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2010年12月 3日 (金)

水曜フォーラム・12月例会(3)

 それぞれの意見、議論から
 Tさんに続いて、Kさんは地域紙に自ら寄稿したものを紹介した。それによれば、「コラム-持論 異論」の見出しは「変革には国民の忍耐も不可欠」として、政権交代と鳩山内閣、菅内閣のこの1年を振り返り、「小沢・鳩山・菅」の3頭立ての馬車がめざしたものは、「百年以上続けてきた日本の統治手法を根底から変える壮大なものである。これまでの期間があまり長かっただけに、それによる権益やしがらみも多く容易なことではない」とし、「政権が発足してまだ1年、政権には初志貫徹に向けて死に物狂いで取り組むことを求めると同時に、国民も政治への対応姿勢を変えることだと思う」と述べた上で、見出しのリードに「見識が問われるメディアの報道内容」と付記して、さらに続けた。
 そこで引き合いに示したのが、世界の主要国が参加している国際プロジェクトの「世界価値観調査」の結果であった。例えば「新聞などメディアを信頼しているか」の調査では、「信頼している」とする人が「仏38%、独29%、米23%、英13%」に対して「中国60数%、韓国50%ほど」であり、日本は断トツの「73%」で世界のトップであったという。
 それでKさんがいうには、「にもかかわらず、日本の幾つかのテレビ、新聞での報道には首を傾げることが少なくない。伝えることは目先のことが大半で、重箱のスミをつっつく低次元なもの」「倒閣こそわが使命がごときもの」つまりもっと次元の高い見識を示すべきだというのである。73%の信頼を受けているなら、と。
 次にYさんは、中日新聞の今年8月15日付の「社説」を紹介した。私は、紹介した意味は二つあると思った。一つは、敗戦後の日本の進路の大筋が、「米国依存体質」として今日に至っていることについて、豊下樽彦関西学院大学法学部教授の論文を引用して、昭和天皇が大きくかかわっていること。それが米軍の沖縄駐留と基地の自由使用の根拠となり、1972年の沖縄返還後も、沖縄の負担軽減がなされなかった理由で、なおかつ今日的問題であるとした。つまり戦後政治の出発点の中心人物は、吉田茂ではなく昭和天皇であると断じた(と思わせる)社説であったこと。もう一つは、そうした社説を掲げるまでになった中日新聞の変化というか進化というか、左からの読者の目を引き寄せたことではないかと思う。
 ちなみに私の周辺の人たちの購読紙では、朝日新聞のダメさ加減、凋落をいう人が少なくないのにも関わらず朝日新聞が多い。その一方で、圧倒的シェア-をもつ中日新聞のローカル性、保守性、トヨタ批判をタブー視する姿勢には、冷たい視線、蔑視すら送っていた。しかし、中日新聞東京本社発行の「東京新聞」の評価が高まるにつれてか、連動してか、この地域でも評価が上がりつつある。そんな中でのこの社説であった。「予断と偏見」は持つなということでもあったろうか。
 また、記者クラブの弊害については体験談も出され、意図的にリークされた内容をそのまま記事にしている例や、まじめに取材した記事でも、例えばトヨタに関する批判めいた内容であると、編集部でカット、修正されるだけでなく、社会部より経済部が優位であることでボツになることさえあるという話もあった。
 さらに、取材を受けることが多いという人からは、「新聞本社の社員はエリート意識で固まっている。下請けの人に対する横柄な態度は目に余る」と憤慨していた。また選挙に立候補して落選した女性からは、某新聞社の記事、掲載写真から「落としたい候補」の意図を感じたという。いろいろあるものだ。
 さて締めくくりの参加者全員による一言は、Nさんの日本軍の「慰安婦」問題を取り上げたNHK番組が、政治的圧力で改ざんされたとして、取材協力した市民団体バウネットがNHKと制作会社二社に損害賠償を求めた訴訟を例に引きだしたことを受けて私は、「マスコミの最も大きな汚点の、最近の事例をあげるならやはり“松本サリン事件の河野義行さん”の報道だろう」と指摘した。そして「タブーとされる問題にメスを入れるのが、ジャーナリズムだ」ということでしめた。 完

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