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2011年10月 5日 (水)

水曜フォーラム10月例会・1

 TPPについて、韓国の事情を探る
  この間、いろいろ考えてきたが、TPPが「経済連携協定」と言いながら、実は「国際的な政治問題」が重なり、国論を2分するような「国内問題」が大きく横たわっていることを見据えねばならない。だから、いま一つTPPの全体像がつかみ切れないのである。つまりこの問題は、経済・政治・国内の3つの視点が必要で、しかもそれが「三方丸くおさまる」とはいきそうにない難題なのだ。しかし、確信はないがとりあえずの見解をもってフォーラムに参加した。
  私は、他者からの発言と重複するかもしれないと思いつつ、韓国の事情を少しでも知れば、日本のあるべき姿が見えてくるかもしれないと、この切り口から入った。
  韓国の事情
 「韓国に後れをとるな」。これは、TPP推進派の主張のひとつであるという。確かに激しいグローバル競争を繰り広げる自動車や電気・電子機器等の分野では、サムスンとか現代とかの韓国企業名を耳にし、目にすることが多い様に思う。それらが日本の有力企業を脅かす存在となっているというのである。そしてそれが韓国のFTA(自由貿易協定)戦略に対抗するカタチとして、TPPの推進を唱えているというのである。
  ところで韓国の戦略、輸出指向工業化路線には、3つの特色があると言われている。
 一つは、1965年ころ韓国は、アメリカ援助当局やIMF(国際通貨基金)の要請する「市場メカニズムの正常化」を受け入れた。そのときの経済復興の牽引役となったのは、朝鮮戦争後に生れた財閥であり、その財閥が国家経済をリードするカタチは今に至っても変わらないという。
 二つに、経済復興の戦略を「輸出」と定めた軍事政権は、迅速な政策を打ち出し、文字通り、輸出振興にむけて国民を動員し「輸出拡大会議」を設け、徹底した輸出奨励を行ったというのである。
 三つに、輸出推進策は成功したようだ。60年代後半から79年にかけて韓国は平均成長率約10%という経済発展を遂げたという。ただ結果として、労働人口がかなりいびつな形で農村から都市に集中したことがあげられる。これが韓国社会に影を落とすことになるのだが。
 その結果、韓国の現在はどうなっているのだろう。
  M&Aが繰り返され、その結果外資が流入し、外資の影響をうけやすい経済体質となったともいわれる。また、政府主導のFTAロードマップでグローバル経済を展開し成功しつつあるが、韓国社会に「格差」をもたらしたともいわれる。来日する韓国の民主勢力の指導者がよく指摘する点である。
  60年代の韓国では、IMFの管理体制下にあって、米国式市場経済主義が貫徹され、規制緩和による非正規雇用の労働者が増え、M&Aによりリストラ、結果として失業者が増大した。それにはもう一つの要因があるとされる。大企業優遇政策により、部品類は安い海外からの調達が進み、その結果、中小零細企業は軒並み衰退していったというのである。それはまた、ものづくりの基盤を喪失、若年層の就職難、非正規雇用の増大になっていったことは言うまでもない。しばしばニュースとなる韓国の凄まじい「街頭闘争」の背景を、ここに見る思いだ。
  さて韓国政府は、「農政」についてはどう対応したであろうか。日本でいう「戸別補償制度」のようなものはあったのだろうか。その資料は見つからないが、金永三政権では(1993発足)、「守る農業から攻める農業へ-農漁村発展基本政策(1994)」、金大中政権では(1998)「家族経営を軸に生命産業として農業-農業農村発展計画(1998)」というのがあり、盧武鉉政権(2003)で策定された「FTA推進と農村福祉改善-農業農村総合対策(2003)」では、10年間で119兆ウォン投融資計画が現在も続いている。
  あるいは、農村地帯に工場を誘致し雇用を生み出す政策もあったときく。食糧の自給のために、アフリカの広大な土地を買収し、農産物の海外生産、逆輸入という政策もとっていると聞く。
  しかしいづれにしても、FTA推進が農業を犠牲にしていることは確かだろう。それは農業の衰退、後継者不在、食糧自給率の低下は免れないと考えられる。この「対岸の火」を私たちはどう見るかである。 
(続く)

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