兄弟・姉妹の写真
少ないのに驚く
「詩とファンタジー」の第6号に、投稿詩「誕生日」というのが掲載されていて、誕生日プレゼントを妹が兄にせがむ情景がその書き出し。
・・・兄を困らせ 思案させ/二人で行った 写真館 家族写真は 多いけど/ご兄弟とは 珍しい/受付嬢に 驚かれ/兄は頷き 苦笑した ・・・
イラストは宇野亜喜良で、瞳の大きい少女が描かれているから、一見して10代の中高生の作品かなと思わせるが、「受付嬢」の一言で年配者と分かってしまう。作者の中村聖子氏は、50代前半の詩歴の長い人のようである。
それはともかく、兄弟、姉妹で写真館など行きもしないが、思いもしないことであった。旅行や花見、祭り見物にすら行くことはまれで、結婚式か葬儀のときの集合写真、新年会の時などに、稀に撮ることくらいしかない。
思い返して見ても、私には兄3人がいたが、二人並んで撮った写真があったかどうか思い出せない。多分ないだろう。親と兄弟が一つ屋根で暮らしているころは、我が家にはカメラがなかった時代であるし、私が自分のカメラを手にしたのだって18か19の時だった。そのころは既に、兄弟は別の生活を営んでいたから、連れ立って出かけることなどなかったわけだ。
息子夫婦に子供が二人いて、どちらかの誕生日には写真館に連れて行って、姉弟揃いで写真を撮ってくるが、中学生になる頃には、それもなくなるかもしれない。どうしてだか、それはよくわからないが、生活も行動も意識も、内(家)から外に向けての割合を多くしていくからでもあろう。
詩に書かれたような光景は、作者の遠い昔の、ひそかな願いだったかもしれない。とすれば、慕っていた兄は既に、先に逝ってしまったのかもしれないと、勝手に想像してしまった。
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