐れてであろう、工場内からは陸軍がいなくなった」という実態も明らかにされた。ウェニー副委員長は、「問題解決のために、責任ある立場の人がここに出てくるべきだ」エド「これからも何の対応をしないなら、私たちは、新たな闘いを考える」
 早川氏からは、IMFが「反トヨタ世界キャンペーン」を展開し、ILOの勧告が毎年のように出され、今回「ILO高位調査団」が派遣されるということは、「・・・勧告が企業ではなく、国に対してであるから、そこで何ら解決の手立てが着手されていないということになれば、それはフィリピン政府が大恥をかくことになる。これまでに政府としては、軍隊の引き上げをし、現行労働法の、指摘された不備の改正を約束しているから、あとは、フィリピントヨタ社の233名の解雇問題であり、団交拒否などの団結権の侵害が、課題として残っている。それを解決できるのはトヨタ自身だ、そういう段階に来ている」述べた。
 最後に支援する会から、今回の早期解決を求める本社申し入れに伴う、481個人・団体の署名簿をトヨタ側に手渡した。
 代表団が申し入れをしている間に本社前では、抗議集会が開かれ、参加した各団体から、それぞれの闘いの報告とともに「トヨタの姿勢を問う」発言が続いた。
 代表団が戻って、愛知の代表から簡単な報告が行われた後、争議の早期解決を求め、労働者の国際連帯を誓う、団結ガンバローを三唱して、三河豊田市駅前での報告集会へと移った。
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧