老兵たちのフォーラム12月例会(4)
「食」について・4
食はその国の文化を表現する-映画の中の食事
今回のテーマは、これまでみてきた通り、「食」の問題を「食糧問題」として、政治的、社会的、もっといえば世界規模の問題として捉えてきた。
また今回は取り上げなかったが、「何を食べてきたか」という、それぞれの人生の軌跡をたどる話も少なくなかった。しかし、それは割愛した。
一方私は、家事・家庭における「食」の問題をもう一つの切り口とした。そこへ、11月例会から新たに会員となられたTさん(女性)は、映画評論を自ら本業と称して、「映画の中の食事」シーンを取り上げ、「食はその国の文化を表現する」という、新鮮な話題を提供してくれた。レジュメを引き写すと、
1)「美食とワインは、人生の喜び-フランス」と題して、
①バベットの晩餐会-1987年/デンマーク/ガブリエル・アクセル監督
・19世紀後半の、デンマークの寒村が舞台になったプロテスタントとカトリックの宗教観の違いが「食で表現される。
・フランス革命が、フランスのレストラン文化の源であること
②パリのレストラン-1995年/フランス/ローラン・ベネキ監督
・こよなく食を愛するフランス人が、「食は教養のひとつ」と考える様子。
③8人の女たち-2002年/フランス/フランソワ・オゾン監督
・女性をワインになぞらえ、その個性を活写する。
という具合で、映画の中の、食べるシーンをとらえて、そのお国柄の違いを語ってくれた。そしてプロテスタントの国イギリスの食事はまずい、といい、なぜかといえば、まずいものを選んで、黙って(耐えて)食べるからだという。そこには歴史的背景があって、大航海時代からの植民地主義の国イギリスは、植民地の経営では、現地の食事(文化)に馴染んでいくところから始めたからだという。将校も兵士たちも、母国の料理を持ち込むことはしなかったのだという。面白い話であった。
ちなみに、日本映画は、こうした食事シーンというのは少ないし、それが焦点化することは少ないのだという。これは「飯は黙って、さっさと食え」みたいな、日本文化の一つの表れかもしれないと思った。
話が弾んで、日本料理というのは、味付けがほとんど「醤油」だけ、という点に特徴があり、スパイスやソース・タレ・ドレッシングは、西洋料理、中国料理に較べ、極めてシンプルなのだという。
それに対して「日本料理は、味わい深さと共に、旬のもの、かたち、色合いに“美”が込められているという特徴がある」という意見も出された。 尚、以下の話も面白かったが、紹介にとどめる。
2)家族の絆は食卓で-イタリア
①ゴッドファーザー ②星降る夜のリストランテ
3)すべての基本は、ハンバーガー-アメリカ
①「マジソン群の橋」は、アメリカ版団塊の世代が、大人になってベジタリアンになるという「世代批判」が面白い、といい、どの映画も、ハンバーガーかフライドチキン、「単調な食」を気にしないタフさを指摘。
4)食の広がり無限大-中国(本土・台湾・香港)
中国大陸では、北方(粉食)、南方(米食)とはっきり分かれるという。そしてどこへ行っても、そこにある食材で調理し、それがおいしいのだという。
映画から話を起こしたことと、知らないことが多いなあと思った。
最後に、参加者からそれぞれ推奨するお店として幾つかが紹介されたが、体調が戻ったら行ってみようかな。
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