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2018年7月 2日 (月)

映画「空飛ぶタイヤ」を観る

実際にあった事件・事故の「社会派ヒューマンサスペンス」
  30日の「万引き家族」を観る前に、映画「空飛ぶタイヤ」を観た。何と何十年ぶりかの「2本立て映画鑑賞」であった。
  この映画を観たいと思った動機は二つ。一つは私が在職していた三菱自動車の、2002年に起こしたトラックによるタイヤ脱輪事故で主婦を死亡させた実際の事件と、それに伴うリコール隠しをベースに書かれた映画であったこと。もう一つは、「半沢直樹」や「下町ロケット」など数々のテレビドラマ化作品で知られる人気作家・池井戸潤の同名小説をかなり前おもしろく読んでいたことの二つだった。
  尚、これはテレビでドラマ化されたが、大手自動車メーカーをスポンサーとするテレビ局ではドラマ化をすることができず、WOWOWにて映像化されたという経緯があったという。
 映画は「よく晴れた日の午後。1台のトラックが起こした事故によって主婦が死亡。事故を起こした運送会社社長の赤松徳郎(長瀬智也)は、走行中のトラックから突然タイヤが外れたことによる事故だと警察から聞かされる。整備不良を疑われ、世間やマスコミからバッシングを受ける日々のなか、赤松はトラックの構造そのものに欠陥があるのではないかと気づき、製造元のホープ自動車販売部カスタマー戦略課課長・沢田悠太(ディーン・フジオカ)へ再調査を要求する。同じ頃、ホープ銀行本店営業本部・井崎一亮(高橋一生)は、グループ会社であるホープ自動車の経営計画に疑問を抱き、独自の調査を開始していた。遅々として進まない状況に苛立ち、赤松は自らの足で調査を始めるが、やがて、大企業のリコール隠しがあったことを突き止める。赤松は親から引き継いだ会社や社員、そして家族を守るため、何よりも自らの正義のために巨大企業に立ち向かっていく・・・。」
 この種の映画・ドラマは、巨大組織の暗部とそれに立ち向かう人々を描いた「社会派ヒューマンサスペンス」と呼ぶらしいが、実際にあった事件であるから、「経済小説」の枠を飛びこえているといってよいだろう。その後の、自動車業界のリコールの多発、検査データの改ざんも後を絶たない。そこには、硬直した組織の劣化もあるし、“ものづくり”の技術の限界も見え隠れする。だってあの新幹線すら危ういところだったではないか。
 さて映画の終盤は、自社の整備について自信を持っていた赤松は、事故の本当の原因は、トラックを製造した巨大企業・ホープ自動車にあるのではないかとの疑いを強め、その証明に躍起となる。だが次々と壁に突き当たり、絶望のどん底にあってもがくが、亡くなった主婦の子どもの一文に「人間性」を感じ、妻の励まし、最後までついていくという従業員からも後押しされる。そして、以前同じ経験をしたことのある児玉通運の助力、ホープ自動車カスタマー戦略課課長の沢田悠太( ディーン・フジオカ)や若手の社員の、陰の協力もあって、ついにホープ自動車の秘密会議「T会議」(Tはタイヤのイニシャル)の全容が暴露されるに至って、ホープ自動車に家宅捜査が入り、事故原因が究明され、常務の逮捕に至って、最後には疑いが晴れるという感動的な結末を迎える。
その後のホープ自動車=三菱自動車は、トラック・バス事業を別会社化し、日産自動車の傘下に入って立て直しを図っているが、業績は遅々として上がらない。一度なくした信用を取り戻すにはどれほどの困難が待ち受けているか、それは私たち一般人とて同じであることを教えている気がする。

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