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2011年5月28日 (土)

中島滋さん(前ILO労働側理事)の話

 グローバルな時代の労働側の戦略を問う
 フィリピントヨタ労組(TMPCWA)を支援する愛知の会の、第8回総会が名古屋で開かれた。総会議事そのものは、前年の活動報告とその成果を踏襲しつつ、さらに一歩前へ進めようとするもであったが、そのことをより確かなものとして意識化させていく、そんな意味合いが強く滲み出たのが「記念講演」で、総会に重みを持たせたといえる。
 講師の中島滋さんは、早大で労働法を学び、その後長らく自治労関係、特に国際局長、連合総合国際局長などの仕事をしたのち、2004年から2010年まで、ILO(国際労働機関)の労働側理事として活躍されてきた。特にILOというグローバルな視点から労働運動を見た時、日本の労働運動の「戦略視点は何か」という「目標」提示に、改めて瞠目させられた。
 いまさら言うまでもなく、より高い利潤を求めて、まるで、何のわだかまりもないようにして国境を越えていく「多国籍企業」と呼ばれる資本、それがもたらす「国内産業の空洞化」ばかりでなく、「外国における、労働の二重基準(ダブルスタンダード)」の問題を引き起こしている現状に、対応できない労働運動の姿が浮かび上がる。
 そのような現状を説明するのにTMPCWAの闘いはいい“教材”であることには違いなかった。これまでもこの欄で触れてきたところである。
 中島さんは、約1時間半の話の中でまず、ILOの役割としてある「ILOの条約と勧告」について説明された。現在188の条約が採択されているが、採択される背景には当然「国際労働基準」として「政・労・使」で構成される理事会などで検討合意されたものであり、手続きとして国内での批准が必要であるが、その国内法より「上位にある」そのことの意味が大きいと強調されたのである。
 188の条約が採択されたとしても、批准されなくては効力が発揮されないわけだから、その国の政府の政策次第、労働側の闘い次第ということになる。日本でも重要な条約とされるものがかなり未批准であるという。私のメモによれば、188の条約うち、批准されたのは48、これはOECD加盟国の平均78に比べかなり低い水準という。そして未批准の中の重要ないくつかが紹介されたが省く。
 中島さんが示した「日本の課題」大きなものの一つは「ジェンダー平等原則」であったが、これは別格として取り上げたことでもわかるように喫緊の課題であり、しかも内容が深い。「水曜フォーラム」でも2回にわたってテーマとして取り上げているので、もう少し学習して別の機会に書きたいと思う。
 もう一つは、「ディーセント・ワーク」といっていいだろう。これは端的にいえば「働きがいのある人間的な仕事」という意味だそうで、そのための現状の問題点とそれを克服する「戦略目標」4つが提示された。項目だけあげておくと、「中核的労働基準の尊重遵守」「良質な雇用確保」「社会保護の拡充」「社会対話の促進」とあった。
 この話を聞いて、またレジュメに目を通して思ったことは、「これからの日本」を考える時の柱の一つになると思ったことだ。いい話が聞けて、いい収穫ができたと思った。

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