TMPCWA支援・総会
活発な議論ができてよかった
フィリピントヨタ労組の闘いが始まって9年目、支援の運動が始まって8年目、支援する愛知の会ができて6回目の総会となったこの日、豊田市で、30人ほどのメンバーが集まって総会を開いた。
進行を仰せつかったので、型通りの進行ではなく、中身のある議論の場としたいため、幾つかの点を心がけた。
その一つは、予定されていた「連帯挨拶」はそのままだが、そこに追加指名をして、参加者全員の発言と闘いの報告を出してもらった。そうすることで、結果的には、私たち周辺の運動の一端の報告、状況を知ることができた。その中には、「派遣切り」の経過や、6・27日韓交流の集会の案内もあり、ATUからのトヨタの最新状況も聞けた。ATUサポート市民の会からは、発言と共に新作のリーフレットも配られた。APWSLの機関誌「LINKS」も配布され、その中には、社民党・坂喜代子予定候補の紹介記事と共に、名刺版リーフレットも挟み込まれた。
二つ目に、1年間の活動の提案での議論は、「記念講演」として招いた全造船関東地協・早川事務局長の話が、本議題そのものであると思われたため、並列する形で進めた。その結果、フィリピントヨタの争議が内包する基本的な問題点に議論が集まり、やや難しい議論ではあったが、いつにない意見交換と、問題の本質を明らかにできたように思われた。
その一つは、従来からも議論されてきた「多国籍企業」の、内外での対応が違うダブルスタンダード(二重基準)の問題であり、とりわけ、国境を超えた労働法制の研究が、研究者、判例の少ないことから進んでいないことが指摘された。
それは、TMPCWAが全造船関東地協に加盟して、トヨタに団体交渉を求め、これを拒否したトヨタを相手に、提訴した問題は、現在、最高裁にかかっているが、既に1年4カ月を経過した現在、いまだ何らの結論が下されていない、「異常事態」に私たちは注目している。最高裁もまた、判例なき多国籍企業の労働争議について適用法律を模索しているのではないかと。
そしてこのことから、フィリピントヨタの問題が、この領域での最先端に位置することを意味するのだと。さらに、ILO、「国連人権委員会」、IMFの国際機関の中で少しずつ浸透、認知されつつあることも報告された。折りしも昨日、TMPCWAエド委員長が、ILOのロビー活動のため、ジュネーヴに出発したこと、日本からは来週はじめに支援が出発するという報告が併せて報告された。
もう一つは、「トヨタの影響力」についてである。地元の豊田市はもちろん、愛知県、そして、国、財界、労働界、マスコミ、広告業界などに至る、広範囲に影響力を発揮していることはよく知られているところであるが、国際的にみても、その影響力はいかんなく発揮されているようである。
社長を派遣しているフィリピントヨタ社は当然だとしても、同社の対応から状況を見るならば、フィリピン政府、司法が、何らかのトヨタの影響力によって動いているというのが、フィリピントヨタ労組(TMPCWA)と、支援する側の認識である。
また、北米におけるUAW(全米自動車労組)が、トヨタの工場労働者を組織しきれていないのをどう分析するか。
三つ目は、この4月、フランストヨタで、生産調整をめぐる賃金カットに怒った労働者が「ヤマネコスト」のような形で少数の労働者が立ち上がり、それらが拡大して、門前ピケットへと発展、ついに会社側が折れ、操業停止の(賃金)補償とストライキ日の給料支払いに応じる「労働者・組合側」の勝利として終わった。
このときのトヨタの対応は、「業を煮やした会社は実質的な最高責任者である野中副社長が従業員を集め『私の発言はトヨタ経営陣の見解である』と前置きして、
☆諸君に通告する。経営権を侵害し、われわれの労働者を混乱させる類の行動は絶対に受け入れられるものではない。
☆ストを続ける者達よ、諸君には支払うことはない。われわれはいつまでも我慢しない。
☆労働なくして給料なし、これがトヨタグループにとっての原則である。もしこのことが諸君の気に入らないのであれば、諸君は働かなくても給料を支払ってくれる会社にいって働く自由がある。
☆最終的にこのストで得をするのはCGTだけである。」(「れいめい・第7号」から)
と、フランスでは考えられないといわれる強弁をし、これが会社側の敗因とすらいわれた。
このトヨタ本社の、「フィリピントヨタの問題は、現地の問題であり、現地に任せている」という対応に見られる、トヨタの、仏比の対応の違いに私たちは注目している。ヨーロッパとアジアの違い、即ち「人種差別」のにおいが漂うではないか。
最後に、これまでの労働運動、地域活動では、ともすれば、連合系、全労連系、全労協・自立系というように系列の壁を乗り越えられない、運動の分断があった。最近では、「派遣切り」で、その壁が取り払われつつあるが、このフィリピントヨタ労組支援の問題は、これまでみてきたように、個別的、系列的に対応する枠を超える問題性を持っており、「共同」の闘い、運動が求められている、という認識を得たのではないか。
以上のような経過で総会を終えた。
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