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2020年2月 9日 (日)

水道民営化を考える岡崎集会(2)

 民営化は利権の対象に、「命の水」を守れ
 水道の民営化問題で私が関心を寄せるのは、「ライフライン」そのものであるから当然の成り行きだ。現在の生活の中で食料を除けば、電気もガスもないと困るけれども、当面の「燃料」は何とかなるが「水」は致命的だ。清浄な「井戸」を持たない限り、池か川、海水を浄水できる家庭用浄水器が必要であり、公共の上水道に頼り切っている以上、この問題は軽視できないのである。ということは、この問題は私個人の問題でないことは自明である。
 今回の岡崎集会に150人ほどが集まり、集会そのものは「盛会」であったとしても、地方議会議員、県、市の職員などの「関係者」が来場されていたかどうか聞き及んでいないが、そこにも先々の課題が見えてくる。
 世界的にみても日本の水道事業は、「国民皆水道」と言われ、その普及率は98%(2019年現在)だという。しかも蛇口からの水がそのまま飲めるのだ。私たちはこれを「当たり前」のように思っているフシがあるが、世界的に見れば数少ない事例だそうだ。改めて有難いことだと思わずにはいられない。
   そうであるならば、この現実を未来永劫持続させていくことが現世代の義務ではあるまいか。そのことに穴をあけ崩壊させる動きがあるとするなら、何としても阻止したい。その主体は市民と行政であり、議会である。この三者の関係は今後の運動でも密接なものがある。「3者連合」が欠かせない。
 ではそもそもなぜ「水道の民営化」「水道法の改正」などという動きが出てきたのか。詳しい説明は書ききれないので省くが、「公共事業」としての水道事業は、人口減などによる需要の低下、設備の老朽化に対する費用増などが財政悪化の自治体が担いきれないこと始まりといわれる。それを「民営化」によって財政的な改善をめざすということらしい。
 では民営化によってどんなメリット、デメリットがあるのか。メリットがあるとし民営化を推進する経済界からの提言を見ると「民間流の調達・購買戦略や外注管理が可能となりコストが削減できる」などという項目がある。本当だろうか?と疑問を挟み、むしろデメリットの方が圧倒的に多いとしたのが、尾林芳匡弁護士と全国各地の「水道民営化を考える会」の人たちだ。
 こうした水道の民営化を進めた外国の事例と結果について幾つか報告された。①フィリピン・マニラ市-水道料金が4~5倍に跳ね上がった。②アメリカ・アトランタ市バックヘッド地区-水道の蛇口から茶色の水が出た。③ボリビア・コチャバン市-雨水まで有料化されて暴動が起きた。④フランス・パリ市-料金高騰に加え不透明な経営実態が問題となり、再公営化。イギリス・ロンドン市でも民営化問題で日本の運動に学び阻止しているとのこと。
 中途半端で終わりになるが、2018年12月の水道法改正は、改善ならない、広域化で地域の実情に合わない、民営化で営利本位に変質しかねない、と尾林弁護士は語っている。そして「コンセッション(concession)」という英語の意味について尾林弁護士は、一般的に「譲歩、容認、譲与されたもの」と解されているが、「使用権などの」利権、特権という意味があるとして、まさに「民営化」とは、利権の対象物と化した姿、というのである。
 もう一つ、水道民営化を推し進める水道法の改正案に反対する意見書(新潟県議会2018年10月12日)の一部を紹介すると「・・・麻生副総理は2013年4月、米シンクタンクの講演で“日本の水道すべて民営化する”」と発言した。「・・・しかしながら、コンセッション方式の導入は、災害発生時おける応急体制や他の自治体への応援体制
の整備等が民間事業者に可能か、民間事業者による水道施設の更新事業や事業運営をモニタリングする人材や技術者をどう確保するのか、などの重大な懸念があり・・・」などと指摘した。
 とりあえず名古屋市に「水道民営化」の動きはないようだが、「指定管理者制度」等の民間委託が増えているので、警戒は怠れない。 完

 

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