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2018年12月11日 (火)

山尾志桜里講演集会(4)

 議論すべきテーマいろいろ
 山尾さんのレジュメによれば、このあと以下のように話された。4、憲法9条がすべて、ではない。その他の議論すべきテーマ。①憲法裁判所、②解散権、③臨時国会召集手続き、④同性婚、⑤その他、5、「憲法守れ」と「守らせる憲法」~あなたは「人の支配」と「法の支配」どちらを選びますか~ 6、おまけ:安倍改憲案の真実「安倍総理にとっては何もかわらないが、その他大勢の人々にとってはすべてがかわる」と続いて、質疑に入った。
 参加者にとっても中心的な関心事は憲法第9条であろうが、その他についてももっと議論、検討を深めてほしい条項があったに違いない。というのも、地域におけるこの憲法論議は、集会や講演会、学習会などが長く続けられてきていて、おそらくこの集会に参加している人の多くが、濃淡はあってもかなり“熟知”しているのではないかと推測するのである。そして憲法の前文や第9条を軸にして、現行憲法を「平和憲法」と位置づけ、これを守り、活かすことこそ「戦争への道を阻止」することである認識してきたのではないだろうか。いわゆる「護憲」の立場である。
 もっとも昨今では「護憲」対「改憲」のといった観点の議論から、「自民党の改憲草案」「安倍の改憲論」という明文改憲が前面に出てきて、護憲派の対抗論の構築が関心事ではないだろうか。そこで一石を投じたのが、山尾志桜里さんの「立憲的改憲」論だと思う。これについては部分的ではあるがすでに触れた。
 ここまでに大きな論点は書き留めたと思うので、以下はメモから拾った部分的な応答である。
① 2017年に野党が憲法に則って請求した臨時国会召集は実質的に拒否、そして大儀なき衆議院解散は、手続き上は問題ないとされるが、そのような制度なら制度を変えるしかない。
② 同性婚は憲法第24条の「・・・両性の平等」でも可能である。変えるとすれば「婚姻は、両性の合意のみ・・・」の「両性」を「両者」とすればよい。
③ 総理大臣また与党が変われば法律の解釈も変わるというのはよくない。いわば「人治主義」ではなく「法治主義」であることが「守らせる憲法」となる。
④ 安倍首相は、憲法9条に一項を加えても現行と「何も変わらない」といっているが、それは9条が集団的自衛権も自衛隊も認めているというところからスタートしていて、首相が見ている風景と我々が見ている風景とは違うものなのだ。
⑤ 世論(国民の意識)には「3:4:3」という傾向がある。政府のやること何でもOKと、ダメのものはダメという層それぞれが「3」で、「4」は、どっちつかず、その時の流れで決める、いわば賛否双方の争奪ゾーンということになる。
⑥ 民主党時代の失敗の“トラウマ”が残っている。立憲民主党はそれ教訓としながら、乗り越えていく党だ。
⑦ 「駐留なき安保」も考えてもいいのではないか。
  その他多数の質疑あり。
 私が感じたこと
 最後に私の感じたことを書き留めてまとめとしたい。
 憲法に関する議論は、前文と条文の解釈とその成り立ちから始まり、様々な事案に沿って司法の場で争われ、国会の場で議論が戦わされてきた。そして私自身は法学的な学習に乏しく、労働運動、市民運動の現場で法律、判例と向き合ってきたが憲法に照らして違憲、合憲を争った事案は少なかったように思う。憲法と向き合う時はともすれば「日米安保、基地・沖縄問題」また「靖国、自衛隊・軍拡・海外派兵」などの政治的課題と、「思想差別、日の丸・君が代、報道の自由」などの基本的人権、自由、さらには生活と直結するような問題意識が必ずしも一体的であったとは言えない。
 しかしいささかも進展しない沖縄問題、靖国問題などから近年の盗聴法、共謀罪、安保法などの「戦前回帰」への道が現実化するに至って、憲法、政治、社会、生活、個人が、一線上に並んで私を取り巻いている気がしてきた。
 当面は安倍政権退陣(打倒)を求めるが、安倍退陣後も与党内の安倍路線は継承される可能性は高い。憲法改悪阻止は、まず2019年の参院選挙で与野党の議席を逆転させる、次の総選挙で政権交代を実現するというのが常道だ。そのためには「野党共闘」は欠かせないが、だからといって「野党横並び」といった陣形(鶴翼の陣)が良策とは思えない。私はやはり立憲民主党を軸にしたいわば「魚鱗(ぎょりん)の陣(△)」のような結束した闘いがいいと思っている。
 ともあれ、安倍政権のもとで「明文改憲」が突き付けられている現実に山尾さんが「立憲的改憲」を提起し、国会での論戦にも挑んでいることの意義は大きい。この集会においても、非常に中身の濃い、多岐に亘った内容であったし質疑応答でも山尾さんはきっちりと答えていた。
  私的な面であれこれ言われてはいるが、そのことで潰されることがあってはならないと思うし、これから正念場を迎えさらに前進し続けてもらいたい立憲民主党のエースとして大いに期待していいという感想を持ったのだった。
  山尾志桜里著「立憲的改憲 ― 憲法をリベラルに考える7つの対論」(筑摩書房)を精読したい。 了。

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