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2008年4月26日 (土)

労働相談の現場に立ち会う

 ダイヤルを回す人はわずか
 今日は4団体共同電話相談の2日目で、とりあえず顔を出すことにして、夕方の5時に事務所に入った。
  相談の電話はわずかしかなかったが、電話相談主催の一団体であるユニオンに、これまでも支援を受けてきたという、ある自動車メーカーの販売店で働く労働者が訪ねてきた。傍(そば)で話を聞いていたのだが、その差別、嫌がらせの労働相談の話は、私も多少なりとも経験した類似の内容であった。しかし、その場ではいま一つ、なかなか状況を想起することが出来なかった。
  私が労働争議の現場を離れて久しいこともあったが、どうもそればかりではないような気がした。それは、被害者の立場である当人の気持ちや置かれている状況がつかみきれないことがあるにしろ、会社側や所属組合の対応に、かつてとは“違う何か”を感じたのだった。
  一言では言えないが、労働者側が出す改善要求や差別の撤回などについて、会社側も(御用)組合も、まともに対応しないか、対応できないらしいのである。
  例えば、話し合いの土俵の多くは、労基法、労働安全法などの労働法であり、就業規則、労働契約、労働協約、労組の規約などを繰り出して、お互いが正当性を主張するというのが、私の経験則であった。
  しかし、話の流れを聞いていると“そんなの関係ねえ”そのもののように見受けられるのである。それは、先の米国からの労働団体調査団の時にも感じたことだったが、企業規模の大きい会社では、顧問弁護士もついていることもあろうから、法律論で応酬も可能なのだが、労基法も適用されていないような職場では、工場長(創業者、社長)の言うことがそのまま“法律”であったりする世界のようなのである。
  だから極端に言えば“文句があるならやめろ”の世界なのである。そして、そんな中で声をあげる労働者はほんの一握り。多くが耐え忍ぶか泣き寝入りで、降りかかる“火の粉”を自分では振り払えないのである。声をあげれば、あるいは抵抗すれば、今よりもっと悪くなるという先入観、恐怖感があるのではないだろうか。
  それを吹っ切った人、楽観的に捉えた人、助言者の知人、友人が近くにいた人が、ようやくにして電話のダイヤルを回すのである。

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コメント

tomo様

この記事へのコメントではなく、4月28日付のあなたの下記の記事に同感して思わず書きたくなりましたが、当日欄の下にはコメント記入が出来ないのでここに書かせて頂きます。

「ある団体、グループ、党とは相容れない。しかし、それでもその中の“良質部分”とは、合流できるのではないか、合流するには何かいい媒体はないだろうか、そう考えることは果たして無駄なことであろうか。」

いま、「このままではけない!!」と思っている人たちは多いと思います。しかし、政党も運動体も個人もそれぞれに自己の正しさを主張していることによって、不本意にも他者を色分けし結び合うべき「つながり」の糸口を結びあえずにいるような気がします。

tomo様が関わって見える方々は誰もが良心的でありながら、やっていることに何かしら変わりばえがせず、時代の流れにちょっとだけ乗りきれないままに、「正しさ」だけに拘っているような気がします(「正しさ」が間違っているとは申しませんが、”深さ”がないような気がします。)

「何とかしなければ・・」と思っている人々の様々な思いを結集出来る間口の広い考え方、その願いを具体化出来る智恵の広さと奥行きのある運動のあり方がどのようなものなのか、それを真剣になって考え・行動していく時期に来ていると思います。
まさに、tomo様の仰る”いい媒体”が求められているのですね。
御奮闘を心から祈り、よい成果をあげられますことを期待しています。

tomo様上記のお気持ちに限りなく同感しますゆえに、一言申し上げたくなったのです。お許しの程を!

投稿: トン作 | 2008年4月28日 (月) 21時51分

 とん作さま。
 コメントありがとうございました。同感者がいて嬉しいです。
 この種の吐露は、“愚痴っぽく”伝わってしまうような気がして、それへの異論、反論がくるようでは、私の、このブログ自体への向き合い方にも影を落とすのではないかと、まあ、殆んど気分的なものでしかありませんが、コメント、トラックバックを外しました。
 と言うこともあって、昨年より「日記・つぶやき」は、すべてコメント、トラックバックを外しました。ちなみに「小見出し」は青色になっています。
 今回の記事では、具体的な事例としては書きませんでしたが、書くに当たっては、私の経験の中から書きました。どこの誰といった名前がなくても、趣旨はわかっていただけたのですね。
 昨日、ある人から「連休は、どこかへお出かけ?」と聞かれましたが、年金生活者にはフィットしない言葉となりました。
 
 

投稿: tomo | 2008年4月29日 (火) 11時41分

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