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2011年4月 6日 (水)

水曜フォーラム4月例会・1

  ベーシック・インカム
 今月のテーマは、まだ聞き慣れないもので、ベーシック・インカムとは、直訳すれば「基本収入」ということだが、政府から、「すべての国民に、最低生活に必要な金額を、無条件で個人に渡される」というもの。金額は一概に策定できないから、その時の状況によるが、「最低生活費」「無条件」「個人」が、現行の「生活保護費」とは違うところ。似たところでは「子ども手当かな」という補足があった。
 これだけではこの制度が、なぜ注目されつつあるのかはわからない。逆に反論は多くあろう。そこで提起者は、あらかじめ、反論、異論に答えるために「Q&A」を用意していた。
 
「働かなくても生活できるなら、働かない人が増えるのでは?」「・・・働いている人が馬鹿らしくなる」「働かざるもの食うべからず、ではないのか」「社会保障がなくなるのでは?」「これって、社会主義とどう違うのか」「企業がベーシック・インカムを口実にして、賃下げしたり、解雇しやすくなったりしないか」「3K労働をする人がいなくなるのでは?」「なぜお金持ちにもベーシック・インカムを配るのか」「財源はどうするの?」などなど。
 これらについての回答は、当然用意されていて、なるほど、と思うこともあれば、やや現実的ではないようだ、というものもあると感じた。これについても報告者は、これをやるべし、といった断定的にいうのではなく、「これからの世界の仕組みへの新しい提案」として、考えてほしいと述べた。
 つまり現時点では、「ベーシック・インカムは、まだまだ議論の途中のテーマといえる。20世紀から21世紀にかけて、アイルランド、オランダ、カナダフランス、イギリスなどで、政治的議論が展開されている。現在では、ナミビアで実験的試行がされているほか、アメリカのアラスカ州では、州の原油収入を基にして、一人1年間36万円の支給を行っている。」という。
 これは「生きているだけでかかる経費をどうするのか」「すでに食べていけるだけの労働市場がなくなった時にどうするか」「あまりの格差は、福祉行政だけで解決できるか」「政府の再配分の仕組みをどう考えるか」など、広汎なあらゆる問題を含んだ、いわば「哲学的命題」でもある、とも話した。
  もう一つ補足されたことは、「貧困率世界ランキングで日本は、OECD加盟国34か国中、ワースト4」という事実と、国内の生活保護人員が約150万人とされ、そのうち、1割か2割程度しか救えていない、残りの8~9割は放置されているという統計であった。
  我が国の「貧困率ワースト4」には多くの人が“へぇ~”であった。ちなみに1位はメキシコで、以下トルコ、アメリカ、日本、アイルランド、韓国、ポーランド、スペイン、ポルトガルと続く。
  又生活保護が受けられない理由として、その窓口が地方自治体にあり、財源の乏しい自治体は、様々な条件を付けて認めない傾向にあるという指摘もあった。
  さて、一通りの提起のあと、折からの「東日本大震災」の現状を鑑み、この状況にこそ、この「ベーシック・インカム」の制度的適用のいい機会ではないのか、という点ではそれぞれうなずいていた。確かに当座の生活資金だけでも無条件の支給には、異論のないところだ。
  私は、内容を把握していないこともあって、レジュメは用意しなかった。そこで「波静かな海原を客船がいくようなイメージで受け止めたが、今回の震災のようなイレギュラーがあることは必然、そうした時の想定の議論がこれからされると思う。また、これは一国だけで考えればいいのか、グローバリゼーションの中では、波は荒立ち、客船は揺さぶられる」「第3の社会(制度)論」を構想する時のヒントを戴いた」という感想を述べたに過ぎなかった。 
(続く)

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