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2018年3月18日 (日)

鳩山友紀夫講演会(2)

 脱大日本主義、東アジア共同体
 先に、「アメリカファースト=ナショナリズム」が「グローバリズム」にも変化を与えていることは確かだろう、と書いたが、鳩山さんは、著書で「グローバリズム」とは、市場原理主義的な米国経済のルールを普遍的正義として世界に押し広めようとする疑似イデオロギーでした、と書いておられる。ということは、アメリカ(トランプ)は、自ら打ち出した「グローバリズム」に押し込まれ、「アメリカファースト」に転じたということだ。こうした流れ(政策)が一時的には加速するかもしれないが、永続するとは思えない。
 そこで私は、日本(安倍政権)にとって二つのことが考えられるのではないかと思った。一つは、トランプ政権が続く限り「アメリカ追従政策」が、経済面でも軍事面でも見直しが迫られることは避けられない。特に経済面では、アメリカにとって日本との貿易の不均衡(輸入超過)は、中国に次いで是正対象の上位にあると思われる。中国には関税で対処し、従順な日本には「自主規制」を求めるかもしれない。あるいは、「思いやり予算増」「アメリカ製兵器購入」をバーターするかもしれない。ここでも陰に日本の「主体性=独立」が問われるであろう。
 もう一つは、「アメリカファースト=ナショナリズム」が、東アジアにおけるアメリカの影響力(軍事的プレゼンス)が低下して、そこに日本が取って代わろうとする「代位意識」が働くのではないか、つまり「大国意識」の台頭である。この視点が正鵠を射っているかどうかは私にはわからないが、「戦前派志向の右翼勢力」にとって「大東亜共栄圏」も夢想の中にあるかもしれず、そのように考えられないこともないと思うのだ。
 もっとも鳩山さんは、そうでなくて「未来志向」として綿密な「東アジア共同体」構想を打ち出しているのである。この内容も著書を読んで戴くしかないが、そのさわりだけを紹介しておくと、「私は、東アジアに多国間の安全保障の枠組みを作ることで、東アジアの緊張を緩和し、地域覇権国家の行動を慎重にさせ、日本を含む中小国家の自立を確保する道が拓けると考えたのです。私はパックス・アメリカーナでもパックス・シニカでもない、パックス・アシアーナともいうべき東アジア秩序はありうると信じています。」
 
注1 パックス・シニカの「シニカ」は中国を指す。
 注2 「覇権国家」とは、私の記憶では、中国が当時のソ連をさして「覇権主義」といったとされる。だから中国は自からを覇権国家とは言わない。しかしここでは、一般的な意味での「覇権国家」として使われている。

 さて、東アジア共同体の「東アジア」の地域とはどこまでかは、定かではないが、ロシアは微妙なところだが、日本、(あえて)朝鮮半島、中国・台湾(表現は暫定)、フィリピン、インドシナ半島、インドネシアあたりであろうか。
 そこで問題の核心は「中国」であろう。つまり「中国は脅威か」「東アジアの平和的安定は中国、アメリカそして日本の在り方次第」という論点である。これを論ずるのは難しい。単なる軍事面、領土問題だけでなく、経済的相互関係、文化交流などの要素も加味されなければならないからだ。だが少なくとも鳩山さんの論調は、彼の外交的経験から「中国は脅威」とはとらえていない。その一例として昨年11月に習近平国家主席と会談したなかでの、周発言の例を引き合いに語った。例えば“一つの花が咲いたからといって全体が咲いたとは言えない。つまり、政策の一部が達せられたからといって中国全体が豊かになったわけではない。2020年までに貧困をなくす”と。安倍の政策と比較してみたい一つだ。そして覇権は目指さないと。
 では「尖閣列島の問題は?」も気になるところ。詳しくは著書を見ていただくが、鳩山さんは端的に「1972年の日中国交正常化」時の、田中角栄首相と周恩来首相との間で暗黙に了解した「尖閣問題棚上げ」にまで戻ればいいとした。むしろ石原都知事「尖閣買い上げ」さらに政府(野田首相・民主)による「国有化」したことが問題だと批判した。
 領土問題はフィリピン、ヴェトナムの間にもあるが、日本としては当事者間に法的拘束力を持つ「行動規範」をつくる動きがあるのだから、介入するのではなく、まして尖閣問題は、日米安保の範囲内などと挑発的対応はすべきでないとした。やはり険しくとも「共存」の道を探るべきだろう。日本は「2度と戦争をしない」と決意し実践してきたのだから。
 鳩山さんは、「共和国(北朝鮮)問題」にも触れた。実は質疑の時にも「訪朝する予定はないか、訪朝してほしい」というのもあったが、微妙な問題も含んでいるので、ここでは書き辛い。しかし印象としては「3・1集会」「3・6高野孟講演会」の論調と大きく変わらないので省く。 
続く

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