2018年12月11日 (火)

山尾志桜里講演集会(4)

 議論すべきテーマいろいろ
 山尾さんのレジュメによれば、このあと以下のように話された。4、憲法9条がすべて、ではない。その他の議論すべきテーマ。①憲法裁判所、②解散権、③臨時国会召集手続き、④同性婚、⑤その他、5、「憲法守れ」と「守らせる憲法」~あなたは「人の支配」と「法の支配」どちらを選びますか~ 6、おまけ:安倍改憲案の真実「安倍総理にとっては何もかわらないが、その他大勢の人々にとってはすべてがかわる」と続いて、質疑に入った。
 参加者にとっても中心的な関心事は憲法第9条であろうが、その他についてももっと議論、検討を深めてほしい条項があったに違いない。というのも、地域におけるこの憲法論議は、集会や講演会、学習会などが長く続けられてきていて、おそらくこの集会に参加している人の多くが、濃淡はあってもかなり“熟知”しているのではないかと推測するのである。そして憲法の前文や第9条を軸にして、現行憲法を「平和憲法」と位置づけ、これを守り、活かすことこそ「戦争への道を阻止」することである認識してきたのではないだろうか。いわゆる「護憲」の立場である。
 もっとも昨今では「護憲」対「改憲」のといった観点の議論から、「自民党の改憲草案」「安倍の改憲論」という明文改憲が前面に出てきて、護憲派の対抗論の構築が関心事ではないだろうか。そこで一石を投じたのが、山尾志桜里さんの「立憲的改憲」論だと思う。これについては部分的ではあるがすでに触れた。
 ここまでに大きな論点は書き留めたと思うので、以下はメモから拾った部分的な応答である。
① 2017年に野党が憲法に則って請求した臨時国会召集は実質的に拒否、そして大儀なき衆議院解散は、手続き上は問題ないとされるが、そのような制度なら制度を変えるしかない。
② 同性婚は憲法第24条の「・・・両性の平等」でも可能である。変えるとすれば「婚姻は、両性の合意のみ・・・」の「両性」を「両者」とすればよい。
③ 総理大臣また与党が変われば法律の解釈も変わるというのはよくない。いわば「人治主義」ではなく「法治主義」であることが「守らせる憲法」となる。
④ 安倍首相は、憲法9条に一項を加えても現行と「何も変わらない」といっているが、それは9条が集団的自衛権も自衛隊も認めているというところからスタートしていて、首相が見ている風景と我々が見ている風景とは違うものなのだ。
⑤ 世論(国民の意識)には「3:4:3」という傾向がある。政府のやること何でもOKと、ダメのものはダメという層それぞれが「3」で、「4」は、どっちつかず、その時の流れで決める、いわば賛否双方の争奪ゾーンということになる。
⑥ 民主党時代の失敗の“トラウマ”が残っている。立憲民主党はそれ教訓としながら、乗り越えていく党だ。
⑦ 「駐留なき安保」も考えてもいいのではないか。
  その他多数の質疑あり。
 私が感じたこと
 最後に私の感じたことを書き留めてまとめとしたい。
 憲法に関する議論は、前文と条文の解釈とその成り立ちから始まり、様々な事案に沿って司法の場で争われ、国会の場で議論が戦わされてきた。そして私自身は法学的な学習に乏しく、労働運動、市民運動の現場で法律、判例と向き合ってきたが憲法に照らして違憲、合憲を争った事案は少なかったように思う。憲法と向き合う時はともすれば「日米安保、基地・沖縄問題」また「靖国、自衛隊・軍拡・海外派兵」などの政治的課題と、「思想差別、日の丸・君が代、報道の自由」などの基本的人権、自由、さらには生活と直結するような問題意識が必ずしも一体的であったとは言えない。
 しかしいささかも進展しない沖縄問題、靖国問題などから近年の盗聴法、共謀罪、安保法などの「戦前回帰」への道が現実化するに至って、憲法、政治、社会、生活、個人が、一線上に並んで私を取り巻いている気がしてきた。
 当面は安倍政権退陣(打倒)を求めるが、安倍退陣後も与党内の安倍路線は継承される可能性は高い。憲法改悪阻止は、まず2019年の参院選挙で与野党の議席を逆転させる、次の総選挙で政権交代を実現するというのが常道だ。そのためには「野党共闘」は欠かせないが、だからといって「野党横並び」といった陣形(鶴翼の陣)が良策とは思えない。私はやはり立憲民主党を軸にしたいわば「魚鱗(ぎょりん)の陣(△)」のような結束した闘いがいいと思っている。
 ともあれ、安倍政権のもとで「明文改憲」が突き付けられている現実に山尾さんが「立憲的改憲」を提起し、国会での論戦にも挑んでいることの意義は大きい。この集会においても、非常に中身の濃い、多岐に亘った内容であったし質疑応答でも山尾さんはきっちりと答えていた。
  私的な面であれこれ言われてはいるが、そのことで潰されることがあってはならないと思うし、これから正念場を迎えさらに前進し続けてもらいたい立憲民主党のエースとして大いに期待していいという感想を持ったのだった。
  山尾志桜里著「立憲的改憲 ― 憲法をリベラルに考える7つの対論」(筑摩書房)を精読したい。 了。

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2018年12月 8日 (土)

山尾志桜里講演集会(3)

 9条関連についての立憲的改憲
 3番目のテーマは「9条関連についての立憲的改憲のコンセプト」である。これについて山尾さんは①憲法解釈の本質部分の明文化、②裁判所の積極化、③日米関係の正常化である、の三つを挙げた。
 日本国憲法が5000ワードと簡潔であることは述べた。だからという訳ではないがいわゆる「解釈改憲」という手法というか邪道がまかり通ってしまっている。安倍首相はそれをまた解釈から明文化へ、例えば「自衛隊の明記」にこだわるのである。憲法条文をどのように言葉として語句として明記しようと、それをまた勝手解釈すれば元の黙阿弥である。そこで山尾さんは、憲法第9条について「改正試案」を提起した。条文は省くが、現行の9条1項、2項を存置する。その上で、追加条項において旧三要件を明記して自衛権の範囲を統制する、とした。ちなみに武力の行使の「新・旧三要件」を明記しておくと、
●武力の行使の「新三要件」
・我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること
・これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと
・必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと
●武力の行使の「旧三要件」
・我が国に対する急迫不正の侵害がある
・これを排除するために他の適当な手段がないこと
・必要最小限度の実力行使に留まるべきこと
 それでは「自衛権」「専守防衛」とはいえ「必要最小限度」とはどこまでのことか、歯止めはあるのか(大脇雅子氏の発言)は、議論の余地はある。ちなみに大脇さん(元参院議員、現弁護士)は、「武力で平和は作れない」という立場を強調されている。
 さて三権分立といいながら、司法における、裁判官の任命権は実質的に内閣が握っている。このように司法の人事権に対して内閣の影響力が強いことが,違憲立法審査を難しくしている。そこで「憲法裁判所」設置もよく話題にはなるが、先に述べたように人事権を内閣がもっていれば、現状と変わらない。また最高裁の中に、憲法判断する独立した組織を持つという案もあると聞くが詳細はわからない。いずれにしても違憲、合憲を判断する独立した中立機関が必要であることは確かであろう。
 三つ目の「日米関係の正常化」については、日本国憲法の上を行く日米安全保障条約という国の成り立ちの根幹にかかわる問題が横たわっているが、それをひとまずわきに置くとして「地位協定」の問題が焦眉の課題であろう。これは正式には「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定」といい、略して「米軍地位協定」というのである。
 沖縄米軍基地問題或いは全国の米軍基地問題にとどまらず、日本列島全域で米軍が我が物顏で闊歩し蹂躙するのはこの「地位協定」という「治外法権」的存在である。世界に展開する米軍の基地を抱える他国の例をとっても、日本ほど主権が損なわれている例はないとされ、その弊害は与野党問わず認識されてはいても、いささかも改定されないのはなぜか。基本に国の安全保障、経済依存等について自民党政権の「米国追従」政策がある。加えて地位協定改定はできない(難しい)との説もあるが、そもそも改定に取り組んでこなかったというのが実態である。
 文字通り「日米関係の正常化」とは、この地位協定の改定に正面から取り組むことであろう。「北方4島返還」も、この地位協定(現況は、北方4島に米軍基地建設が可能)がネックになっていることは言うまでもない。 
(続く)

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2018年12月 4日 (火)

山尾志桜里講演集会(2)

 安倍総理の軽薄な言い訳
 2番目のテーマは、「安倍総理の3つの言い訳」とあって①憲法には書いてない、②違憲判決なんて出ない、③アメリカにあらがえない、である。メモが取り切れておらず正確さを期することは困難であり、乱雑であるが思い返してみる。
 まず世界各国には憲法があり、そのワード数(英単語)を見てみると、日本国憲法は約5000ワード、最多はインドの13万ワードといわれている。そのことは、憲法で法律のような細部まで取り決めていれば当然多くなるということだ。話にはなかったが、それは国家の成り立ちが、多民族国家であり、多宗教が入り混じり、戦争・併合の歴史をもって来た国では、解釈の違いによる混乱を防ぐために様々なケースを想定して多くの取り決めをした結果、ワードが増えたのではないだろうか。
 翻って日本の場合、明治以前は聖徳太子の一七条憲法、律令制度、中世の(貞永)式目というのもあった。江戸時代では武家諸法度、○○令という程度の規範、法的なものはあっても、現在に通ずる「憲法」は明治時代になってからである。
 それらから読み取るとすれば日本の場合、幕藩体制から明治になって列強に伍していくための富国強兵、殖産興業の政策の下、中央集権国家となり、帝国主義、軍国主義の「近代化」への道は、「天皇制」「権力の恣意的行使」「上意下達」の国家体制として維持された。一方で「民主主義」の芽生えは、敗戦後の「日本国憲法」の制定を待ってからであり、それまでは「和を以って貴しとなす(聖徳太子)」みたいに争いを法で律するのではない、そんな「風土」が日本国憲法の5000ワードになっている背景ではないだろうか。
 まさに安倍首相は、この「憲法に書いてない」ことを理由(悪用)にして、既成事実と勝手解釈をもって悪法成立に血道をあげてきたといえる。例えば憲法には「専守防衛」と書かれた文言はどこにもないといい、だからといって「集団的自衛権行使」が容認されるということにはならない。
 安倍首相はそうした手法をフル活用して、明らかに憲法が予定してない法案(憲法違反)を成立させているが、それもこれも「憲法違反」と判断する制度がないのも一因である。あるいは山尾さんはこうも言っていた。「私たちは教科書で憲法の、三権分立という正三角形を学んできた。今や司法と行政が接近して2等辺三角形になっている」「仮に憲法裁判所が出来ても、その任命権を内閣が掌握している限り、現状は変わらない」と。
 次にこういった説があるという。「長期政権を維持しようとすれば、アメリカの意向に従わなければならない。つまりアメリカには抗えないのだ。短期政権に終わった内閣はアメリカによって潰された」と。民主党が政権を握ったが、鳩山内閣が1年足らずで崩壊したのは、「普天間基地は国外に、最低でも県外に」が、日米両政府の合意に反するものであったからで、虎(アメリカ)の尻尾を踏んだからか。
 ここまででいえることは、安倍首相は長期政権をめざしているが故に「アメリカ追従政策」に腐心。そして「安倍総理は決して『保守』などではない」と山尾さんは指摘した。
 参考までに「保守は人間理性に懐疑的なので、近代的理念をそのまま現実社会に組み込むことを警戒する。だから、伝統を擁護する。保守とは本来『常識人』のことなんです。一方、新自由主義は、近代的理念である自由を絶対視する。自由を阻害するものを敵視するので、反国家的になります。」(適菜 収・日刊ゲンダイ12月3日)
 (続く)

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2018年12月 2日 (日)

山尾志桜里講演集会(1)

 国会の憲法論議のスケジュール
 12月1日の午後、名古屋で「第18回リベラル政治懇話会-山尾しおり さん おおいに語る」という講演会があって、会場満席の50人余りの人が参加した。山尾さんの講演タイトルは、「権力を統制する『立憲的改憲』」である。
 山尾志桜里衆院議員(立憲民主党)は、冒頭に国会議員として三つの課題を重点的に取り組んでいるとした。それは「1、憲法問題、2、皇室問題-皇位継承、3、子どもの問題-待機児童」であり、今日はそのうちの「憲法問題」を軸に150分にわたって講演と質疑応答が行われた。
  国会-入管法
 最初に、現在開会中の国会の状況について、とりわけ「入管法」の中身も審議も答弁も、全く立法府としての体をなしてない状況が山尾さんからリアルに報告された。この入管法(出入国管理法)は、財界からの強い要請があったであろう深刻な人手不足への対応のため、政府が外国人受け入れ政策を大きく転換しようとしているものである。しかも来年度(4月1日)から施行したいということが先にあって、法案の中身は文字通りがらんどうなのだ。例えば①外国人を受け入れる産業分野が不明確。②5年間の受け入れ見込み人数が示されていない。③外国人に求められる技能の水準とはどんなものなのか。④受け入れ環境の整備方針がないではないか。⑤不当な給与天引きの防止が講じられていない。⑥悪質仲介業者を排除する仕組みが示されていない、というような主な課題が入管法改正案に明記されていないのである。安倍内閣は、それらは省令、政令、通達で示すというが、国会を軽視し、立法の重みを自覚しない、まったく軽薄な国会に堕してしまった与党の責任は重い。(安倍首相は、国会運営の上で多くの不文律、暗黙の了解とされるものを無視してきたといえる)
 憲法論議のスケジュール
 さて本題に入る。安倍首相の頭にあった「改憲スケジュール」の当初は、「発議は2018年の通常国会終盤か、秋の臨時国会、国民投票は2018年末か、2019年春までを想定している」といわれる。それは、2019年には、天皇退位や代替わり(4月30日~5月1日)、3月下旬から4月上旬の統一地方選挙、7月の参議院議員選挙など重要日程が目白押しのため、安倍首相が唱えるオリンピックイヤーの2020年に改定憲法を施行するためには、この日程以外にない」ということだった。現在は今臨時国会で憲法審査会を形だけでも開いてそれを足掛かりして、当初スケジュールに乗せようとしたが、例の下村博文発言「野党は職場放棄(11月9日)」だけでなく、安倍首相は、衆議院憲法審査会の与党筆頭幹事に新藤義孝元総務相、幹事に下村氏と「腹心」2人を起用して石破氏ら外したことで、それまで積み上げてきた与野党の衆議院憲法審査会の流れが淀んでしまっている現状があろう。かくして公明党の北側一雄副代表をして「来年の発議なんてとんでもない」と言わしめ、かの下村氏までが「やりたいけど難しい~」とぼやいたとか。
 山尾さんは、この話に中であったか、もう少し後での話の中であったか「よく“安倍改憲は許さない”といわれるが、例えば来年の参院選挙で与党が3分の2を割ったとして、安倍が退陣しようが、改憲発議が出来なくなったとしても、それで安心していいものではない・・・」という発言が、私の中に残っている。それは安倍も石破も変わるところはないと思っているし、憲法違反と思っている「安保法」が現憲法のもと成立してしまう現実がある限り、(さらに言えば、日米安保、地位協定が現状のままである限り)この憲法問題は何も決着しないと思うからである。
 ということで、今日はここまで。
(続く)

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2018年9月25日 (火)

朝鮮半島情勢と日朝関係の講演会

  東京新聞論説委員・五味 洋治 氏
  日朝教育・文化交流をすすめる愛知の会主催の「日朝の対話をはじめよう」を副題とする講演集会が開かれた。
 五味さんは、長野県茅野市生まれ。1982年、早稲田大学第一文学部卒業。1983年に中日新聞社東京本社(東京新聞)へ入社し、川崎支局、文化部、政治部を経て、1997年に大韓民国の延世大学校に語学留学。また1999年から2002年までソウル支局に、2003年から2006年まで中国総局に勤務。また2008年から2009年までフルブライトフェローとしてアメリカ合衆国のジョージタウン大学に在籍する2012年より東京新聞編集委員を務める、という経歴の持ち主。
 話は、パワーポイントを使って行われ、聞いている限りではわかりやすいものだったが、こうして書きとめようとすると、なかなか前後が繋がらない。
 五味さんは、今年に入ってから4月27日、6月12日、9月9日、9月18~19日と「南北会談」「米朝首脳会談」という衝撃的な展開があって、まず「南北首脳会談と今後」というテーマから入った。これは事実上の終戦宣言といえるもので、南北の信頼関係が出来ていてのこと。特に「一つの民族を確認」した言う文言は大きいと五味さんは指摘した。そうしたムンジェイン大統領の政策は、韓国世論も肯定的であるという。
 ではそもそもの1950年6月に始まった「朝鮮戦争とは何か」であるが、詳細は省くが「カイロ宣言」の中の「朝鮮を解放,独立させる決意を有すること」によって、朝鮮は信託統治されることとなり、38度線を境界として、北半分をソヴエトが、南半分をアメリカが信託統治することとなったことがあげられる。そしてこの戦争では民間人も含めて共和国(北朝鮮)、韓国、中国、アメリカを中心とした連合国軍合わせて約300万人の死者を出し(五味さんは500万人とした)、また1千万人の離散家族を生み出したとも。
 この戦争で日本はどうであったか、それは戦後の日本を大きく変えた戦争だったといえるという。日本人船員を動員しアメリカ兵や武器輸送、掃海などの後方支援と、国連軍の補給基地として経済を立て直した経過があったが、敗戦後の日本軍を解体し、戦後の日本を無力化するというそれまでの政策を転換し、自衛隊の前身である「警察予備隊」を創設して、アメリカにとって「信頼できる仲間」に仕立てていった。それは敗戦で生まれ変わって平和国家となった日本だが、国内に米軍基地を抱えるという矛盾を残した。
 それでは「休戦協定」のまま、なぜ「終戦」とならないのか。まず朝鮮半島に「国連軍(実質米軍)」が結成されていて存在していることが挙げられる。その国連軍の役割というか行動には、中国に対しても有効とのことである。ちなみに朝鮮有事の際には、米軍は日本国内の7つの基地から出撃可能とのことである。
 話の終盤は、最大の焦点である「終戦宣言」のゆくえである。共和国は積極的だが、アメリカは核問題の完全解決を求めているが、在韓米軍、在日米軍と中国の動向も視野に入れた東アジアにおける軍事的プレゼンスも欠かせない要素であろう。
 最後に、ここまで「南北会談」「米朝首脳会談」が進展する中で、蚊帳の外の「日本」はどうなのか。安倍首相は「拉致問題」を中心に据え、アメリカ追従政策ばかりで二言目には圧力、圧力としか言ってこなかった。しかし五味さんはこういうのである。「日朝関係に進展の可能性も」と。それは、安倍が「日朝首脳会談」を口にするようになったのもその一つだと。また任期中に拉致問題を自分の手で解決すると断言した以上、圧力一辺倒では埒が明かないということでもあろう。
 そして五味さん締めくくりに、日本の役割、やるべきことをいくつか挙げた、「日本は平和構想を発表せよ」、それは、北東アジアの非核兵器地帯構想であり、「鉄道」で連結する経済圏構想であり、「平和協定」をめざして多国間で協議体をつくるなどである。いずれにして安倍政権は、単なる傍観者であってはならない、まして交渉の足を引っ張る行動はするな、というのであった。
 なお質疑応答では、4月20日の「日朝議連」の動きの評価。「戦後補償の問題をどう考えるか」「平壌宣言の問題点は何か」「日本を含む北東アジアの安全保障体制はどうなる」「高高度迎撃ミサイルシステムTHAAD(サード)の問題をどうとらえるか」「拉致問題で安倍がやるべきだというが、安倍では駄目じゃないか」「トランプ大統領は信頼できるのか」などが出た。五味さんの回答は省略。


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2018年9月22日 (土)

高野 孟講演会が開かれる

 立憲・リベラルの政策の端緒に
 自民党総裁選直後の、時宜にかなった「政治講演会」に80人余の人が、高野さんの話に聞き入った。
 主催がリベラル政治懇話会ということもあって、近藤昭一衆院議員、石田芳弘元犬山市長・元衆院議員の共同代表に加えて、赤松広隆衆院議員も顔を見せていた。
 高野さんの話は、幾つかの節目があったが、メモしきれなかったから、断片的に書き記す。まず何といっても自民党総裁に安倍3選、から入ってその総裁選の過程で散見された「閣僚辞任圧力」とか、地方議員への「反石破、安倍への支持圧力」などの醜態の実態が暴露された。そして党員票で石破が約45%を獲得したことで、安倍圧勝の構図は崩れ、党内にかなりの不満、不人気の存在が明らかとなった。安倍の4選はないから、これからは「レイムダック」(いずれ終焉を迎えることが明らかで、いわば死に体)の始まりとなる。そこで、2019年の統一地方選挙、参院選挙を迎え、その結果次第では、3年の任期を全うできないこともあり得る。
 そこでこれからの安倍の「仕事」はなにか。「憲法改正?」確かに安倍はそう言い続けている。しかし、「集団的自衛権」容認を盛り込んだ安保法の成立によって、「アメリカからの圧力」はなくなって、憲法改正の緊急性はなくなった(安倍と田原総一郎の会談)。公明党も「(安倍の)9条改憲」に積極的ではない。むしろ「日本会議」などの右翼的政治勢力からの、アメリカを利用しての武装化を目指す「戦前回帰」に押され、他に大きな仕事もない安倍は、「憲法改正」やらざるを得ない?という状況だと高野さんは指摘した。
 また経済政策については「アベノミクス」は「円安、株高」程度で失敗続きである。それが分かっているから安倍自身は「この問題に触れられたくない」というのが本音だそうだ。また次々と新しい「矢」を用意したものの、放たれた「矢」はないし、この先の見通しも立っていない。2019年秋の消費税増税についても、三度延期か景気の下降を覚悟して実施するかの選択は、この10月にも決めねばならないという。どうなるか注視したい。
 2019年に予定されている大きな出来事にもう一つ「天皇の交代」がある。これについて高野さんは時間を割いて語ったが、「天皇制」一般だけでなく、彼の「心情」が吐露されて、ちょっと意外に感じた。また「明治から150年」の話の中で「薩長連合」のこととか、「あの吉田松陰はテロリスト」と言い切ったところは、私は「?」と思った。その先の話はなかったが、想像すれば、吉田松陰の「松下村塾」の門下生である、伊藤博文、井上馨、木戸孝允、山縣有朋、山田顕義ら長州藩士らが中枢にいた「明治政府」の否定的部分を指してのことだと思う。幕末から明治にかけての「歴史観」は、司馬遼太郎に代表される説がこれまで有力であったが、次第に当時の状況が明らかになるにつれ、正反両面が語られているのが現状ではないだろうか。「吉田松陰はテロリスト」はその一部であり「皇国史観」「アジア蔑視」も聞かれるが、列強の圧迫下での政治の舵取りで、伊藤博文、井上馨、木戸孝允、山縣有朋、山田顕義らの仕事は、当然全否定とはならない。やはり「現在に活かす」更なる検証・研究課題であろうと思う。
 さて今後の政治的展望について、安倍の「レイムダック」化はそれとして、「明治から150年」を振り返るとき、前半の75年は、いわば「第1回近代化」といえる時期で、結果的には戦争の時代であり、失敗といえる。後半の75年といえば「第2回近代化」の時期で、アメリカ一辺倒であり、これらはいわば「大国主義」といえるもので、いずれも失敗だったというのが高野さんの分析。
  ではこれからの日本はどうあるべきか。リベラル派は、その展望を出さねばならない。大国主義・国権優先から小国主義・民権へ移行すべきではないか・・・。(この議論は、展望を示す話の序である)
 質疑に入って、いわば「リベラル的経済政策とは?」についての質問。「市場原理型」ではない「北欧型福祉社会」もその一例あるが、問題がないとは言えない。経済政策はひとことでは片づけられない課題である。
 次に「政権交代」を目指していくが市民として何をすればいいのか、消費税をゼロに、所得税は累進課税に、法人税減税をやめて元に戻す、というのはどうかという質問。高野さんは、消費税は、ヨーロッパでは「付加価値税」として広く採用されている。また直接税(所得税、法人税、住民税など)と間接税(酒税、たばこ税、揮発油税など)の関係(直間比率)もあり、消費税ゼロがベストともいえない。国として政策的選択にかかわる。最近「べーシックインカム」が話題としてあるが、現実的かどうかは別として一つの形であろう。
 最後に、国家体制についての質問があった。一言で言えば、「中央集権国家(一極集中)」からの脱却といったところか、質問者は「幕藩体制」を例にしたが(聴き間違い?)、権限の地方への移譲、例えば、最近は話題にならないが、「道州制」もその一つだろう。つまり、地方を再生していく、それは最末端の自治体に権限を渡していく。例えば、村で足りない所は県が補完する、県で足らない所は道州で補完する、道州で足らない所は国が補完する、いわゆる「補完性原理(サブシディアリティ)」という方法である・・・。
 ここまでであるが、話が難しい面もあって、私の理解不足、誤解もあるかもしれないが、重要な要素を含んだ講演と質疑の時間であった。リベラル派=立憲民主党の政策論議の高まりが必要と感じた集会でもあった。

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2018年9月17日 (月)

朝鮮半島情勢、日朝関係の現在

和田春樹講演会が開かれた
 「韓国併合100年」東海行動実行委員会主催の「日朝平壌宣言16周年 なくそう偏見 つくろう信頼と友好 今こそ日朝国交回復を!」という講演会とデモ行進が名古屋で取り組まれ参加した。100人弱の参加であった。
 私たちの年代の仲間の間では、市民運動家でもあり、韓国の民主化運動において、特に金大中救出運動において広い関心を持っていたといわれる和田春樹さんを知らない人は少ないだろう。ちなみに1938年生まれ。東京大学名誉教授。専門は、ソ連史・ロシア史・現代朝鮮研究。
 集会の大枠では、2002年の小泉訪朝「日朝平壌(ピョンヤン)宣言」を一つの起点として、2017年の「南北会談」「米朝首脳会談」までの、朝鮮民主主義人民共和国(共和国・DPRK 、北朝鮮)を取り巻く状況を知り、安倍首相の“圧力、圧力、圧力”の一辺倒ではなく、東アジアの安全保障、善隣友好関係、日朝国交正常化を通して、相互信頼をつくっていこうという趣旨であった。このあたりのところの集会の呼びかけは次のようなものだ。
 「歴史的な4.27南北首脳会談、6.12米朝首脳会談が行われ南北関係改善、朝鮮半島の非核化協議、米韓合同軍事演習の凍結、米兵遺骨返還作業の進展など動きが見られている。『圧力一辺倒』の対北朝鮮政策を唱えてきた安倍政権は、ここにきて金正恩朝鮮労働党委員長との直接対話に軸足を移している。しかし、経済封鎖と圧力、植民地支配など侵略の歴史の美化、偏見と差別を続ける安倍政権では、未来は見えてこない。
  日本政府は、2002年9月17日朝鮮民主主義人民共和国との間で、平壌宣言を締結した。日朝国交正常化の早期実現、植民地支配によって与えた多大な損害と苦痛の反省とお詫びをこの宣言の中で表明した。だがそれ以降、日本政府の態度は真逆の道をたどっている。」と。
 状況は、一方に中国とロシアそして対極にアメリカ。その間に「共和国、韓国、日本」が位置するが、「南北会談」「米朝首脳会談」によって日本は蚊帳の外に置かれている。このことは、拉致問題にしろ、核・ミサイル問題にしろ、話し合いのテーブルさえ用意できなくさせているのではないか。仮に、安倍首相が「日朝首脳会談」を望んだとしても「拉致問題解決なくして国交正常化なし」を固持している限り、正常化への道は開かれない可能性が高い。共和国側からみれば、「朝鮮植民地支配の清算」「朝鮮戦争準参戦国(日本)の立場の終結」「在日朝鮮人、在日朝鮮人団体への攻撃・圧力(ハラスメント)問題」が優先課題であって、当面は「日朝平壌宣言」から仕切り直しということではなかろうか。
 このような膠着状態の日朝関係の打開について和田さんは、「米朝交渉への協力の提案」として、米国が共和国に安全の保障を与えるために日本は①沖縄の米軍基地の全面撤去。②佐世保米海軍基地の撤去。③朝鮮戦争終結会議への準参戦国参加、を挙げている。さらに、朝鮮半島の全面非核化を実現するために、①日本の核兵器製造能力の完全除去(プルトニウム問題の解決)。②日本に対する核の傘の返上。③核兵器禁止条約への参加。とした。
 この和田さんの提案は、基本的なことを示したものと考えられ、現実論に立つと安倍政権、自民党政権のもとでは不可能といっていいのではないか。どうしたって「政権交代」があって、なおドラスチックな政策転換が必要となる。
  そのスピードに日本全体がついていけれるであろうかとの不安は残る。言葉以上に大きな課題だ。
 ここまで書いて、私の中ではうまく整理できていない(当然だろうが)。日朝・日韓問題、対中国・ロシア問題を含む東アジア全体を見て、それと日米関係を重ね合わせてベストの「環太平洋の政治(答え)」を引き出すのは、まさに政治力である。とりあえず私の仕事は、その政治を担える政治家を送り出すことであろうと思う。そしてささやかな冊子を通して、ミニコミの情報を伝えることであろうと思っている。

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2018年8月25日 (土)

「線量計が鳴る」中村敦夫の朗読劇

 元・原発技術者のモノローグ
 豊田市で開催された中村敦夫の朗読劇「線量計が鳴る」を観に(聴き)行った。最前列の本人の前に席を取ることができたので人一倍、感激(観劇)できたと思った。なお前日に名古屋でも開催され満席とのことだったが、今日の会場は約250席、ここでも満席であった。(実行委員会は、市政改革・とよた市民の会とGreen maman)
 まずこの企画の背景、内容の流れを見ておくと、「自らの足で取材をし、3年がかりで脚本を書き、たった一人で舞台に立ち、語る。原発の問題に真正面から向き合ったこの作品は、政治家、ジャーナリスト、作家としても活躍してきた俳優・中村敦夫さんの『表現者としての集大成』であり、ライフワークでもあります。
 背景のスクリーンにデータや専門用語が映し出され、基本を知ったうえで原発を考えることができると高い評価を得ています。」(他県別会場のチラシから)
 この朗読劇は、「啓蒙演劇」というジャンルに入る。情感に訴えて感情を揺さぶるのではなく、問題を指摘し観客を覚醒させ、新しい視野を提供する(チラシから)。15分の休憩を挟んだ「一幕四場」約2時間の公演で、元・原発技師だった老人のモノローグ(独白)として展開していく。
 (ピッ ピッ ピッ 線量計をかざしながら、一人の老人が登場)
一場:原発の町で生れ育ち原発で働き、そして原発事故ですべてを失った主人公のパーソナル・ヒストリー(個人史)
二場:原発が作られ、日本に入ってきた事情。原発の仕組み。福島事故の実態。(15分の休憩)
三場:主人公のチェルノブイリ視察体験。被曝による医学上の諸問題と現実。放射線医学界の謎。
四場:原発を動かしている本当の理由。利権に群がる原子力ムラの相関図。

 さてこの一人の老人-主人公は、原発の町で生まれ育って原発で働き、原発事故で全てを失った元原発配管技師。中村さんは福島第1原発事故後、チェルノブイリ原発事故が起きたウクライナや福島を取材で訪れ、多くの人への聞き取りなどから主人公を作り上げた。老いた元原発技師のたどった悲劇が福島弁でぼくとつと語られ、「原子力ムラ」の利権に群がる人々を告発する。(公式H・Pから)
 確かに“・・・でねぇべか”が、強い印象のある「反原発」といった言葉を和らげるような、庶民の感覚、目線で説かれているような、つまり原発の問題は、国家的問題、傲慢な企業(東電、電事連)の大罪であり、反原発運動は、特定の人たちのものではない、ここにいる「私たち」の、今の今の問題ですよ、とそれがすっと落ちてくる気がするのだった。そして何より、この「原子力発電」の問題点が網羅されているから、その鳥瞰図を見ている気さえしたのだった。
 最後に、印象に残った言葉として、「原発は覚せい剤みたいなものだった」「ホアンインアホ(保安院阿保)」の回文に会場に笑いが広がった。
 また、~原発を推進する考え方は「オウム原発真理教」と捉えると分り易い。その表の教義は「核燃料サイクル」。永遠にタダでエネルギーを作り続けることができるというマジックの信奉だ。そして裏の教義は「ボッタクリ」、それを操っているのは「原子力ムラ」「原発マフィア」あるいは「六角マフィア」だ。~(ある投稿から)
 この朗読劇をライフワークとする中村さんは取材に「原発事故が起きるまで、日本は安全神話に毒され、事故後は誰も責任を取らない。この国への公憤、義憤を込めて演じたい」と話したと言われる。
 見逃した方には、次の講演がある。
■津市(三重県)公演
日時:2018年11月1日(木) 18時30分開演
会場:三重県総合文化センター小ホール
チケット:全席自由 前売 1500円/ 当日 1800円/ 高校生以下 1000円
主催:「線量計が鳴る」津公演・上演準備会TEL・FAX:059‐224‐4495(濱口)
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2018年7月21日 (土)

沖縄・山城博治さんが来名


 辺野古埋め立て前の、緊張感高まる
 「戦争をさせない1000人委員会あいち」主催の「辺野古新基地建設反対 山城さんらの裁判勝利7.21集会」が、名古屋で開かれた。
 タイトルだけからは、これまでのスタイルとあまり変わらない「沖縄連帯集会」のようであるが、実際はかなり違っていた。
 例えば、第1部では、歌と音楽「つなげよう民衆の力を」という歌舞の舞台が用意されていた。その1が、韓国の舞踊で「東海朝鮮歌舞団」と「文芸同東海支部舞踊部」のみなさんがあでやかな舞踊を見せてくれた。次に沖縄・三線で奏でる「わしたユンタクまいふなエーサー」歌と、種まきから収穫までを表現した舞踊。最後に「出前ユニットぽこあぽこ」の沖縄の闘いを中心にした歌。これらが会場の一体感を生み出し、結果として山城さんの登場の舞台の盛り上げの役割を果たした。
 私は30分前に会場入りし、会場中央、前から5列目辺りに席を取った。いわゆる「S席」である。山城さんのお顔も声もしっかりとらえることができた。
 それにしても・・・といっては失礼というか、思い違いも甚だしいといわれそうだが、壇上の山城さんは、思っていた以上に若々しく見えた。声の張りは「セミプロ」級だと思った。というのも、2015年6月23日、沖縄慰霊の日に、糸満市・魂魄の塔横で開かれた国際反戦集会で、その年の2月22日、山城さんはキャンプ・シュワブ前で抗議中に逮捕され、その後体調を崩して入院中であったが、この集会には何としてでも出なくちゃならないと(医者の許可を得て)駈け付けたその時は、抗がん剤の影響もあったであろう、元気ではあったが、やはり入院中であったこともあり、今日ほどの若々しさはなかったという、そんな記憶が残っていたからである。
 それにしても・・・がもう一つ。山城さんは、辺野古新基地建設反対運動の経過、現状、翁長知事のことそして沖縄の未来のことまで話されたが、その合間に“喝!”のような気合を入れたが、前席にいた私などその力の入った一声に思わずドキッとしたものだった。そして、なんと自ら作詞した「今こそ立ち上がろう」を歌い出すのであった。
  それはまるで「一人芝居」を演じているようであった。これを見ていて、山城さんは既に病魔との戦いに勝利していたのだと実感したのだった。
 山城さんの話は書き留められなかったが、幾つか記憶をたどると、まずキャンプ・シュワブ前の座り込みは続いているが、この闘いは若い人(20代から50代の中年層まで)の参加が少ないが、後世に伝える闘いでもあること。翁長知事は7月23日に辺野古埋め立て承認を撤回することを表明したこと。それとの関連で、8月17日?に埋め立てが始まるかもしれないから、8月6日から8月10日に第一波の、8月16日に第二波の座り込み行動を行い、さらに県民集会を開催し、翁長知事の「辺野古埋め立て承認を撤回」正式表明を支えるとした。
 安倍・中央政府の暴力と民意無視に対抗する全国運動・・・ネットに席巻されている若者が多いが、ここは「がんばれ!黄金のシルバー」「輝け!シルバーたちよ」と呼びかけたい。
 その他壇上には、主催者挨拶として、飯島慈明さん。衆院議員近藤昭一さん、閉会・まとめの挨拶を大脇雅子弁護士。また事務局から詳細は不明だが、沖縄現地行動と連動した「8・11集会」が提起された。
  そして最後に“がんばろう!”ではなく、全員で「今こそ立ち上がろう」を歌って散会した。
 

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2018年6月24日 (日)

極東最大級化した米軍基地・岩国から

 不戦へのネット第 2 回連続講座
 不戦へのネットワーク主催、連続講座「日米安保最前線 どこまで進む軍備拡大・同盟強化」の第1回は去る5月20日、「武器輸出反対全国ネットワーク代表」の杉原浩司さんを迎えて「おかしいでしょ、9条あってこの軍拡」のテーマで開かれた。
 今日の連続講座第 2 回は、「 極東最大級化した米軍基地・岩国から 」をテーマに田村順玄さん(岩国市議/ピースリンク広島・呉・岩国共同代表)の講演があった。田村さんは、「ピースサイクル全国ネット」の「応援団」のお一人であり、そのお名前はかねてから知っていたので、開会前にあいさつに伺った。
 講演の内容を大雑把にまとめると「極東最大級化した米軍基地・岩国とそのアジア戦略」「基地の変貌と市民」「市議会の動向」「沖縄の基地・辺野古計画と岩国の類似性」「田村順玄さんの奮闘」といったところであろうか。
 滑走路を1000メートル沖合に移設すれば、騒音もかなり改善されるだろうという市民の希望、期待は、あっさり裏切られた。埋め立てられた213ヘクタール、40%広くなった岩国基地は、61機の米艦載機と海兵隊機を含む120機を超える軍用機が配備され、さらに海上自衛隊の航空部隊の40機が加わり米軍と自衛隊の共同体制が整った。
 厚木基地から移ってきた艦載機の訓練FCLP(空母艦載機の陸上離着陸訓練)、CQ(空母着艦資格取得訓練)の騒音は相当なものだ。問題のオスプレイも毎日のように飛来してくるという。
 沖縄の米軍基地の辺野古新基地建設と岩国基地の機能強化は、朝鮮半島、大陸と向き合うアメリカの、東アジア戦略の最前線ということになる。京都府京丹後市袖志(経ヶ岬)にあるアメリカ軍(在日米軍)の経ヶ岬通信所が新設されたXバンドレーダー(マイクロ波を使用したミサイル防衛用早期警戒レーダー)も、その一環であろう。
 そして田村さんは指摘する。最終的には、岩国基地を、在日米軍の「ハブ基地」とする企てもある。沖縄での新たな基地建設は前に進まずとも、当面は岩国基地を使えば、問題はないという日米の安保体制がここにある、と。
 地元の住民、市議会、市長はどうであろうか。前市長の井原氏の時代には、「2期目の途中に在日米軍再編問題が浮上、市内の米軍岩国基地に厚木基地(神奈川県)から空母艦載機部隊が移転する計画であることが伝えられると、厚木基地でも問題となっていた夜間離着陸訓練 (NLP) による騒音問題などからこの計画に対する懸念を明らかにし、あわせて市民の意志を問う目的で自ら住民投票を発議して実施し、受け入れ反対が全有資格者数の過半数に達した。」
 だがその後、国の市民懐柔策が進み、少数与党の市議会とも対立し2007年の選挙で、保守系の福田良彦氏に敗れた。福田市政の「条件付き受け入れ」が進んでこんにちに至っているようだ。
 現在の市議会は、定員32人中、基地問題で与党に組みしないのは7人といわれている。田村さんは、1995年に岩国市議初当選し、2003年の合併後の新市議から4期務めてきた。今年9月の市議選には立候補しないとのことだが、一貫して基地問題に取り組んできた彼に代わる人は見つけ難いようだ。
 彼は現在、「お早う!愛宕山」新聞を発行(6月7日現在、564号)し、基地問題、騒音問題に取り組む一方、異議あり!『基地との共存』市民行動実行委員会で市民運動を担っている。
 7月1日には、岩国市役所前公園で「7・1爆音はゴメンだ 市民集会」が予定され、集会後にデモも行われる。
 田村さんが言われるように、岩国基地の問題は、沖縄の米軍基地・自衛隊基地問題や横田・立川基地ほど、列島の東方向には多く伝わっては来ないこともあったが、参加者にとって、岩国の基地強化とその存在の問題点を知って多くのことを学んだと思う。
 なお連続講座の第3回は、7月28日(日)に「攻撃とミサイル防衛の最前線 三沢基地」をテーマに、斎藤光政氏(ジャーナリスト)を講師に迎えて開かれる。

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