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2018年11月16日 (金)

映画「華氏119」を観る

 見ておきたい、アメリカの今を知る
 去る11月6日に観たこの映画では、「大統領選さなかの2016年7月、マイケル・ムーアは『大統領選でトランプが勝利する5つの理由』というエッセイを書き、変人扱いを受けながらもその予測を的中させた。彼がトランプ大統領を取材するうちに、『トランプは‘悪の天才’。感心するほどの狡猾さでトランプを笑っている私たちでさえ彼の術中にはめられている』という驚愕の事実が分かってきた。どんなスキャンダルが起こっても大統領の座から降りなくて済むように、アメリカの国民はもちろん、ジャーナリストやメディア、憲法や司法システム、さらには他国の政治や国民すら利用して仕組んでいるというのだ。ムーアはすべてに歯止めをかけようと、本作でトランプ・ファミリーが崩壊必至のネタを大暴露し、トランプを当選させたアメリカ社会に鋭く切り込みを入れ、この暗黒時代をどう抜け出すかを示す。」という解説がなされている。
 マイケル・ムーア監督が、この映画で何を訴えたいかは、もう言うまでもないだろう。
 ドナルド・トランプがアメリカの大統領に選出されてから2年、世界は変わった。アメリカは地球環境保護についてパリ協定から離脱し、さらにカナダ・メキシコとの間に結ばれた北米自由貿易協定の再交渉を要求、国内では移民入国を規制し、国民医療についてオバマケアを撤廃、学校や宗教施設で相次ぐ銃乱射事件についても施設に銃を持ち込んだらよかったなどの発言を繰り返してきた。
 11月6日のアメリカの中間選挙で、上院はほぼ現状の共和党が過半数を、下院で民主党が過半数を回復した。しかしトランプは「大勝利」と叫んた。どこまで本気なのか、単なる強がりなのかはわからない。けれどトランプは、この先2年の任期を全うし、さらに次の大統領選をも視野に入れているというから、ここで挫けたり、方針転換はできないと思っていることだろう。対外的に自国第1主義、国内では「分断」も厭わない「強権政治」ということになれば、それは「ファシズム?」なのか。
 記者のインタビュー「トランプ氏をできるだけ早く引きずり降ろさないと、いつか引き返せなくなるときが来るか?」の質問に答えてムーア監督は「それはまた起こりうるのです。以前のようなファシズムではないでしょう。『笑顔のファシズム』(バートラム・グロス著)という本を読みました。書かれているのは、21世紀のファシズムは強制収容所やかぎ十字がもたらすのではなく、テレビ番組に出てくる笑顔が作り出すのだ、ということでした。テレビのプロパガンダやメディアの人間が取り上げることで、人々は取り込まれるのです。トランプ氏のもとで起きているのはそういうことです」と。
 ムーア監督の目線は、トランプ大統領誕生の背景を掘り起こす。「マイケル・ムーアがトランプ政権に批判的なのはもちろんですが、ヒラリー・クリントン大統領候補にも、またオバマ大統領にも厳しい。ビル・クリントン大統領から後、民主党が共和党にどんどん寄っていき、希望を失ったアメリカ国民が選挙に行かなくなった結果としてトランプ大統領が生まれたという構図です。」(映画愛-藤原帰一)
 私たち日本人の目からは、どんな風に受け止めればいいのか。
 ある場面では、ヒトラーの演説映像にトランプ大統領の声をかぶせるなど、ナチス・ドイツと今の米国を比べる場面が出て来る。ムーア監督は、アメリカもヒトラーと同じ道を歩んでいるのではない、皮肉に過ぎないといっています。一方私にはトランプの饒舌と安倍の冗舌が重なります。といっても実は「饒舌と冗舌」の意味は同じだ。だがトランプ大統領は「自分(たち)さえよければいいという、大統領の権限を振りかざして演説をしまくる、その饒舌」、一方安倍首相の場合は「肝心なことは何も話さず、冗談でしょ!違うでしょ!いい加減にして!の、冗舌」
 蛇足に過ぎた。映画の展開が早いので、まずは観てもらうことが先決だ。そして、アメリカという国の実態に少しでも近づいてみる、アメリカ的「民主主義」をもう一度考えてみる。その上で、トランプ率いるアメリカはどこに行くのか、アメリカに振り回される世界はどうなるのか。そして日本は、私たちは・・・を考えさせた映画だった。

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