2009年11月20日 (金)

菅副総理の「デフレ状況」宣言

デフレはいけない!の実感はなし
 近くのスーパーマーケットで買い物をして帰ってみると、夕刊のトップ記事が、菅副総理の「デフレ状況」宣言、であり「日銀に対応促す」とあった。
  インフレとデフレのメカニズムというか、国の経済運営上からは好ましくないから、何らかの金融政策を取るのであろう、というレベルでは承知している。
 実生活面から考えると、収入を増やすための賃金を引き上げるが、物価が高くなることはやむを得ない。一方、物価は下がるが、企業収益は上がらないから、賃金は上がらないどころか切り下げられる、さてどっちがいいか。
 両方よくない、賃金が増えて物価は安定、これが一番、が正解であろうが、そうはいかないのが世の中。
  では、賃金収入によらない、年金生活者にとってはどうか。デフレで預貯金の金利が低いのは気に入らないが、物価が安いということは大歓迎、といったところか。
  先のスーパーでは、毎週金曜日がカード利用者に限って5%の値引きセール。カード支払いにしてからまだ1年にもならない私だが、もう5%引きのとりこになっている。生鮮食料品は日を選べないが、牛乳、卵などは1週間単位、乾物、冷凍食品は買い置きしている。トイレットペーパーのようなものは、当然割引日の購入となる。
  こうして例えば3000円の買い物で150円の節約というか、出費が抑えられ、それを年間で換算すると、1万円近くになる計算だが、1万円が手元に残っているわけではない。
  政府の経済政策だけの観点からいえば、高い経済成長で、物も金も流れがよくなれば、国家財政も豊かになるから、どちらかといえばインフレ政策を取りたいのではないだろうか。しかし消費者・国民から見れば、「便乗値上げ」とか「100円のものが200円、300円になる」かもしれない、というインフレ概念がインプットされているせいか、現在の「デフレ状況」は、実感としてよくないとは思っていないのではないだろうか。
  もっとも、再び「派遣切り、派遣村」や、大学生の「就職氷河期」がいいとは思っていない。就職時期を迎えた息子、娘を持った50代の父親にとっては
、迫りくる「定年」を前に、日々不安がよぎるのではないだろうか。

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2009年11月16日 (月)

普天間基地問題

もっと考えてみたい
 オバマ米大統領のアジア訪問を機に、沖縄問題というより、「普天間基地問題」が焦点化したが、先送りしただけであった。簡単ではないことはわからんでもないが、問題の捉え方が枝葉ではないか、という疑問がないわけではない。
 それは、第1に、わが国にとって在日米軍が、今もって必要なのかどうかである。これは、日米交渉でも、国内の与野党議論でも前提議論になっていないように思われる。米軍の駐留は、日米両政府の合意事項であるからだ、それが両国の国益に合致することだからだ、というのだろう。この検証は本当に必要ないのか。
 戦後60有余年、世界規模では、尖鋭的東西冷戦体制は、緩和から世界協調に大きく変化してきている。かつてワルシャワ条約機構がNATOに対抗する形でとられた体制も、いまでは大きく変化してしまったのもその一例であろう。最近の米軍再編も、欧州、極東を重視しつつ、湾岸戦争、イラク戦争、アフガン戦争といった「対テロ」戦略に軸足を移しつつある証ではないか。
 これらの評価・分析はいろいろあるにしろ、つまり状況は変化しているという事実である。それなのに、在日米軍基地問題は変わらないといえるのか。日本の日米安保条約を基軸とした「戦後の安全保障」体制に何も変化していない、変える必要もないと言えるのか。
 第2に、沖縄普天間基地を名護市・辺野古に建設して移転させるということは、「日本が新たに基地を建設してアメリカに提供する」ということであり、敗戦後の進駐軍(米軍)が接収して建設した現在の基地の経緯と性格とは全く違うものになる。ここにアメリカ側の「日本側の求めに応じたもの」という論拠を与えている一つではないか、ということである。
 アメリカにとって、ロシア、中国、朝鮮半島、台湾、フィリピンに至るアジア・極東戦略に、沖縄が地理的に好条件を備えている点や、日本政府の“おもいやり”に、この至高なる既得権を手放したくないのも無理からぬところである。要は日本政府の自立外交、安全保障の戦略的捉え方、政策にかかっているといえる。「ノーといえばノー」なのである。なぜなら沖縄を含む日本全土の米軍基地は、日本の領土であるからだ。恐らく、単純化していえば、「自主防衛論」は、ここに根ざしているのではないか。
 さて現実的な問題は、地位協定を含む日米安保条約の外交的縛りである。これも一方の側が破棄を宣告すれば、1年をもって解消させることができる。だが問題は、日米安保条約の持っている安全保障の政治的、戦略的代替手段(政策)を立ち上げることができるかどうかである。全方位外交として、全ての国と国交を持ち、相互不可侵・平和条約を結び、交易と人の往来盛んにして相互共存を図る、というのが一つの考えであり、外交の基本でもあろう。だが、条約などというものは、それぞれの国益の前には、あるいは「侵略者」にとっては、何の障害物にもならない、防波堤にもならない、と考える人は少なくない。相手が手を出せないほどに軍事的優位性を保持、それが自前でできないなら、強国とパートナーと組むことだ、それが日米安保のかたち、実に滑らかではある。
 そうした中での普天間基地の辺野古沖建設移転は、動かし難いアメリカとの外交的約束であり、白紙はあり得ない、というのも筋論としては正しい。だが、より現実的には、現普天間基地の存在それ自体が許されない日米の“合意”ではないかという点と、在日米軍基地の75%が、沖縄に過重な負担として存在している現実の解消である。ここに県外、国外移転の論拠があり、撤去ではない「移転」の問題の難しさがある。
 いま、普天間基地の撤去・返還要求が外交的大きな失点であるとしても、その選択が日本の「国益」ばかりでなく、世界での外国軍基地問題で悩む多くの国、地域の人たちに勇気を与え、強国の世界的な軍事的戦略にも波及するかもしれない、そうした期待も含まれることは見逃せない。(思考継続)

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2009年11月10日 (火)

中国電力上関原子力発電所

  玄海原発のプルサーマル発電も始まる
  報道によれば、九州電力は9日、佐賀県玄海町の玄海原子力発電所3号機で、試運転によるプルサーマル発電を開始した。国の検査を経て、12月2日から国内初のプルサーマルによる営業運転に入るという。
  これには地元の反対派はもちろん、長崎の被爆者たちも抗議の声を上げた。また、社民党の福島党首も記者団に、反対の意思表示と閣内での議論を求めると発言した。
  一方、山口県熊毛郡上関町(かみのせきちょう)に中国電力が計画中の、上関原子力発電所の関係では、原発建設のための埋め工事が始まろうとしている。中国電力が計画している埋め立て予定地の長島・田ノ浦は、豊かな生態系の残る海といわれている。その工事が強行され、地元の漁民などとの攻防が伝えられている。
  中国電力の作業台船や作業のサポートに入っている地元の(推進派)漁船は、クレーンのワイヤーにつるしたコンクリートのおもりを、(反対派)漁船や(支援の)シーカヤックの頭上を通して作業を行ったり、作業阻止のために作業船に近づこうとするシーカヤックを竹の棒で突いて押し出すなど、危険な行為を続け、支援の一人が一時意識を失い救急車に運ばれた、との情報もある。
 原発は、冷却水の必要と排水のために海岸に作られることが多いが、この上関原子力発電所建設予定地は、瀬戸内海で一番きれいな海域といわれている。また一つ、海と景観と人々の生活が失われるのであろうか。
  民主党中心の新政権は、安全第一を掲げつつ、原発推進の立場であり、世界も、「クリーンエネルギー」として、復活、推進の動きに転じようとしている。
  原発は、安全で事故さえ起こさなければ、エネルギー源としてこれに代わるものはない、ともいわれてきたが、現実に事故は起きた(チェルノブイリ)し、その甚大で回復し難い惨状も見てきた。また、使用期限を迎えた原発の解体と、膨大な核のごみ(廃棄物)の処理は未解決問題である。
  原発のない時代には戻れいかもしれないが、戻ることは不可能ではない。原発事故は、防ぐことは可能かもしれないが、100%ではない。そして、原発を建設し稼働する限り、核廃棄物を出さないことは不可能である。
  そうした人類の生存にかかわる問題が、現実の政治の中では、産業経済の観点が優先し、それは「国策」という名に隠れて、万が一の事故に対して企業も国もその責任を明確にしていない。原発推進にあたっては、地域振興という税金がバラ撒かれ、自然環境、生活環境、地域社会を破壊し、子々孫々まで放射能汚染の危険性という恐怖を残すことになりかねない。
 原発から全面撤退、廃炉!という仮説で、人類の未来はどうなるか、そのシミュレーションをしたレポートはあるのかなあ。

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2009年10月29日 (木)

与党、野党、それはそれでいいが

 別世界にならぬことを望む
 鳩山首相の所信表明演説に対する各党の代表質問が、昨日の衆議院本会議であった。その国会中継を見ていたという人が、昨夜の会議で、谷垣禎一自民党総裁の質問に対して鳩山が、「あなた方に言われたくない。こんな財政にしたのは誰なんだ」と言い放ったと話題を提供して、ひとしきり話が弾んだ。
 新政権の、矛盾やもたもた、閣内不統一と攻撃材料は山ほどあるから、自民党は手ぐすね引いて構えていたであろうから、鳩山から一撃をくらったことは確かだろう。それはそれで私も“痛快”に感じたものだが、それだけでは済まされぬ政権政党の重荷は、背負ってもらわねばならない。性急に求めない「政権リレーゾーン」は、そんなに長くない。それは年内までで、年明けにはすっきり、はっきりした政権運営を、となるだろう。
 海の向こうからは、APWSL日本委員会を通して、こんな情報も伝わってきている。
「・・・野党が政権党とその指導者に対して批判的なのは当然です。しかし、オバマ政権に対する批判はとりわけ手ひどく、オバマが混血であることを嫌い、ケニヤ人の父親を持つことを厭う感情に基づいていると思われます。なにしろ、オバマが米国生まれであることを疑う『バーサー』(birther)がいるくらいですから。有名な黒人のハーバード大学教授を逮捕した白人の警察官を、オバマ大統領が批判したことに多くの白人が怒りました。しかし、このようなことは普通の有色人種の人にとっては日常茶飯事です。9月にオバマ大統領が連邦議会で演説中に南カロライナ州の共和党議員が『うそつき』という野次を飛ばしたのをご存知でしょうか?そして今月初め、オバマ大統領がノーベル平和賞を受賞した際にもマスコミの主流と保守派から多くの批判を浴びました。
 保守派は民主党と左派をいつも『反米』と非難していますが、最近では皮肉なことにその保守派こそ非常に「反米的」に聞こえます。バラク・オバマがアメリカ国民の長所と短所、そして醜い点を引き出していることはとても興味深いことだと思います。」 
 アメリカ発 10月24日 ジョン・マクラフリン

 名古屋市では、河村たかし市長と与野党巻き込んでの議会とが対立を深めている。両者の主張には一長一短があって、市民の立場からすると、どちらかに軍配を上げることが難しい。
 国会であれ、地方議会であれ、こういう場合怖いのは、与党、野党、それはそれでいいが、中傷や揚げ足取りと受け取られるようなやり取りで、別世界の「好き勝手にやっておれ」という国民・市民大衆が冷めた見方になることである。おかしな妥協は歓迎しないが、与野党の攻防の結果、なるほど、そういうことか、という結論を節目で出してほしいものである。議論を棚上げし、先送りし、現場が放置される状況が最悪である。
 せっかく政権党になった、与党の各党。不承不承かもしれぬが、野党となっていい経験を得る機会の野党各党。それぞれの覚悟と実践が「民主主義の成熟」へ向かうことを願ってやまない。

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2009年10月23日 (金)

再び普天間飛行場について

 これはアウトか、「米軍基地・竹島(独島)説」
 アメリカから見れば、太平洋の遥か向こうにある日本・沖縄に軍隊を派遣しなければならない理由は何か。台湾に肩入れしなくてはならない理由は何か。
 もちろん、第2次世界大戦とその後を見れば、答えは見えてこようが、ロシア(ソ連)、中国を共産主義国と規定して、その影響力が世界に及ぶのを危惧し、その周辺国と同盟を結び、自国から遠く離れた所に「前線基地」を置く意味はわかるが、ロシア、中国との「敵対関係」は希薄になるばかりである。となれば、在韓米軍は「北朝鮮」のこともあり、日本の事情よりも重要視されるかもしれないが、なぜかアメリカは、日本を重視し続けている。
 これは、日本自身の軍事大国化への懸念からに相違ない。それは自衛隊の次期主力戦闘機についての対応からもうかがえる。しかし、これは杞憂といっていいだろう。日本が近代化した武器を装備したとしても、海外への再侵略は考えられない。「平和憲法」があるからではない。表現を変えていえば、日本で失業者が増大しても、景気が低迷したままでも、就職先を軍隊に求め、あるいは軍需生産で景気回復を求める政権が出てくるという予想が立たないからである。福祉予算に汲々としている政府、待ち焦がれる国民、これはかなり続くであろう。防衛予算を削れ、環境負荷の大きい戦闘機、戦車、軍艦を減らせ!という声が、自主防衛論をもってする「日本の軍事大国化」を許すことはないと思うからである。
 またロシア、中国から見た朝鮮半島、日本列島、台湾は、全てミサイルの射程内であり、そこに米軍がいようがいまいがさして変わりがあるとは思えないのである。まして、どこの国であれ、ミサイルを撃ち合うという「第3次世界大戦」を誰が想像できよう。それは人類の破滅であり、国家の存在すら消滅させてしまうと、共通の認識をもっているからだ。
 こう考えると、米軍の在韓、在日の展開は縮小から全面撤退が必然的な道のように思われる。アメリカが危惧するリスクは、外交でカバーすることがよかろう。「核兵器全面廃棄、軍備縮小、民族、宗教和解、格差縮小」という方向に動いていくことは、世界経済から見ても必然ではなかろうか。
 という見通しを立てた上で、在韓米軍、在日米軍全部を竹島(韓国では独島)に集約したらどうか、である。日韓の中間に位置し、無人島であるから、漁業被害はあるだろうが、人的な被害はなさそう。もっとも、岩礁のような小さな島であるから、現状では「ヘリパッド」がせいぜいで、いっぱしの基地をつくるのはそもそも無理かもしれない。しかし、日韓共同で当たれば、空母一隻くらいの広さはとれそうだ。
 という案など箸にも棒にもかからないだろう。いや、叱られるかな。「竹島」の事情に疎いから無責任なことは言えないが、日韓の民衆が「米軍は、竹島(独島)へ行け!」といえないだろうか、米軍基地撤去運動の象徴として。(引き続き思考)

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2009年10月17日 (土)

普天間飛行場は撤去、返還すべき

 移転が前提に、疑問に思っていたが
 日米安全保障問題の焦眉の課題の一つに、沖縄普天間飛行場の問題がある。これまでは名護市の辺野古に移転する案がとり決められ、現在環境アセスメントの準備書に対する知事意見が提出された段階と聞いている。
 この辺野古沖や大浦湾は、漁場としても、また自然も豊かで、サンゴ礁が広く分布し、ジュゴンの里としても知られている。それゆえ反対運動も現在に至るまで粘り強く続けられている。
 これまでの報道や新政権でも、普天間飛行場(宜野湾市)の移転先だけが選択肢にされてきたように思うが、なぜ、撤去、返還という選択肢がないのかが不思議な気がしていた。
 今朝の毎日新聞の「闘論」で、沖縄国際大学の佐藤学教授は、この私の疑問に答えてくれた。
1、米軍にとって普天間飛行場は、日本国内で代替基地建設を必要とするほどの重要性はない。
2、そもそも普天間の閉鎖・返還は・・・米側の提案であった。米軍が代替施設として要求したのは、長さ45メートルのヘリコプター発着帯だけだ。
3、米中関係、「北朝鮮」関係からしても、在沖海兵隊の存在は限定的で、必要性は薄い。
4、普天間移設は、在沖海兵隊のグァム移転とパッケージになっていた。
 ということで、この問題は、在日米軍基地の75%が沖縄に集中していることの、沖縄県民の負担軽減という出発点に異論はないところだ。では、国内、国外に、米軍基地を受け入れるところはあるだろうか。国内でいまどきどこでも無理だろう。国外では、多分、アロヨ政権下なら、フィリピンということも考えられるが、日本国としてフィリピン政府に持ちかける話ではない。また、公害やごみの輸出に加え、今度は米軍基地までも「輸出」する気か、というフィリピン民衆の声が聞こえてきそうだ。
 核兵器廃絶の声が世界的に高まる中、それは軍縮による世界平和への道と捉えなければならない。ならば、欧州における米軍の「MD基地」見直しのように、世界的な各国の軍事基地の撤去、見直しは、優先課題の一つではなかろうか。そのために日本としては、格段の外交努力が必要であるし、基地依存経済の再建支援も欠かせない。が、何より、政府が率先して「宣言」を出し、目標のプグラム(ロードマップ)を提示することではないだろうか。そして、それを民衆(国民)が後押しするような形で。
 いずれにしても鳩山政権には、普天間の県外移転よりまず、撤去返還をもう一度検討してもらいたい。アメリカ政府との再交渉は可能であると、佐藤教授も述べている。

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2009年10月13日 (火)

空港・航空問題

前政権の愚策、ツケとの格闘
 前原国交相は、ダム問題に続いて空港・航空問題に直面している。
 新聞報道によれば、前原大臣と橋下大阪府知事の会談で、日本のハブ空港をめぐって、橋下知事が、日本の経済の先行きを考えれば、東西二つのハブ空港が必要であり、国としてその方向性を示してほしいと要求したのに対して、前原大臣は、「羽田空港の整備(ハブ空港とする)が優先」と答えて対立した。
 日本の経済力が維持され、羽田に第4滑走路ができ、24時間離着陸が可能になれば、騒音問題やそれ以上の拡張が不可能という前提があるにしろ、都心に近いこともあって、羽田がハブの役割を果たすことができる。関空との差はかなりあるといっていいだろう。そして、それをさらに後押しするのは、これまでの空港建設、航空問題である。1県1空港とかで、関西には、関空のほか、大阪(伊丹)と神戸に空港がある。あの静岡にまでつくってしまった。これは異常というほかない。できた空港に日航が採算度外視で乗り入れを強制され、大幅な赤字を抱え込んでいるという実態がある。それらを見直すのは当然である。関西空港や中部空港の拡張、格上げは、今後の経済状況を見てからにすべきであるが、右肩上がりの経済成長が見込めない以上、空港拡大路線に見切りをつけるいい機会である。
 併せて日本航空の再建問題も焦眉の課題である。ハブ空港と中心的航空会社の存在は無縁ではないというから、同時進行という局面が続く。
 ところで、羽田中心の空港整備が続くとなると、東京(成田)国際空港はどうなるのか。当面は両立政策がとられるであろうが、拡張を終えた羽田の運用が本格化すれば、必然的に成田の位置は低下する。しかも成田は、内陸空港であり、今後の拡張は望めない。
 そこで思い出したことがある。1970年代の、三里塚(成田)空港建設反対運動が最も盛り上がった時期、反対派住民と当時の運輸省との話し合いの中で、空港の建設計画を縮小して、貨物専用空港としてはどうか、といったことが話題になったと聞かされた。いまさら、そんな話は箸にも棒にもかからないが、経済状況や羽田の運用次第では、あり得ないことではない。恐れるのは、自衛隊基地か、米軍基地への転用である。
 いずれにしても、この問題には利害関係が全面的にぶつかるから解決は容易ではない。だから余計に前政権の愚策に対して批判の矢を向けざるを得ない。地元から見れば、自民党政権も現政権も「国」が相手という意味では変わらないと考えるだろうが、政策の違う政権に交代した以上、新政権がこれまでの国策の変更はあり得ると考えるのが一般的だ。
  新政権が、4年先の選挙までに解決の目途を立てようとするであろうが、この前政権の愚策、ツケがあるが故に政策的渋滞、立ち往生した時、少しは長い目で見たやりたいと思うがどうか。

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2009年9月28日 (月)

自民党新総裁に谷垣氏

 幹事長ら、人事に注目
 自民党の新総裁に谷垣禎一氏が499票中300票を獲得して、自民党の総裁に選ばれたが、「総理になれない総裁」になる可能性が高い。それを自覚してか彼は、「党の捨て石になる」と出馬の折りに語ったが、「火中の栗を拾う」という前向きで積極性があってもいいのではないかという意見もあったという。「捨て石」の意味を理解する若い層はどれほどいるかも興味があるが、「党の土台造りに専念し、次の世代には、その土台の上に、立派な家(党)の再建を果たしてもらいたい」といえば、「土台」造りのために、谷垣流のいかなる基本方針、対抗戦略・政策、人事も可能になるのではないだろうか。
 そうした幅広い「党再建」には、幹事長をはじめ党の役員人事に、政権奪還後の閣僚となる人材を据え、さらにそれに続く30代、40代の若手を「副」として登用することが肝要ではないかと思う。
 また自民党は、日本経団連、日商、同友会など経営者団体を支持基盤とし、政策進めていくという基本構造は変えられないかもしれないが、経団連が奥田碩会長時代のままであり続け、その尻馬に乗るようでは、再建は難しい。自民党をダメにした原因の半分以上は、この経営者団体であり、各界の受益者団体であったであろう。それらと縁を切っては、自民党の存在意味がなくなるであろうから、どれほどが最良の「距離感」と言えるのか、それを見つけた上で、共同体としての日本の社会の在り方、特に医療・介護・保険、年金、人と人との関係性などの社会的セーフティネットの構築。地球の資源・エネルギー問題と、国土と地球環境が連関した保全、回復への取り組み、そして、自民党ではタブーかもしれない「格差」をなくす方向性などを示せば、ひょっとして、次回、次々回の選挙で失地回復のチャンスがあるかもしれない。
 仮にも民主党政権の大失態を待望するようでは「健全野党」にもならないし、財界の「政治連盟」の域にとどまるようであれば、「民主」がとれて「自由党」という少数政党として名前だけは残るかもしれない。
 現政権が、問題なしとはいえないが、マニフェストに沿った政策を推進し、自民党が、悪しき党の過去を克服して出直せば、日本全体としては底上げされるのではないかと思う。

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2009年9月25日 (金)

八ツ場ダム問題を考える

 住民の立場を支持したいが・・・
 新政権になって、国交省が最初に取り組んだのが「八ツ場ダム問題」であるが、難しい局面が続くだろう。
 50数年にわたって賛成、反対が繰り広げられ、最終的には、代替地、地域振興などで生活保障されることで「賛成」して、工事が着工され、いよいよ本体工事だけと、そこまで漕ぎつけた揚句、「今になって中止とは、それはないだろう」という住民、自治体の言い分には、共感するものがある。「政権が変わろうとも、国との契約であり、一方的な中止は納得できない」という主張にも無理があるとは思えない。
 さあどうしたものか。
 「民主党政策集 INDEX2009」の「大型公共事業の見直し」の項では、「川辺川ダム、八ッ場ダム建設を中止し、生活再建を支援します。そのため、『ダム事業の廃止等に伴う特定地域の振興に関する特別措置法(仮称)』の制定を目指し、国が行うダム事業を廃止した場合等には、特定地域について公共施設の整備や住民生活の利便性の向上および産業の振興に寄与する事業を行うことにより、当該地域の住民の生活の安定と福祉の向上を図ります。」とある。
 この問題をさかのぼれば、そもそも計画自体に、洪水対策の効用も少なく、水需要予測も過大で、ダムの必要性はなかったが、公共工事先にありきで動きだした、という経緯があってこそ、民主党マニフェストに「建設中止」が明確にされた、という流れであろう。
 もう一つ思い出されるのは、作家でもある田中康夫(現衆院議員)が長野県知事に当選して「脱ダム宣言」をして奮迅努力したが、挫折を余儀なくされたこと。自民党政権の圧力もあったであろうが、長野五輪後の不景気にあえいでいたであろう、地元の建設業者などの巻き返しにあったのではないだろうか。
 それと、洪水対策にダムが、抜群に効果があると思い込まされているフシが、私たちの間にはあるような気がする。「ダム神話」の一つである。だから、「緑のダム」や、気候変動への対応、家庭で雨水の利用など、「脱ダム」へのプロセスが見えてこなかったところに、挫折があったように思う。
 しかし、今回の「八ツ場ダム問題」を考えてみると、新政権が「大型公共事業の見直し」として、中止することで投資した税が費用効果を発揮しないまま失われること、地元住民にまたも辛酸をなめさせることに対する国の責任は免れない、という点では、このまま工事継続が最も安易な選択であろう。
 そこであえて「中止を明言」して推し進めることによって、これまでの自民党政権の利権、特権、既得権的、税金の無駄遣い、選挙対策的国策事業を大きく転換させることができるなら、これまでもあった「八ツ場ダム建設反対」の運動にもかかわらず、「建設中止」を支持したい。
 問題は、その結果に基づく地元への対応の「完全さ」であろう。ここは代償が多かろうがしっかりやってもらいたい。このような杜撰で利権的な大型公共事業が、いかに国力を落し、強いては増税など国民生活に影響を及ぼしてきたかを知り、将来に効用をもたらせば、一時の費用(税金)加算は、容易に取り戻せるであろう。
 国の対応に柔軟性も必要だが、国のビジョン、粘り強い話し合い、費用対効果、代替保障など、新政権であればこそできることに、私たちの目が向けられ、意識される必要があるのではないだろうか。

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2009年9月22日 (火)

坂後援会のご苦労さん会

 経験は経験として今後は・・・
 選挙が終って3週間、坂さん自身は元の職場、銀行のパート労働者に復帰し、女性ユニオン名古屋、均等待遇東海の地域の運動にも復帰した。「落選」にもめげず、すこぶる元気であったことは、候補者の条件の一つをしっかりクリアーしていると見て取れた。
 その選挙を担ったメンバーによる「ご苦労さん会」が、昨日の午後名古屋で開かれた。20人ほどのこじんまりとした集まりであった。
 各自負担の「昼食会」の前1時間足らずの会合では、それぞれが感想を述べ合う程度のもので、「反省・総括」とは別物であった。しかし私は、既に「C&Lリンクス」で総括を終えていたので、その冊子を配って、総括と問題提起とした。この先、機会ごとに「あの選挙、あの時は・・・」と言葉で語られることはあっても、文書として出てくることはきっと少ないに違いない。
 私の経験では、「市民運動的選挙」で、「選挙総括」が行われ、文書化されたことは稀である。そうした運動スタイルに違和感を持っている私は、私なりの「総括」を毎回してきたが、だからといって、それがなにがしかに寄与したという感触はないから、結局同じことかもしれないと、思わないでもない。
 それはともかく、多くの党員ではない「女性運動員」の発言を集約すれば、「初めての経験、いい経験だった」「坂さんのような人が、国会に行ってほしいと改めてそう思った」「比例区だったので、坂喜代子と書けない、訴えられないのが残念だった」「次のチャンスを期待している。活躍してほしい」
 またある女性からは「街宣車で回って、票になるだろうかと思った」という、的を得た発言があったが、それを受けるようにして「中央政治の動き、メディアで(当落)が決まるような選挙になった。昔風の選挙では・・・」と男性の声が上がった。
 他に「若い人の反応は、消極的で、無関心のように感じられた」というのもあった。これは社民党の側からの仕掛けの選挙では、それもありなん、といえなくもなかろう。
 さて本人からは、「選挙をやってよかった、いろんな人に会え、多くのことを学んだ。それらは57年の人生の中で最大の贈り物を戴いた感じです。どのように恩返したらいいか・・・」「これからも労働運動で頑張って行こうと思う。女性の問題をもっともっと取り上げ、女性たちが活躍できるようにしたい」「若者たちが安心して働ける環境が必要です」「社民党(県連)の対応に苦慮しました。」「女性ユニオン、均等待遇でがんばります。またグローバルな、特にアジアの問題にも目を向け、APWSLにも力を注ぎたい」「政策骨子案をつくれるような活動をしてみたい」と。これから選挙が始まるような姿勢が印象的であった。
なお社民党から、「後援会」を、党として支えた数人が参加していたが、もっぱら「十分な支援ができなかった」と申し訳なさそうな言葉が多かった。連立政権に福島瑞穂党首が参加してはいるが、それらに関連した今後は、まだ模索中かもしれないが、新たな方向性を示す発言はわずかであった。

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