「共和国」の核実験
ダメはダメなんですがね
私も含めて、私の関係する運動の周辺では、朝鮮民主主義人民共和国の国名の略称を「北朝鮮」と言わず、「共和国」と呼称している。「共和国」出身者とその関係者が、そのように希望しているからである。私の場合、併用することがあるのだが。
今回の「共和国」の核実験については、基本的には賛意しない。私の運動領域には、「すべての核の廃絶」を求めるピースサイクル運動というのがあるからである。このすべての核というのは「原子力発電+核兵器」という意味で、核兵器製造に欠かせないプルトニウムを作り出す原子力発電所を認めて「核兵器反対」はないだろう、という論理と心得ている。また核兵器には原子爆弾だけでなく、「劣化ウラン弾」も含まれ、その残虐性の延長からクラスター爆弾、白燐弾など「非人道的兵器」(人道的兵器があるとは思えないが)の反対へとつながる。
一方原子力発電については、エネルギー問題や地球温暖化CO2の問題があって、「全否定」されにくい面があるが、私たちの発想の原点は、広島、長崎、第5福竜丸の被爆体験と同時に、1986年4月26日の、チェルノブイリ原発事故の恐怖、教訓である。仮にこの規模の事故が日本の浜岡か、北陸の原発で事故を起こしたら、沖縄、北海道の一部を除く、全土での被害は免れない、そう思うからである。
さて、回り道をしたが、「共和国」の核実験について麻生総理は、安保理決議に明確に違反している、世界的制裁が必要、を強調してはいるが、それが「共和国」の胸に響き、「悔い改める」という見通しを持ってのことだろうか、と思う。空拳を振り回しているように映る。日本の首相であれば当然の発言であっても、あの「北朝鮮」を相手に有効かどうか、冷めた見方もできる。また、キムジョンイル率いる「独裁政権」が倒れれば脅威はなくなると考え、政権の弱体化を狙った経済制裁の強化というやり方を取っているようだが、「共和国国民」を苦しめていることは確かでも、政権崩壊の兆しはない。その現実には目をそらしているように見えるが。
日本は、核拡散防止、核の全面廃絶を外交の柱の一つに据えているが、インド、パキスタンの核実験、イスラエルの核疑惑、アメリカの臨界前地下核実験などなど、「北朝鮮」と同じように対応しているだろうか、という政策のブレが見て取れる。アメリカ追随外交という足元を「共和国」に読まれているのである。
オバマ大統領は、「六か国協議」という枠組みの中で「北朝鮮問題」の解決を図ろうとしているが、「共和国」は、中国、ロシアを含めた解決の道は、国境を接している現実からも、未来外交を考えた時、避けたいのではないだろうか。アメリカとの2国間協議で問題解決を図れば、日本、韓国は追随するであろうし、中国、ロシアに借りもできないうえに、アメリカとの間に一線を画させることができる、そう見ているのではないだろうか。
しかし、それでもこの「核実験」は賭けであったろう。オバマ大統領は、話し合いの柔軟路線から、強硬路線に転化するとも伝えられている。中国、ロシアも、外交的にもまた国内事情からも「共和国」を擁護できないであろうから、非難し始めた。
外交には裏表があり、素直には受け取れないから、「窮鼠、猫を噛む(軍の暴発)」ような追い込み方をしない裏があると信じたい。また、「共和国」内部で政変(軍が実権を掌握)が起きたとしても、核兵器、ミサイルを使った戦争への道はとらないだろう。一時的な戦力はあっても持続力はないことは、軍自身が知っているからだ。となれば、かつてあったような韓国との国境線・海岸線での銃火、日本海(東海)での、何らかの行動はあるかもしれない。
まあ、そんなことがないことを望むが、もしそれがあれば、最も関心をもって迎えるのが、自衛隊の実戦力を試したい、自衛隊を海外に派兵したがっているグループであろう。「衛星打ち上げロケット」でさえ、あれほどの大掛かりな“臨戦態勢”を敷いたのだから。
ダメのものはダメ!なんですがね、「賛意しない」という言い方も、「すべての核実験反対」というようなあいまいで遠回りするのも、この事件を悪用しようとする政治勢力の臭いを感じるからだ。とはいえ、八方うまくおさまるという解決法があるのかと問われれば、ない!わからない、である。沈黙がいいとも思えないし・・・。
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コメント
「俺は持つお前は持つな核兵器」は今日の朝日川柳ですが、それはともかく、見過ごせないと思うこと一つ。
民主党の防衛大臣予定者という浅尾慶一郎クンは、「敵の基地を攻撃するという議論を通じて、日本も本気だ、ということを知らせなくちゃ」と言いました。
これに対して「どこにあるのかわからないノドンをたたくといのは非現実的」と言う元防衛相の石破茂クンのなんとマトモにみえることか。
投稿: 只今 | 2009年5月27日 (水) 09時20分