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2017年1月30日 (月)

自民党の憲法改正草案を斬る!(2)

 権力者に都合の良い規定
 この項で飯島さんは、自民党の改正草案は「権力者の迅速な権力行使・抵抗阻止に都合の良い規定」となっていると指摘している。その対象は「政党」「裁判官」「政令」の3点について指摘した。
 まず「政党」のところでは、ドイツ連邦共和国基本法21条を例示して、自民党案を検討した。ここはちょっと難しく感じたので私見だけを書くと、「自民案第64条の2の第1項」にある「国は、政党が議会制民主主義に不可欠の存在であることに鑑み、その活動の公正の確保及びその健全な発展に努めなければならない」「・・・政党に関する事項は、法律で定める(同第3項)」は、昨今の状況を見るときそもそも「政党政治」が本当に不可欠なのかという疑問はさておき、適切な「法規制」が可能か、必要か?「政党乱立の弊」をもって少数政党が排除ないしは不利な状況におかれはしないか、は杞憂であろうか。
 ところで飯島さんは、ここで「トリーペルによる憲法の位置づけの歴史的変遷」なるものを付加して語った。この「トリーペルの原則」は、その国家が政党をどのように扱っているかの分類で、この分類によりその国の民主制の程度が分かると考えられているそうだ。例えば、民主制の程度が低いものから、以下の四つに分類される「①敵視 ②無視 ③法律的承認 ④憲法への編入」とあり、現在の日本では③法律的承認の段階にあるという。ドイツは④の段階にあるとされ、④の段階になっては「キケン」だと、飯島さんは述べた。
 次に「裁判官」についてであるが、この件については、「自民党改正草案」を語る以前の問題として、現在の裁判制度、裁判官の質、三権分立の実態からして「信」が置けない、という状況があるのではないか。裁判官を内閣が任命すること自体不思議でならない。他に選ぶ適切な方法がないからか。最高裁裁判官の「国民審査」も形骸化していないか。それにしても中学で習った「三権分立」の原則が揺らいでいると思われてならない。
 次に「政令」についてであるが、法律ではない「政令」には、法律の委任がある場合を除いて罰則規定がないのが現憲法だ。自民党案では「罰則」に代わるものとして「義務を課し、又は権利を制限する規定」とする案とのことだった。そして自民党案の99条1項では、「内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができる」とあり、「緊急事態の際の政令に罰則を設けることが可能な規定」と飯島さんは断じた。隠された「独裁条項」の一つとみていいのだろうか。
 (続く)

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