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2018年5月11日 (金)

ドキュメンタリー映画「港町」

 高齢化、観る人の未来を暗示か
 毎月1本は観たいなあと、パソコン作業を中断し、気分転換の間に検索で映画館を散歩する。平日の午後3時までに終える作品を探す。久しぶりにキャパ40の「シネマテーク」を開いたら、ドキュメンタリー映画「港町」が目に止まったので、9日11時の開演に合わせて観に行った。
 監督・製作・撮影・編集は想田和弘、製作は柏木規与子、モノクロ122分。撮影地は岡山県瀬戸内市牛窓(うしまど)町の港周辺。古い歴史を持つ集落で、江戸時代は海上交通の寄港地として栄えたものの、明治以降は、交通の要衝から外れてさびれ、いまや高齢者が目立ち、画面に若者はあまり登場しない。
 ~美しく穏やかな内海。小さな海辺の町に漂う、孤独と優しさ。やがて失われてゆくかもしれない、豊かな土地の文化や共同体のかたち。そこで暮らす人々。静かに語られる彼らの言葉は、町そのもののモノローグにも、ある時代のエピローグにも聞こえる。そして・・・、~
 ~冒頭、海辺に所在なげに座る腰の曲がった老人。カメラを手にした想田(監督)が話しかけても耳が遠いのか反応は鈍い。だが、そんな老人が一度船に乗ると鋭い眼と俊敏な動きの漁師に変貌する。あまりの変わりように眼を見張るうちに、映画は加速し、さながらしりとりゲームのように展開していく。老人が獲ってきた魚を仕入れる魚屋、そこで売られる魚たち(パックされた魚はまだ動いている!)、それを買っていく人々……カメラは好奇心と観察眼を駆動力に、当たり前の日常の中に深い輝きを宿す瞬間をとらえていく。やがて監督が知り合った老いた女性の回想で、映画は静かなクライマックスを迎える~(以上解説から)
 「港町」というタイトルから、一面では活気ある風景かなと思えば、ほぼ高齢化した“限界集落”の港版であるが、老漁師が持ち帰る海の幸は競りにかけられ、鮮魚店でさばかれ、パックにされ、店に並べられ、配達や車で出張販売と、漁から流通、消費者へという「魚の一生」が前半。売り物にならない魚は無料で、それをもらい受け、猫たちに与える若夫婦と「猫の風景、ひと役」も。
 後半は、~親を亡くして育った82才のおばあさん。17才の息子?を福祉施設に奪われた過去を嘆くが、町の住民と交流しながら、快活に歩き想田監督をそこかしこに誘う。86才にして現役の漁師のおじいちゃんや息子と魚屋を営む後期高齢者のおばあさん。とくべつな事件など起こらないが、次第に画面に魅き込まれてゆく・・・。~
 この町を離れ、年に一度くらい高台にある墓地へやってきて手入れして花を手向ける女性も高齢、いつまで続くかわからないとつぶやくが、その横には“墓終い”となった空き地や無縁仏も。
 全体として過疎、高齢化という現代社会を映しているが、それは、観る人それぞれの未来も暗示しているかのようである。

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