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2010年7月 8日 (木)

水曜フォーラム・7月例会(2)

  参加者の意見を絡ませて
 いろいろ意見が出たが、一つには、職務分析による職務記述書が作成され、職務記述書による職務評価は、計数化(点数)による、という方式は、評価にバラツキがない、シンプルな仕事にいいかもしれない、他の職務にも応用できる、低コスト経営につながるだろう、経営の革新をもたらすという「経営の側」からも評価できるという意見があった。
 そうなのだ。ここでは主要な論点とはいえないとしても、「職務・職能給制度」は、経営側にメリットがあるから導入されたのは確かである。そもそも、職務分析と職務評価について「労働側」に主導権はなかったのである。
 次に設計部門で働く場合と組み立て部門で働く場合、それぞれのフロアーでの職務分析と、職務評価はある程度可能であるとして、部門別(職群別)の評価格差はどうなるのか。ここに「属性」による、大卒、高卒、中卒という「学歴格差」が生ずる根拠があり、正社員と非正規雇用(準社員、臨時工、期間工など)社員との「身分格差」を生む根拠がある。つまり格差を埋める効果がある一方、格差を固定化する効果もまたあるということである。
 次に、同一価値労働・同一賃金を定着させていくには、まず足元(国内)から、というのは理解できるが、多国籍企業が隆盛する今日、「内外格差」の是正は、先の話でいいのか、という点である。かつて「春闘」をテーマにしたとき、報告者のKさんは、「アジア春闘」の必要性を説いた。同じ製品が、国内と中国、ベトナム、タイといった海外で生産されるというだけで、労働者の賃金が大きく違っていていいのか、という問題である。
 その提起は、中国における、ホンダ、デンソーなどの工場で「賃上げスト」が頻発していることで現実的問題を突きつけている。
 提起者は、こうした問題を孕んでいることを承知のうえで、現実的で社会的な問題として「性差別」を軸に据えたと思われるが、「同一価値労働」の規定が定まるにはまだ時間がかかるかもしれない。また、「同一価値労働・同一賃金」と「全国最低賃金制度」とセットであるべきだという意見も付加しておこう。
 最後に、ILO(国際労働機関)の評価と向き合い方についても、触れておきたい。
 私の印象では、ILOの存在価値というか、「ILO勧告」は、以前に較べ、最近は大きな効果を発しているように感じられるが、報告者もそう述べた。特に、ILOには有能なスタッフがいるという指摘は、私も聞かされていた。特に現場の話には、熱心に耳を傾け、それなりの反応を示してくれるという。それは、フィリピントヨタ争議(フィリピントヨタ労組支援)で取った、ILOの対応でも明らかであった。
 ILO勧告を「外圧」として、国内における「同一価値労働・同一賃金」の法制化を求めていく、という運動の方向性も示された。
 ただ私としては、「勧告」には法的強制力(義務)はないことと、ILOへの拠出金(分担金)の多い日本は、それをいいことに勧告を無視する傾向が強いことも指摘しておいた。勧告をフルに活用した「グローバルキャンペーン」が必要であり、そのためには、労働側のインターナショナルネットワーク(グローバルネット)は不可欠であろう。 了。

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