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2010年2月 7日 (日)

トヨタ・猿田教授のお話から

 我々は、「激変」をどれだけ、どこまで捉えられるか
 猿田教授のお話は、トヨタを軸にしながら、当然のことながら政治、経済、労働などの領域にも入っていくので、網羅して書き記すことはできない。
 総論的なことを、私なりの解釈と付け足しで記せば、
1、100年に一度という不況(恐慌)の中に、「トヨタの問題」もある。リーマンショック以降の激変した状況下の販売の低下、収益の悪化、減産、そして今回のリコール問題である。さらにトヨタの不振(挫折)は、一企業の存亡だけにとどまらないだろう。日本はこの先どんな社会になっていくのか、どんな社会にしていくのか、私たちは、(このトヨタ問題を機に)労働問題をどう位置づけていくのか、政権交代(新政権)とどう関連していくのか。(直嶋経産相はトヨタ出身)よくよく考えねばならない。
2、リコール問題で、アメリカでの「トヨタタタキ」は伝えられている以上のようである。米自動車業界は巻き返しの絶好の機会ととらえて攻勢に出ていることは、よく知られている。アメリカ政府高官、議会からのトヨタバッシングも聞こえてくる。そしてマスコミ報道も連日という感じであるらしい。集団訴訟という報道も追い討ちをかける。
  「品質のトヨタ」が、なぜこのような問題に直面してしまったのか。「世界戦略という戦線の拡大」「現場、現物主義という徹底した管理がおろそかになった」「経営に傲慢さがないとはいえない」など、順調な時なら誰も口にしないことが、ぽろぽろ出てくる。
  リコールの対応、公表の遅れ、トップの説明、謝罪の遅れ、つまり対応が後手、後手になっているところに、トヨタの今の経営姿勢を垣間見ることができる。
3、トヨタの減産は避けられそうもない。これは下請けメーカー、部品メーカーにとって死活問題となる。それだけではない。トヨタはまた、中国、インド、ブラジル、ロシアなど新興国市場で後れをとっており、「低価格車」は海外生産とならざるを得ず、国内の工場での減産となる。さらに、将来的な電気自動車の登場は、部品点数の激減で既存設備が無効、廃棄となる可能性がある。それは自動車産業のすそ野=地域社会を揺るがすことになる。
  トヨタの国内の拠点は、愛知(東海)であったが、九州、東北を加えて三極化している。大地震や災害のリスクから逃れるということもあろうが、いずれにしても、愛知のものづくり、工業生産出荷額等経済的な地盤沈下は避けられない。「日本はこの先どんな社会になっていくのか、どんな社会にしていくのか」は、他人事ではないということであろう。
 猿田教授は、各論では以下のような項目で話をされたが、ここでは項目だけを書きとめておく。
1、トヨタシステムの「柔軟性」とその限界
1)好況期の「長時間・高密度・不規則労働」と健康問題。
2)不況期の非正規労働者の解雇と正規(雇用)労働者の「雇用・生活不安」
2、トヨタ生産方式・人事管理・労使関係と労働者の生活
1)トヨタ生産方式・人事管理・労使関係
2)トヨタ生産方式を支えるトヨタウェイ
3)労働者の生活
3、激変した政治・経済・経営環境
1)100年に一度の恐慌
2)政権交代
3)自動車革命-自動車部品産業の激変~「モジュール化」
 ①低炭素社会
 ②自動車市場の激変
 ③素材革命
4、トヨタ・ショックとリコール問題
1)金融恐慌と「トヨタ・ショック」
2)リコール問題
5、激変する経営環境と生産拠点・愛知
1)不安定化する拠点・愛知
2)下請管理
3)雇用・労働時間管理
4)賃金~物価の下落と賃金の低下
5)生活~「絶対的貧困化の進展」
おわりに
・労働者の雇用・生活不安の一層の深刻化
・労使(労資)関係と政権交代~激動の時代をどう乗り切るか
 トヨタの社会的責任/トヨタ労組の社会的責任
・日本は片肺飛行でいつまで危機を乗り切れるのか
・教育重視・人間発達の必要性・重要性
 ※資料:トヨタの米新車販売/豊田章男社長の会見骨子/トヨタのリコールをめぐる主な動き

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