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2018年12月 8日 (土)

山尾志桜里講演集会(3)

 9条関連についての立憲的改憲
 3番目のテーマは「9条関連についての立憲的改憲のコンセプト」である。これについて山尾さんは①憲法解釈の本質部分の明文化、②裁判所の積極化、③日米関係の正常化である、の三つを挙げた。
 日本国憲法が5000ワードと簡潔であることは述べた。だからという訳ではないがいわゆる「解釈改憲」という手法というか邪道がまかり通ってしまっている。安倍首相はそれをまた解釈から明文化へ、例えば「自衛隊の明記」にこだわるのである。憲法条文をどのように言葉として語句として明記しようと、それをまた勝手解釈すれば元の黙阿弥である。そこで山尾さんは、憲法第9条について「改正試案」を提起した。条文は省くが、現行の9条1項、2項を存置する。その上で、追加条項において旧三要件を明記して自衛権の範囲を統制する、とした。ちなみに武力の行使の「新・旧三要件」を明記しておくと、
●武力の行使の「新三要件」
・我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること
・これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと
・必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと
●武力の行使の「旧三要件」
・我が国に対する急迫不正の侵害がある
・これを排除するために他の適当な手段がないこと
・必要最小限度の実力行使に留まるべきこと
 それでは「自衛権」「専守防衛」とはいえ「必要最小限度」とはどこまでのことか、歯止めはあるのか(大脇雅子氏の発言)は、議論の余地はある。ちなみに大脇さん(元参院議員、現弁護士)は、「武力で平和は作れない」という立場を強調されている。
 さて三権分立といいながら、司法における、裁判官の任命権は実質的に内閣が握っている。このように司法の人事権に対して内閣の影響力が強いことが,違憲立法審査を難しくしている。そこで「憲法裁判所」設置もよく話題にはなるが、先に述べたように人事権を内閣がもっていれば、現状と変わらない。また最高裁の中に、憲法判断する独立した組織を持つという案もあると聞くが詳細はわからない。いずれにしても違憲、合憲を判断する独立した中立機関が必要であることは確かであろう。
 三つ目の「日米関係の正常化」については、日本国憲法の上を行く日米安全保障条約という国の成り立ちの根幹にかかわる問題が横たわっているが、それをひとまずわきに置くとして「地位協定」の問題が焦眉の課題であろう。これは正式には「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定」といい、略して「米軍地位協定」というのである。
 沖縄米軍基地問題或いは全国の米軍基地問題にとどまらず、日本列島全域で米軍が我が物顏で闊歩し蹂躙するのはこの「地位協定」という「治外法権」的存在である。世界に展開する米軍の基地を抱える他国の例をとっても、日本ほど主権が損なわれている例はないとされ、その弊害は与野党問わず認識されてはいても、いささかも改定されないのはなぜか。基本に国の安全保障、経済依存等について自民党政権の「米国追従」政策がある。加えて地位協定改定はできない(難しい)との説もあるが、そもそも改定に取り組んでこなかったというのが実態である。
 文字通り「日米関係の正常化」とは、この地位協定の改定に正面から取り組むことであろう。「北方4島返還」も、この地位協定(現況は、北方4島に米軍基地建設が可能)がネックになっていることは言うまでもない。 
(続く)

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