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2018年9月25日 (火)

朝鮮半島情勢と日朝関係の講演会

  東京新聞論説委員・五味 洋治 氏
  日朝教育・文化交流をすすめる愛知の会主催の「日朝の対話をはじめよう」を副題とする講演集会が開かれた。
 五味さんは、長野県茅野市生まれ。1982年、早稲田大学第一文学部卒業。1983年に中日新聞社東京本社(東京新聞)へ入社し、川崎支局、文化部、政治部を経て、1997年に大韓民国の延世大学校に語学留学。また1999年から2002年までソウル支局に、2003年から2006年まで中国総局に勤務。また2008年から2009年までフルブライトフェローとしてアメリカ合衆国のジョージタウン大学に在籍する2012年より東京新聞編集委員を務める、という経歴の持ち主。
 話は、パワーポイントを使って行われ、聞いている限りではわかりやすいものだったが、こうして書きとめようとすると、なかなか前後が繋がらない。
 五味さんは、今年に入ってから4月27日、6月12日、9月9日、9月18~19日と「南北会談」「米朝首脳会談」という衝撃的な展開があって、まず「南北首脳会談と今後」というテーマから入った。これは事実上の終戦宣言といえるもので、南北の信頼関係が出来ていてのこと。特に「一つの民族を確認」した言う文言は大きいと五味さんは指摘した。そうしたムンジェイン大統領の政策は、韓国世論も肯定的であるという。
 ではそもそもの1950年6月に始まった「朝鮮戦争とは何か」であるが、詳細は省くが「カイロ宣言」の中の「朝鮮を解放,独立させる決意を有すること」によって、朝鮮は信託統治されることとなり、38度線を境界として、北半分をソヴエトが、南半分をアメリカが信託統治することとなったことがあげられる。そしてこの戦争では民間人も含めて共和国(北朝鮮)、韓国、中国、アメリカを中心とした連合国軍合わせて約300万人の死者を出し(五味さんは500万人とした)、また1千万人の離散家族を生み出したとも。
 この戦争で日本はどうであったか、それは戦後の日本を大きく変えた戦争だったといえるという。日本人船員を動員しアメリカ兵や武器輸送、掃海などの後方支援と、国連軍の補給基地として経済を立て直した経過があったが、敗戦後の日本軍を解体し、戦後の日本を無力化するというそれまでの政策を転換し、自衛隊の前身である「警察予備隊」を創設して、アメリカにとって「信頼できる仲間」に仕立てていった。それは敗戦で生まれ変わって平和国家となった日本だが、国内に米軍基地を抱えるという矛盾を残した。
 それでは「休戦協定」のまま、なぜ「終戦」とならないのか。まず朝鮮半島に「国連軍(実質米軍)」が結成されていて存在していることが挙げられる。その国連軍の役割というか行動には、中国に対しても有効とのことである。ちなみに朝鮮有事の際には、米軍は日本国内の7つの基地から出撃可能とのことである。
 話の終盤は、最大の焦点である「終戦宣言」のゆくえである。共和国は積極的だが、アメリカは核問題の完全解決を求めているが、在韓米軍、在日米軍と中国の動向も視野に入れた東アジアにおける軍事的プレゼンスも欠かせない要素であろう。
 最後に、ここまで「南北会談」「米朝首脳会談」が進展する中で、蚊帳の外の「日本」はどうなのか。安倍首相は「拉致問題」を中心に据え、アメリカ追従政策ばかりで二言目には圧力、圧力としか言ってこなかった。しかし五味さんはこういうのである。「日朝関係に進展の可能性も」と。それは、安倍が「日朝首脳会談」を口にするようになったのもその一つだと。また任期中に拉致問題を自分の手で解決すると断言した以上、圧力一辺倒では埒が明かないということでもあろう。
 そして五味さん締めくくりに、日本の役割、やるべきことをいくつか挙げた、「日本は平和構想を発表せよ」、それは、北東アジアの非核兵器地帯構想であり、「鉄道」で連結する経済圏構想であり、「平和協定」をめざして多国間で協議体をつくるなどである。いずれにして安倍政権は、単なる傍観者であってはならない、まして交渉の足を引っ張る行動はするな、というのであった。
 なお質疑応答では、4月20日の「日朝議連」の動きの評価。「戦後補償の問題をどう考えるか」「平壌宣言の問題点は何か」「日本を含む北東アジアの安全保障体制はどうなる」「高高度迎撃ミサイルシステムTHAAD(サード)の問題をどうとらえるか」「拉致問題で安倍がやるべきだというが、安倍では駄目じゃないか」「トランプ大統領は信頼できるのか」などが出た。五味さんの回答は省略。


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