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2011年6月26日 (日)

「同一価値労働同一賃金の原則」を学習

  実現への立法化は遠い道か
 昨日、弁護士で元参院議員の大脇雅子さんを迎えて、「同一価値労働同一賃金の原則」を実現するために、という勉強会が開かれ、ちょっと逡巡したが、強く誘われて参加した。
 「変化した労働市場」「男女間/正規・非正規間の賃金格差」「ILO100号条約」「女子差別撤廃条約」「職務評価システム」「厚生労働省・職務分析・職務評価実施マニュアル」「京都地裁判決・京ガス事件(判例の到達点)」という項目で、参院議員時代の、国会における法制化の活動過程や、「新白砂電機争議」時代の、「パート労働者の処遇」をめぐっての法廷闘争、そして最近の事情とこれからの課題などが話された。
 結論的には、現行の労働基準法第4条に、「同一価値労働同一賃金の原則」を盛り込んだ「第2項」を起こして法制化することが大きな目標であるとし、そのためには、「条文(案)」をつくってみることと、労働法に造詣の深い議員を探し、国会でのロビー活動を含めた、息の長い活動が必要ということであった。
 このテーマについては、水曜フォーラムで2回にわたって学習してきたが、今日の勉強会では、「職務評価システム」についていろいろな意見等が出され、それが私にはちょっと不思議な感じがしたので、感想を述べた。
 1960年代後半、私の職場(三菱重工・三菱自工)では、年功序列型賃金制度を破棄して、今でいう成果主義を取り入れた新従業員制度(後に新社員制度)の制度導入が会社側から提案され、職場討議が頻繁に行われた。主として二つの団体からの門前ビラもかなり撒かれた。
 この新制度は、職群等級制(技能職群1級~5級、事務・技術職群1級~5級、監督職群、管理職群、特務職群)で、それぞれの等級には、最短滞留年数と最長滞留年数が定められ、ここに年功序列型の思想の残滓があった。さらに、「人事考課」もセットにされていて、特に「会社への忠誠度」などが「協調性」として評価(A~E)されて、残業、休日出勤への協力度、QC活動、改善提案なのに積極性が取り上げられ、それが結果として活動家を冷遇する根拠となった・・・。(多少記憶違いがあるかもしれないが)
 つまり、職務記述書に基づく職務評価制度(システム)が40年以上も前に資本の側から提起され、個別企業のみならず、電機、自動車、造船などの産別で議論が始まっていたのであり、それが今になって、目新しいように議論されていることが不思議に思えたのである。
 それは、話の進行の中で、1960年代の議論は、個別企業内労使の話合であって、こんにち的「ジェンダー平等社会を求めて」というものと、そもそも次元が違うことが分かった。しかし、大脇さん自身が語っていたように、労基法は刑罰の伴う法律であり、条文づくりは厳格性が求められることと、労働法に詳しい国会議員がいない事情、最近の貧困問題、不正規雇用の問題に較べ、ジェンダーの関心は低いことなどで、法制化の道は険しいということだった。
 そこで私は、私たちの時代では、企業内労使レベルの議論はあったけれども、それを社会問題化することを欠いていたどころか産別レベルにさえ、持ち上げることがあまりなかった気がするので、「企業内組合の限界」だったのかなと前置きして、「法制化への険しく、遠い道を前に、当面の活動として、労使交渉の場で積極的に議題にあげ、部分的であれ勝ちとること」「労働局、労基署に対して波状的に申し立てをしつつ、労働官を企業側、政府側から、本来あるべき姿、労働者側に立たせる不断の努力が必要ではないか」と意見を述べた。自らの実践的根拠に欠けるところが迫力を欠いていたと思うが。
 次回は、労基法第4条の「第2項の条文化」を試みる議論となるようだ。その前に公的な機関での①同一価値労働・同一賃金の基礎となる職務・職種の確定②職務評価制度の確立③労働の比較対象の職務評価④男女格差の解消など(大脇さん提起)の制度基盤が整えられねば、条文は生きたものにならず、勝手解釈で“悪用”すらされかねない。そこのところも議論となるだろう。

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