« 詩とファンタジー | トップページ | 芥川賞「時が滲む朝」を読む »

2008年9月17日 (水)

過労死で高裁でも勝訴

 スギヤマ薬品の訴訟
 原告の地、静岡の健康センターと、NPO愛知健康センターなどが支援してきた「杉山過労死裁判」の高裁判決があり、これまでこの運動とは縁がなかったが、要請を受けていたこともあり傍聴に出かけた。もっとも1号法廷(100人弱)は満席で、外で20人あまりの人と共に待機することになった。
午後1時15分ころ、関係者が「勝利判決」を記した紙を持って法廷から走り出てきた。
 スギヤマ薬品は、名古屋市千種区に本社を置き、愛知、岐阜、三重の東海地区で107店舗を展開、従業員3000名余で年商540億円余。
  その豊田市・永覚店で薬剤師として働いていた杉山貴紀さん(当時24歳)は、7年前に「致死性不整脈」で死亡した。入社して2年も経っていない若さで無念の死あった。
  亡くなる一か月前の時間外労働は138時間で、2004年10月、豊田労働基準監督署が過労死と認めたのは当然であり、2007年10月、名古屋地裁は「過労死」を認めて、8300万円の支払いを命じた。原告は貴紀さんのご両親(静岡在住)だった。
 最近の司法判断の流れからすれば、被告側の控訴は、“悪あがき”に過ぎないと思われたが、ここにも「急成長企業」の“暴走”の形を見ることができる。暴走とは、商道徳、企業倫理、法律遵守をまるで意に介さない無法者のことである。「儲かればいい」だけの“群盗団もどき”である。
  高裁判決は、改めて過労死と認定、慰謝料を400万円増額し、スギヤマ側に総額約8700万円の支払いを命じた。
判決後「支援する会」は、報告集会を開催、代表団がスギヤマ薬品本社に判決の受け入れと謝罪を求めて出向くとのことであった。
 勝訴判決は、働く者にとって朗報に違いないが、とりわけご両親には、“死んでしまっては・・・”という思いが残る。死に至る前に、自らの労働実態を記録し、自ら「労働診断」をして、過労死の底なし沼に踏み入らない勇気が必要だが、個人の決意だけでは如何ともし難いこともある。そこに労働組合の存在と“駆け込み寺”的、地域組織の役割がある、という思いをまた強くしたこの日だった。

|

« 詩とファンタジー | トップページ | 芥川賞「時が滲む朝」を読む »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 過労死で高裁でも勝訴:

« 詩とファンタジー | トップページ | 芥川賞「時が滲む朝」を読む »